嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第三章 二人の距離

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「廉くん、おはよう。」
「廉ちゃん、朝よ~。」
親の病院で個室だと毎朝こうなると今回の入院で俺は学んだ。
毎朝毎朝、母親と直人さんに声をかけられて8時までには起こされる。
「・・・」
「廉ちゃんヨーグルト食べようか。」
最近は母親が何とか食べさせようと手作りのヨーグルトを持ってくるようになった。
ベッドを少し起こされて診察を直人さんがしている間に、母親は今日の点滴を準備し始める。
「点滴はいつものでいいかな。」
「はぁい。」
すぐにセットをする母親。
ちなみに最初の点滴の時、ミスして「廉ちゃんごめ~ん」って言ってきたのだがこの人本当にずっと看護師で生きてきたのだろうか・・・。確かに俺の血管は細いとよく言われるが・・・・。
「さ、廉ちゃんヨーグルト食べるよぉ~。」
「おいしそうだね!」
直人さんは本気で食べたそう。
スプーンを差し出しても食べないのは毎朝のことで母親も理解したのだろうが、「はい!」そう言って口に無理やりぶち込んできた。
「百々ちゃんが廉ちゃんは待ってても食べないからこれが一番早いって!」
親子そろって怖いんですけど・・・。
直人さんもさすがに苦笑している。
「はい、3口頑張るよ~。」
結局三口すべて同じ食べさせられ方をして口が少し痛い。
「廉くん、体重もう6キロ落ちてるんだ。だから、少し無理してでも口から食べてほしいな。」
「・・・。」
「廉ちゃん、元気になったら何食べたい?」
「・・・。」
元気になったらか。たぶん一生このままだと思うけど。
もう何もする気が起きないんだもん。
もう傷つきたくないし、誰かに期待もしたくない・・・。
「翔と・・・会ってみない?廉くん。」
何言ってんだ、直人さんは。
「無理にでも、乗り越えてみたほうがいいかもしれない。」
「そうね・・・。お互いの為にも。」
「廉くん、翔と会うとき絶対僕が側にいるよ。だから一度会ってみないかな?」
「・・・」
「明後日、朝10時から面会してみよう。」
「廉ちゃんパニックになってもいいの。」
「そうだよ、そのために医者の僕と看護師の百合さんがいる。ね?」
窓の外を見ると今日もよく晴れていた。
「お天気も廉くん頑張れーって言ってるよ」
言うわけないだろ。と心の中でツッコム。
明後日が来なければいいのに・・・。




そして明後日はすぐにやってきた。


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