『お前を異世界に配置する』

ゼルダのりょーご

文字の大きさ
8 / 10

08

しおりを挟む

  しつこく陰湿に迫る作者の一人を『スパァ──ン!』と平手打ちにしてしまった。

「それって正当防衛じゃないの?」

『だが、そうならないように策を弄するのが奴らなのだ』

「嫌な役は拒否できたのでしょ? 無視して高いところへ行けばいいのでは」

 今こうして俺の身体を空高く連れ去っているように。こんな所まで人間は自力で飛んでこれないだろうと思い、神様にむかって偉そうに指摘をした。

『──していたとも。しかし貴族の力の前では私は……無力なのだ』

 そうか、どうあってもそうなるか。でも──。

「けど神族は不死身なんでしょ? 叱られるだけなのですよね」

『そうなら……どんなに気楽か』

 さっきまでの威厳は何処に行ったというのか。叱られるだけではないのか。
 重くなった口をこじ開けるように、

『──貴族のパワーで強制的に作者指定の魔物に変えられ隷属させられたり、蹂躙させられたり……味方であるはずの神族からパワハラ。奴らからはセクハラの毎日』

 パワハラ──。セクハラ──。
 脳内にその言葉の意味が浸透してきて、はらわたが煮えくり返る思いになった。
 俺が訊ねておいてなんだが。

『やがては逆らう私をツンデレ呼ばわりし、さらに好き者の餌食に。私は奴らに汚い言葉を返し、抗った。……何度も、何度も。……そして女神の品格を失った。』

「……」

 込み上げる感情を押し殺しているのが分かる。
 女神の品格を失った、その言葉を赤い唇とともに強く噛みしめていた。
 酷い話に俺は言葉を失いかける。

「そんなんで追放になるのですか?」

 話を途切らせるわけにはいかない。さらに聴きとりにいく。

『いや、ならぬ。だが私に頬を打たれた作者の根が深くてな。私を下等な魔物に変えるのみならず、中二病の少年に変えたのだ』

 聞いた事のない病名だな。ますます表情が暗くなっていくが、病弱なら労わってもらえるのではないか。

「うん?……病弱な人間の子供役ならそんなに悪くないのでは?」

 女神は悲壮な表情を浮かべた。

『ほんとの病気の病じゃない。破廉恥より程度が低くて生きていることが、もはや恥だと思えてくるのだ』

 遅れて脳内に……なにやらワクワク気分が浸透してきたのだが。
 はて? この感覚は女神にとってそんなに辛いものなのかと思った。
 
「それで──、追放の直接の理由はなんなのですか?」

『奴ら人間はどんな状況も描けるのに、私を人間の女子として描き登場させなかった。その上でセクハラだ。身体が魔物だから心のほうからえぐられたのだ。その後、人間の美青年役がきたが優男だから、女装してたくましい勇者に抱かれろと言うのだ』

 何それ?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件

エース皇命
ファンタジー
 前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。  しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。  悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。  ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

処理中です...