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 よだれと震えが止まらないぜ。
 おしっこ漏れそうだぜ。
 忍者とUFOを買えるときが来るとはな。


「UFO、ひとつください!」

『とびっきりの笑顔で言っておるが、相当のお気に入りか?』

「夢のマシン、男のロマンです!」

『ならば【女神エンジン】で呼び出せ。名称を言い、エンジンする。やってみろ』

「え、こっから出てくんの? マジ、イカスぜ!」


 いったいどういう代物なのかわからないが、打ち出の小づちみたいだな。


 UFO──【女神エンジン】。
 ピピッ──ピピピ──ピピッ……。



「おい、30秒は経ったぞ。まだか?」無論、ひとりごとではあるが。

『おかしいな。いつもなら1秒で出現するのだが……本当に実在しているのか、それ? 絵本に出て来るような創造物ではないだろうな。一体どのようなものだ』

「えっと、バカっ速い飛行物体だけど。皆んな知ってるんだけどな、地球人は」


 この女神、UFOの存在すら知らないのかよ。
 まじ天然。どこの馬の骨だよ。あ、神様か。


『その【女神エンジン】は《検索》と《調達》と《貯蔵》が可能な夢のマシンなんだが。どれ──検索が済んだのなら私が見てやろう』


 女神はそういって、また右手を例の如く俺の方にかざしてきた。


 このところずっと優しいなぁ。「お熱を測りましょ」って感じに笑顔だし。
 保健室の美人先生のようだ。仮病をつかって男子が通い詰めるタイプだ。
 もしかして俺のイチモツ握ったせいで、惚れてしまったんじゃないの。
 この忍び装束も、脱いであげよっか? 
 ほれ、女神。ほれほれ。


 おい、また30秒は経過したぞ。


 あれ、女神。
 居眠りしてる場合じゃねぇぞ。


 あ、目を開けた!
 

 きっと故障だったんだな?
 バツが悪いもんだから、天に祈りでも捧げるフリをしちゃって。
 可愛いとこ、あるじゃん。


『こんの、アホたれがぁぁぁあああああ────ァァ!!!』

「あ、あ、阿修羅ぁぁぁあああああッ! なんで、なんで怒ってんのぉ?」


 阿修羅か仁王のような形相で怒鳴られたもんで、ふるちんで後ろに転んでしまった。
 痛い! 
 背中打ったやん。
 ペチンっ。
 衝撃で股間のモノがへその下に当たって音を立てた。
 恥じらいに襲われて、すかさず上体を起こしたら、腹部から跳ね返るように股下にジャストミート!

 うえ~ん。
 物凄い形相で睨みつけている。
 怖い、怖いよう。

 ちょっとは色付けよ。
 子供扱いしやがって。




 ……えっと。

 よく話を聞けば、あるかないか解らないモノはノーカウント。
 そういえば、そんな風に言ってたかもだけど、テンション爆上がりだったもので。
 お許しを──!

 そんなこんなで、もっと実用性のあるモノを選び直すことになった。


「俺のせいじゃない……」


 ──とも言い切れん。
 女神と【女神エンジン】を過大評価しすぎた、俺のミスなのかな。





 ステータス追伸。


 【女神エンジン】では検索、調達、貯蔵が可能。

  UFOは入手不可。
  
  名前・グン。
  性別・男。
  年齢・14歳。

  ジョブ・忍者。
  ゲームフィールド・江戸時代。
  スキル・現在なし。

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