24 / 70
024
しおりを挟む突然死──そこに何があったんだろう。
女神は見ていたんだろうか。
状況ぐらい説明してくれないかな。
説明受けて俺は納得できるのかな。
できないだろうな。
事故死だろうと病死だろうともしくは他殺の線はないか。
ははは。
知れたところでやり返すすべもないというのに。
どれぐらいの時間経過があったのか。
とにかく死んだ、それは間違いなく。
もう振り返ろうとか思わない。
思えないんだ。
家を恋しんだって戻れないし。
泣いたって、わめいたって現状は変わらない。
考えようとすると力が抜けていくんだ。不思議だ。
振り向こうとすると涙が出る寸前の、あの目の奥にジンとくる切ない感じがする。
死なんて、あっさりと受け容れられる年齢じゃない。
未練はあるよ。たくさんあるよ。とても悔しい。
きっと今頃、町のやつらは笑ってるんだろうな。
変人消えてくれて清々するとか。
俺が街の奴らに受けてきた状況──【女神エンジン】。
知りたいことが分かるんだろ、これ。映像でもいいんだった?
俺をどんな風に見ていて、お前らは何を感じていたんだ。
俺の目に映っていたお前たちよ、何かを語れ。
ピピ!
検索完了。
いじめ。差別。偏見。マウントによるドミネーション(支配)
格差の見せつけ。ペット化。
その手のケースに見受けられる症例から、ADHD or 自閉症。可能性低め。
対人緊張の類と見受けられる。将来的に双極性障害へ移行…可能性あり。
「う~ん。よくわからんけど、精神疾患なのかな。親が一番認めないやつだ」
さぞ、とろくて苛立ってたんだろうな。
薄々とは感じていた。だが自分ではどうにもできない悩みだった。
◇
俺の大好きなUFOが候補から消えた。
次にと言われるなら印籠ぐらいだ。
これは、模造品になるが。バレなきゃOKなんだろ。
名前がこうだから、時代劇にハマッていたけど。
さして詳しくもない。
むしろ小難しい歴史なんて苦手だ。
強い者は格好良くなれる、思いやりも持てる。
人助けもしてやれる。
そんな憧れが漠然とあった。
けど俺にあんな強さ身に付くはずないし。
せめて身分制度のあった徳川の印籠をひそかに抱いて、忍びに成り切って一人遊びをし、孤独を紛らわしていた哀れな身の上さ。
遠足で覚えた道を頼りにひとりで行った映画村。
近くに土産物店があり、そこに40000円ほどで売っていた。
貯めていたお年玉を使いにいったんだ。
だれも知らない俺の宝物なんだ。
うわぁ。
今さらだけど、まじで取りに帰りたい。
持って行ければ、心のお守りぐらいにはなる。
あ、そうだ!
俺所有の三つ葉葵の印籠──【女神エンジン】。
ピピ!
検索中……現存確認あり。調達可能──転送します。
「お、俺の印籠だ。土産物だけど。これがな、洗っても剥げたりしないんだ。黒地に金色……なんて神々しいんだろう。うっとりしちゃう」
『なにかを手にしているな。持ち込むモノが決まったなら、早速出発しようか』
「忍者と印籠は不釣り合いだけど、買いだもん」
見間違えるはずもない。
俺の宝物が目の前にスーッと現れた。
理屈なんてどうでもいいんだ。
君だけは俺を裏切らないよな。
身分の高いジョブなんか選べなかったんだし、見つからなきゃいいだけだ。
死と眠りは似たような状態だといつか医者が言っていたな。
これからいい夢だけを見に永遠の眠りに入るだけなんだ。
それでいい……、もうそれでいいや。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
鬼の兵法伝承者、異世界に転世せしむる
書仙凡人
ファンタジー
俺の名は桜木小次郎。
鬼一法眼を祖とする鬼一兵法の令和の伝承者。
だがある時、なぜか突然死してしまったのだ。
その時、自称神様の変なペンギンが現れて、ファンタジー世界の転生を持ちかけられた。
俺はヤケになって転生受け入れたら、とんでもない素性の奴にログインする事になったのである。
ログイン先は滅亡した国の王子で、従者に毒盛られて殺されたばかり。
なにこれ? クーリングオフねぇのかよ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる