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しおりを挟むしつこく陰湿に迫る作者の一人を『スパァ──ン!』と平手打ちにしてしまった。
「それって正当防衛じゃないの?」
『だが、そうならないように策を弄するのが奴らなのだ』
「嫌な役は拒否できたのでしょ? 無視して高いところへ行けばいいのでは」
今こうして俺の身体を空高く連れ去っているように。こんな所まで人間は自力で飛んでこれないだろうと思い、神様にむかって偉そうに指摘をした。
『──していたとも。しかし貴族の力の前では私は……無力なのだ』
そうか、どうあってもそうなるか。でも──。
「けど神族は不死身なんでしょ? 叱られるだけなのですよね」
『そうなら……どんなに気楽か』
さっきまでの威厳は何処に行ったというのか。叱られるだけではないのか。
重くなった口をこじ開けるように、
『──貴族のパワーで強制的に作者指定の魔物に変えられ隷属させられたり、蹂躙させられたり……味方であるはずの神族からパワハラ。奴らからはセクハラの毎日』
パワハラ──。セクハラ──。
脳内にその言葉の意味が浸透してきて、はらわたが煮えくり返る思いになった。
俺が訊ねておいてなんだが。
『やがては逆らう私をツンデレ呼ばわりし、さらに好き者の餌食に。私は奴らに汚い言葉を返し、抗った。……何度も、何度も。……そして女神の品格を失った。』
「……」
込み上げる感情を押し殺しているのが分かる。
女神の品格を失った、その言葉を赤い唇とともに強く噛みしめていた。
酷い話に俺は言葉を失いかける。
「そんなんで追放になるのですか?」
話を途切らせるわけにはいかない。さらに聴きとりにいく。
『いや、ならぬ。だが私に頬を打たれた作者の根が深くてな。私を下等な魔物に変えるのみならず、中二病の少年に変えたのだ』
聞いた事のない病名だな。ますます表情が暗くなっていくが、病弱なら労わってもらえるのではないか。
「うん?……病弱な人間の子供役ならそんなに悪くないのでは?」
女神は悲壮な表情を浮かべた。
『ほんとの病気の病じゃない。破廉恥より程度が低くて生きていることが、もはや恥だと思えてくるのだ』
遅れて脳内に……なにやらワクワク気分が浸透してきたのだが。
はて? この感覚は女神にとってそんなに辛いものなのかと思った。
「それで──、追放の直接の理由はなんなのですか?」
『奴ら人間はどんな状況も描けるのに、私を人間の女子として描き登場させなかった。その上でセクハラだ。身体が魔物だから心のほうからえぐられたのだ。その後、人間の美青年役がきたが優男だから、女装してたくましい勇者に抱かれろと言うのだ』
何それ?
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