『お前を異世界に配置する』

ゼルダのりょーご

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  何それ?
 身体中がむずむずしはじめた。

『奴らは、作り手を替えてきたのだ──』

「──どういうジャンルなの?」

『主人公は勇者の男だがそれを女流作者がやるのだ。神たちは新境地の展開に絶句しつつも、熱狂していく。そしてダンジョンへ降りて行くのだ』

 いったい何の話だ。男の勇者というジョブを女流が描いたから。それが新境地?
 結局はなんでも受けるということじゃないか。

「えっ? 外見はどっちも男? 中身は女神さまと女流……」

 再び言葉を失いつつも、酸欠状態の脳内から俺の二の腕に、得も言われぬ苛立ちが舞い降りてきた。

 その趣味、趣向を好む人たちが居ても別にいいけど。

 嫌がる者を無理やりというのは悪徳だろう。漫画の同人誌をクラスの女生徒が持っていたのを見かけたが、知らない振りをして来たアレか。

『見た目には男女だが、実質は女女(ジョジョ)なのだ』

 うむ。俺は男だから良く分からんが。

「つまりイジメの作者には女性もいる。そういうことなのですか」

『奴らは組んではいるが、執拗にせまる黒幕はビンタ作者だけだ──私に精神的苦痛を与えてきたのだ。私がこの世界から逃げる様にずっと仕向けていたのだ』

 そういう気持ちになるまで、イジメ続けた結果、

 逆転の手立てはないものかと。
 後に中二の女神は彼らの小説から逆に学び取り、転生者の生前の地を探し出した。
 
 逆転するためなら、たとえ神界の法を犯してもという決死の覚悟がいることを考えにいれるしかなかった。

「背水の陣というものですか」

『是非、そうありたかったのだが勝たねば意味なしだ』

 いつまでも心を差し出さない女神を迫害し始めた作者たち。
 女神の仲間がこぞって訴えればその手の作品を描くことを自重させられると考え、中二の女神を見せしめにするため、追放に向かわせる策を講じた。

 作者たちを徹底的に憎むように仕向ければ、中二の女神が自分たちを倒す手段を探し出しにくることだろうと想定し、これ見よがしに転生前の世界の小説を女神の目につく場所に放置していたのだ。
 
 誘いの餌をまいていたということだ。

 神界の戒律で許可なく世界からの離脱は固く禁じられていた。
 過去に数回、抜け出して俺と同じ境遇に至った者と神界の門をくぐり抜けて戻るも、戻ることも想定内で神が待ち受けていた。

『その度に捕まり、禁固刑に処された。その時点で私が懲りていれば良かったのだが、もう女神として人間達とまともに生きて行く自信はなかった。神族が人間不信になってしまったのだ』

 どんどんと内容が複雑になるな。

「ドロドロの深みにハマった感じですね」

 俺は見てのとおりの無知な子供だ。

「なんで俺なんかのところに来たんだよ。奴らの生前の場所を見つけたんだろ?」
 
『でも罠だった。その時代から2人連れ出したが返り討ちに遭った。これで最後だと覚悟を決めて今度は50年前の時代に来たら、そこにお前がいた』

 罠とはそういうことなのか。
 二人の罪なき人間をすでに手に掛けてしまったんだ。
 返り討ちに遭わせるところまで計算済みだったとは。仕返しを狙わせていたんだもんな。重罪に問わせる策だったとは。

「……転生の奴らは、俺の時代の50年後の存在か。あと200年遡れば、鬼のように強い侍にでも逢えたのものを」

『サムライとは……そんなに期待できるものなのか?』

「だって侍は剣豪になっても修行を求めるから、書かせれば単純に強さだけを求める作品を望むじゃないですか。その後は腕を試したくなるから、他流試合へ。つまり他の強い主人公との戦い。それも合戦のような……神界で天下統一が始まりますよ」

 そのようなことになったとしても、女神と侍作者が成り上るだけで、地上の崩壊には繋がらないよね。神様がたくさんいるんだから。

 もちろん、戦争みたいなことは賛成じゃないからね。

『──そうそれだよ、その発想が私たちには出来ないのだ。武神がついえた世界だからな、神界は』
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