嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第二章 翔の仕事

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「・・・あれ?」
「大丈夫?羽間」
「どっかいたいところは?」
「いや・・・特にない・・・です。」
「そう。」
「取り合えず熱中症の軽い奴だと思うから、これ飲んどいて。スポーツドリンクに塩少し入れて水で薄めたやつ。」

5分たち、頭も起きただろうからなぜあそこにいたのか訳を聞く。
「で、あそこに行った理由聞いてもいい?」
「あ・・・えっと、白山店長の弟さんが倉庫のほうに向かっていったから・・・」
「廉くんが倉庫に行ったらなんで君も倉庫に行くの?」
「いや・・・別に用事もないだろうに変だなって・・・」
「へ~・・・」
「まぁ今回はいいや。でも、わかってると思うけど倉庫はデザイン部しか立ち入り禁止。廉くんは販売部じゃなくモデル兼俺のサポートだから倉庫へものを取りに行ってもらったりするけど問題なし。OK?」
「はい・・・すみません。」
「今度から気を付けてね。廉くんは翔が指導していくし。」
「はい・・・」
「じゃぁ体調大丈夫ならお店に戻って。具合悪いなら今日は帰って大丈夫だよ。」
「はい・・・戻ります。」
「はい。頑張って」
羽間が出ていき、深くため息をつく二人。

「何しようとしてたんだと思う?」
「廉くんが関係してくるのは間違えないけどさ。未来はなんであんなに廉くん敵視するかなぁ」
「廉くん完全に警戒してるし、なんなら嫌ってるからね」
「察しがいいからね~」
「確かに。」
二人で羽間未来について話していると、風太が入ってきた。
「あのーそろそろ廉くんやること終わって暇すぎて死んじゃいそうっす・・・」
「もしかして持っていったの全部終わらせちゃった?」
「はいっす・・・」
「やっぱり廉くんできる子!!」
「いや、感動するより廉くんの機嫌取ったほうがいいっすよ・・・」
「そんな暇で不機嫌なんだ」
文が笑う。
「了解。弟の機嫌はお兄ちゃんが取りますよ~」




社長室の扉が開いた。
「廉くん、ごめんね。お、仕事早いね~!助かるよ、ありがとう。」
「嘘くさい・・・」
暇すぎて、待たされ過ぎて、人生基本忙しく生きてきた俺は不機嫌だ。
時間がもったいない。
バイトないときは勉強して過ごしてきたが、今日は勉強道具も持ってきていなかったから暇で暇で暇すぎなのだ。
暇=イライラすることを俺は今日学んだ。
「じゃぁ、上の荷物続きしてもらおうかな。」
「はぁ!!」
家族じゃなければこんな態度クビだろうな、と思いながら翔さんの横を通り過ぎて階段を上りデザイン部へ向かった。

「あらら、廉くん不機嫌になっちゃったね」
「待ちくたびれました・・・」
「そっかそっか、ごめんね」
「さて、それぞれ持ち場のお仕事再開してくださーい」
結局何があったかは教えられないままその日のバイトは終わった。
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