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第1章
美酒
しおりを挟む「はい、はい…あ!!!ありがとうございます!!もういつからでも働けます!!!」
上機嫌で電話を切り、両手を上にあげて喜びを表した。
「わーー!!!!やっと仕事決まったーーー」
大学卒業後に就職氷河期を迎えバイトをしつつ面接を受けまくる…そんな長い道のりは終わりを告げこれからの未来に明るい光を落とした。
「あんたやっとね…どうなることかと思ったわよ…」
母はテーブルの上でそら豆を剥きながら呟く。
「ほーんとお世話かけました」
浅くお辞儀しながら誠意を見せようとそら豆を剥くのを手伝うと、やれやれと言うようにため息を着く母。
「で、何をする仕事なの?」
「聞いて驚かないで…なんと…受付嬢!」
「まぁ、1ヶ月と1週間ってところかしらね」
「ちょっと、やめてよ!!」
そんな会話を繰り広げつつ、母は安心したように笑った。
そうして迎えた出社当日。
それなりに身なりを整え出勤し、慣れない業務をこなしていく。
張り付いた笑顔で受付をし続け、ついに金曜日。
業務内容?
そんなものは覚えていない…目の前のことをやりきる事でいっぱいいっぱいだった。
かろうじてメモは取れた。
「とりあえず、えなちゃんの歓迎会やるからねー!!ホントに1週間おつかれー!」
先輩がヒラヒラと手を振り夜の街に繰り出す一方、私は疲れた身体を引き摺ってコンビニで貪るように酒とおつまみをカゴに詰めていた。
「(だーーー疲れた疲れた!!今夜は飲む!!誰がなんと言おうと酒盛り!!)」
そう心で叫びながら次々に酒をカゴに入れる。
「美酒で酔おう~♪♪」
思わず声に出てしまった自身の十八番自作ソング。
酒を飲む時は何故か歌いたくなってしまうのだ。
「(やばい…思わず声に出しちゃった…まぁでも人少ないし)」
ガシャーーーーーーン
派手な音が聞こえたと思ったら足元にシュワシュワと音を立てて液体が流れてくる。
思わずその液体の元を目で辿ると辺りにはガラス片、そして誰かの足が見えた。そのまま顔まで辿る。
「(ん?サラリーマン…?)」
彼は目を見開いてこちらを見ていた。
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