平凡な魔法剣士の異世界攻略

お姉さんのお願い

 お姉さんはユウを背負いながら家に連れてきてくれた。
レンガ造りの小さな一軒家の中に入ると、レトロな家具が並ぶお洒落な部屋だった。

「ここに座って。ご飯を作るから待っててね」とお姉さんはエプロンを着てキッチンに向かった。
ユウは女性と家に二人きりという状況を考えてしまって顔を赤らめた。

暫くすると、美味そうな匂いがキッチンから漂ってきた。
お姉さんは沢山の食べ物を振舞ってくれた。
「男の子はいっぱい食べて力をつけないと生きていけないよ！」とユウが食べている姿をニコニコしながら眺めている。
「こんな美味しいご飯を恵んでくれてありがとう」とユウはスプーンを片手にお礼した。

ユウがお腹いっぱいになるとお姉さんからあるお願いをされた。

「ねぇ。会ったばかりの貴方にこんなことを頼むのは身勝手な話だけど、あたしのお願い…聞いてくれる？」とユウに言うと、
「もちろんです！是非、聞かせてください！！」とユウは食事を振舞ってくれたお姉さんに恩返しがしたい一心で返事をした。

「ありがとう。あたし、ずっと知らない男に跡をつけられていて…とても怖くて…助けて欲しいの！」とお姉さんは涙目でユウにお願いした。
「大丈夫。その男は僕が退治するから」とユウはお姉さんの震えている手を握った。

 「あたしの名前はリオ。これからよろしくね」
「僕の名前はユウ。もう僕等は仲間だ。これからよろしく！」とユウも笑顔で返事をした。