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  俺が持ち込みアイテムを決めると、女神はなにも聞かず扉に手をかける。


『心の準備などと言っておれば、永遠にここから出れぬ』

 女神は逆光の祠の扉に手を掛けると、バッと勢いよく開いた。

「あぁ光が眩しい。そして涼風が心地いい」

 祠の外に出た。振り向くと、古めかしい、さびれた神社の祠だった。
 神社の祠なら、ここは山林の中かな。

 外から見た祠は小さなお堂のようで、観音開きの戸があった。
 すこし指で引っ張ってみたがビクともしない。

 女神の力で封じているんだろう。
 これで安心だな。
 ここが見つかったら、なんて案じる必要はないのだ。

 女神がおもむろに指さす。
 そして俺に言った。
 そこの道から、街道に出られる。進路は東だと
 街道を道なりに東へ行けば、宿場町へたどり着く。
 そこが今回のゲームフィールドとなる。

 人の足なら、30分ほどで到着する。
 忍者だから10分で到着できる。
 さらに女神はなにやら親切そうに伝えてきた。


『ゲームは基本、ノーヒントだが。伝えておくことがひとつ残っていた。グンのジョブは忍者だが、その状況確認をするための呪文を教えよう』

「じゅ……呪文。なんか怖そうだな」

『私のことばをなぞって唱えてみよ! ステータスオープン! と』

「はい。す、……ステータスオープンっ!」



 ◇

 ステータ・エンジンによる現状掌握。(ステータスの開示)



 ○名前・グン 
 ○性別・男 
 ○年齢・14歳
 ○ゲームフィールド・江戸時代

 ○ジョブ ・忍者  里に所属の少年忍者。

 ○体力  ・50  (旅人の大人40 子供20)
 ○攻撃力 ・20  (旅人の大人20 子供05)


「またこれか。何回見せりゃ気がすむんだよ。と思ったらなんか情報が増えとるやないか」


 ○装備武器・なし
 ○スキル ・現在異能力なし
 ○特技  ・忍術・いしつぶて命中率30 気配消しステルス率50 


「え、特技……ものを投げると3回に1回は命中する感じ? そんでもって気配まで消せるんか! やっぱ忍者は買いだったな」


 ○所持品 ・葵の印籠
 ○所持金 ・3両 任務支度金  
      (1両=4,000文【女神エンジン】で両替可)
       鰻丼120杯分相当。


「なんかお金まで用意してもらってる。両替もできちゃうなんて万能メカじゃん」
 

  備考・鰻丼1杯100文 寿司60文.そば16文
     銭湯の入浴料5文
     床屋・髪結床の利用料40文
     
     1両は当時の米の相場から算出。ここでは13万円相当。


「お金の管理はめんどいな。だからか、コレ確か貯蔵できるんだよな。さすがに4000文ジャラジャラと持ち歩きたくねぇな。3日生きて行くには有り余るな」

   
 ◇


『ステータスはこまめに確認しておけ。状況の把握はすごく大事なことだ』

「これがステータス……か。なんかごっつう金持ってるよ?」

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