嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第六章 ぼくは君を許さない。

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翔さんのこぶしに血がついているのが目に入った。
「翔くん、痛くないの?手、洗ってきなさい。消毒する。」
看護師モードになった母親は翔さんの返事を聞かずに下に救急箱を取りに降りた。
「あ、百合さんコレ俺の血じゃないってば!!」
という声は母親には届かず。
「でもまぁ、手は洗わないとね。他人の血だから。」
「・・・・。」
百々が目をつぶってた瞬間ってもしかして殴った時の音がしたのかな・・・。
「廉ちゃんお待たせ~!!お風呂どうぞ~」
「・・・・。怖い・・・。」
「外で待ってようか?」
「うん・・・。」
「じゃ、着替え持って!レッツゴー!!」
シャワーをささっと浴びる。
2階と1階ではせっけんの香りが違う。2階はリンゴの香りのボディソープ。
実はこの匂い結構好きなんだ。
せっけんを流して脱衣所で急いで体を拭いてパーカーを着る。
「はっや!!」
「・・・。」
「ほらー髪の毛拭いて。」
バサっと後ろから百々にバスタオルをかけられる。
二人でじゃれながら俺の部屋に戻ると、母親と翔さんが真剣な話をしていた。
「廉ちゃん、おいで。髪の毛拭いてあげるから。」
母親が座っているベッドの前に座り髪の毛を拭いてもらうんだけど、母親毎回雑なんだよね・・・。
ワシャワシャと拭かれるたびに頭が左右に揺れる。
「んー・・・あ・・・。」
「ん?どうかした?」
「手、出始めたね。震えが。」
「時差があったか・・・。なんか思いだすこと考えちゃった?」
「・・・」
「廉ちゃん言わなきゃわかんないよ?」
「あ、ドアの隙間かな?はい。」
バタンと扉を閉めた百々。
百々の推察は大正解で扉が少し開いているのに気づいて、百々の後ろでニヤリと笑ったあの男の顔が頭に浮かんでしまった。
「廉くん、大丈夫。俺も百合さんもいるだろ?下には親父と警察と警備員もいる。」
警備員は駆けつけるのに少々時間がかかったが取り押さえたのは警備員と翔さんらしい。
外をたまに巡回してくれていた警察は捕まえて5分後に到着した。
手の震えはまだ続いているんだけど徐々に落ち着いては来た。
「だいぶん収まったね。廉ちゃんお水どうぞ~。」
コップにストローを入れて持ってきてくれた百々。
意外と気が利く。
母親が持ってお水を飲んでいるとドンドンドン!!という足音を立てて直人さんが上がってきた。
直人さんとわかったのは上がる時のリズム。翔さんそっくりなんだよね・・・。
扉を開ける前に「入るよ~」と声はかけてくれたけど、やっぱりいつもより声が低い・・・。
怖いんだけど・・・。
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