江戸の『鬼』

小豆あずきーコマメアズキー

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『鬼』の、美食♡

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鉄格子の向こう側で胡座をかいて座る、黒髪で、高身長のイケメンの風貌の主である男、鬼賀乃仁導だ。俯いており、後ろ手にされて手枷を嵌められており、膝の関節を曲げられないように縄で拘束され、首輪が嵌められたその先には鉄球が付いており、首の自由さえも奪われていた。

「………………………………………」

鉄格子の前で背を向けて立っている見張り番の伊村尊は、チラチラと見ていた。黒髪で、19歳には見えない程童顔であり、仲間たちからは彼が子供っぽく、顔も可愛い印象であり、しかも身長が153センチ程しかない事から『可愛い』と、男性にとって屈辱的な言葉を浴びる事があり、いつも泣かされている。

鬼と呼ばれて恐れらるておりき(恐れられていた)男。

鬼賀乃仁導。

かのような間近にて拝見する事は滅多に無かったなれど(こんな間近で見る事は滅多に無かったけど)。

かくやとは拝見すると(こうやって見ると)。

ただにおじ殿でござった(ただのおじさんだった)。

「ねえ。鬼賀乃」

「………………………………………」

声を掛けても、彼は何も口にしなかった。

「鬼賀乃?」

「肉じゃ(だ)」

「うえっ?」

「肉が、足らなゐ(足りない)!」

顔を向けた仁導は唾液を垂れ流しており、前髪から覗くその目はまるで、人間味を、感じられなかった。

「!!!!!!!!!!?」

く、喰わらるる(喰われる)!

ゾクッとし、体中の血液が逆流するほどの恐怖に身が縮こまる。

「………………………………………」

「ひどゐ(ひでぇ)」

村から漂う、血の匂い。首を噛みちぎられて倒れている女。腹部を切られて中身が出た子供。頭がない赤ん坊。両目を抉られて心臓を抜き取られた男。この村に、生きている人間は誰も居ない。家々は燃やされている。そこに立ち尽くす緑色が掛かった黒髪の、性的魅力に溢れた高身長の男、白鳥ナガレと、馬に跨がるブロンドの短い髪の、輪郭の整った女のように美男子な青年、嵆鼇(けいご)。

おゐ鬼賀乃。

それがし貴様の事是非に及ばぬでござる(俺お前の事知らねえんだよ)。

貴様どんなきゃつなんでござる(お前えどんな奴なんだよ)?

貴様まことに人間だか(お前え本当に人間なのか)?

人間の皮を被った魔物かなにかだ(なの)か?

「白鳥。鬼賀乃は御用させたとか(逮捕されたのか)?」

「あぁ。甲斐田がな?」

甲斐田純也。黒髪の爽やか系な、顔が整った美形の主であり、片方の前髪が長いのが特徴的な男であり、鬼賀乃を逮捕する際にこの村へ来た。刀を持って幼い子供の腕を咥えて歩いて来た『怪物』と出会った。

『お主を御用、しに参ったで候(君を逮捕、しに来たよ)?』

どんな状況であっても、冷静さを崩さない。にこやかに笑っているが、あまりの恐怖で目をふさぐことさえできない。

『鬼賀乃仁導』

『ふふふ』

すると彼は、笑い出した。

『ふふふふふふふ!』

血を垂れ流し、笑い続ける。

『くふふふふふふふふ!』

仁導は、自ら背を向け、後ろ手にした。

『………………………………………』

彼の瞳が揺れ近付き、赤い縄を手にして首に回し、両肘を曲げさせて両手首を縛り付ける。

『ああああああぁ~』

舌を出し、唾液を垂れ流す。咥えていた腕が落ち、純也はこの化け物を連れて牢獄へと向かった。

「素直に応じたでござるようじゃ。無茶苦茶喜みてたらしき(素直に応じたようだぜ?無茶苦茶喜んでたらしい)」

「きゃつは魔物じゃ。人間にてはござらん。悦ぶなりしが当然やもしれぬ(奴は魔物だ。人間では無い。悦ぶのも当然かもしれない)」

人が(人間が)。

人が人を(人間が人間を)。

かようにも惨殺するでさうらふ事など(こんなにも惨殺する事など)。

えなゐ(出来ない)!

顔中にどことなく殺気が漂っており、ギリッと歯を食い縛る。

「ナガレ(ナガレさん)!嵆鼇!」

馬に跨ってこっちに向かって来るのは、栗色のソバージュが毛先に掛けられた唇にさしている紅が良く似合う高身長の女、奈良和美嘉と、妊婦のように腹の突き出た元服を迎えた15歳の乙女であり、黒髪を一つで結んで、鮮やかな緑色の着物が良く似合うが、際立ったところのない平凡な顔立ちをしている、新島唯子だ。

「奈良和!新島!如何した(どぅーした)!?」

「鬼賀乃仁導が、抜けいだしき(抜け出しました)」

「!!!!!!!!!!?」

彼は目を見張り、瞳が揺れる。

「なにゆえ(んだとおぉ)!?」

「後!伊村の腹切り裂かれ、臓器が、いでたりき(腹が切り裂かれて、臓器が、出てました)!」

ナガレは、言葉を、失った。

「………………………………………」

嵆鼇の瞳が揺れ、黙ったまま下唇を噛み締める。

鬼賀乃…!!

タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ!純也は走った。女の家へ。ドンドンドンドンドンドン!

「?」

裏庭で、二本立てられた柱に洗濯物を干していた雪は、ふと、顔を向けた。冴えないと言うか、大人しい、清楚系、だが、顔に対しての悪い印象はなく、どちらかと言えば美人系な顔をしている彼女は、洗濯物を干していた手を止めて玄関に向かった。

「はい」

「雪殿(さん)!」

彼は顔を向け、雪が来てくれたのを確認すると、彼女の前に行き、その肩を掴んで揺れる瞳で、こう、口にした。

「落ち着きて、聞きたまへ(落ち着いて、聞いて下さい)」

「………………………………………」

ドックン。ドックン。ドックン。ドックン。ドックン。ドックン。ドックン。ドックン。ひどく、ゆっくりと打つ鼓動。頭の中がしびれて、現実が受け入れられない。

「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ」

俯き、口を押さえてぼろぼろぼろぼろと、大きい雨粒のような涙を流す。

「うたてしぃ(いやあああああぁ)!」

泣き叫び、膝から崩れ落ちた。純也は膝を付き、雪を抱き締めた。彼女は、尊の許嫁。明日結婚をする予定だった。まさか、まさか夫になる人が死んだなんて、思いも寄らなかった。

「雪殿(さん)…」

前髪の陰で表情を隠し、一筋の涙を、流した。

「あ…………………ッ…あぁ……!」

「はぁはぁ」

そんな中、栗色の髪を三つ編みにし、子供っぽい愛らしい顔をした女、千鶴を抱き締めて守るのは、シルバーの髪が目立ったイケメンな風貌の38歳の男、大浦湊だ。

「湊(湊さん)…」

彼女は、身体が板のように硬直し、体中の血液が逆流するほどの恐怖に、夫もどうして良いか分からなかった。

「暫く身を隠しめ(させ)てくれ」

似合わない笑みを浮かべて言う仁導は、村人の見知らぬ男の頭を持っており、そう口にした。

「…………………分かった」

同意する他に、選択肢など無い。もし断ったら、何されるか分からない。

「そこにゐる女は、貴様の奥方か(そこにいる女は、お前の妻か)?」

「あぁ」

何度か小刻みに首を動かし、対等に話せる相手で無いのは分かるが、額から一筋の汗を流し、喋って自分の心を落ち着かせる。

「正室じゃ(妻だ)」

「ほぉ。腹が減とは居られたら、貴様たちを食とはおりき。それがしの食は人間じゃ。丁度腹が膨れておる。運の良き、人間夫婦(めおと)じゃ(運が良かったな。腹が減っていたら、お前たちを食っていた。俺の食は人間だ。丁度腹が膨れている。運の良い、人間夫婦だ)」

彼は、持っていた男の頬を噛み千切った。

「うぅっぷっ!」

湊は吐きそうになって頬を膨らませて食い止め、彼女は、目を開けたまま気絶してしまう。馬の蹄の音を立てて走らせる嵆鼇は、怒りに燃えていた。

鬼賀乃!

なんぢをさらに、逃さず(お前を絶対に、逃さない)!

『鬼賀乃を探しに参上する(行く)』

『わりなし(無茶だ)!』

『鬼賀乃は常の人には無し。危ふし(普通の人間では無いです。危険です)』

『鬼賀乃上等』

手綱を引き、馬を走らせた。

『おおぉい嵆鼇!』

ザアァッ!運が悪い事に、雨が絶え間なく村を包むように降り出した。

いで来(出て来い)!

なんぢの首を刎ねるいそぎは整へられき(お前の首を刎ねる準備は整えられた)!

その時だった。

「おおおおおおおぉい!!!」

ダダダダダダダダダダ!と言う音と共に声が。

「?」

見るなり、馬にも乗らずにその隣を走って来るナガレの姿が。

「白鳥!」

「おゐ嵆鼇!貴様のみにて格好付けしめなゐからな!鬼賀乃のうなを刎ねるのはそれがしじゃ!貴様にてはござらぬ(おい嵆鼇!お前えだけカッコ付けさせねえかんな!鬼賀乃の首を刎ねんのは俺だ!お前えじゃねえ)!」

「随分やる気満々じゃ(だ)な?危険じゃぞ?」

「其れは己自身に申してるとか(それはテメエ自身に言ってんのか)?」

「貴様に申してる(お前に言ってる)!」

「はっ!鬼賀乃上等!」

ダダダダダダダダダダ!パカラ!パカラ!パカラ!パカラ!パカラ!

「湊(湊さん)」

仁導が寝ている隣の部屋の布団の上に座って抱き締め合う夫婦。

「我ら、明日生きたりやな(私たち、明日生きてるかな)?」

「千鶴。生きる事のみにてを存念やう。消極的な存念になり申してはいけないであろう(生きる事だけを考えよう。ネガティブな考えになってはいけない)」

「うん」

頬を染め、夫と居ると、少しの希望が持てる。笑みを浮かべ、瞳が揺れる。

「お慕い垂き(愛してる)」

「我も思へるぞ。湊(私も愛してるよ。湊さん)」

死と隣り合わせ。生きる生きられるかは、あの男次第で運命が変わる。だが、妻を落ち着かせる為には、こう言うしかなかった。

「この雨にて匂ゐが消ゑてしもうた。馬のみにてが頼りでござったかが(この雨で匂いが消えてしまった。馬だけが頼りだったんだが)」

取り敢えず、ナガレの家で雨を凌ぐ事にした。

「しょうが無い。取り敢ゑず湯入らふぜ(しゃーねーな。取り敢えず風呂入ろうぜ)?」

「ここは貴様の屋敷じゃ。拙者後にて入る(お前の家だ。俺は後で入る)」

「背中流すぜ?」

「良きと申してる(良いと言ってる)!」

「ちっ。付き合ゐ悪しきな(付き合い悪ぃなぁ)」

そう言い、一人で歩いて風呂場へと向かった。

「………………………………………」

どのくらい経っただろうか。ナガレは囲炉裏で寝ていた。嵆鼇は囲炉裏に入って来ると、風呂場へ向かった。ふと、彼は目を、開けた。脱衣場で衣を脱ぎ、裸になって五右衛門風呂に浸かる。

「………………………………………」

「嵆鼇」

「!!!!!!!!!!?」

ナガレは入って来るなり、目を、見張った。と言うのも、ふっくらとした形の綺麗な大きな胸が、あったからだ。

「何故でござる男の振りしておるんじゃ(なんで男の振りしてんのよ)?」

囲炉裏に座る嵆鼇はタオルを巻いて女の子座りしており、パチパチと薪に焚べられた火を見つめる。

「………………………………………」

「仁導と仲柄がござるとか?貴様長らく仁導を追っとるのう?何故でござる(関係があるのか?お前ずっと仁導を追ってるよな?なんでだ)?」

「え言はず(言えない)…」

俯き、彼女は震えた。

「え言はず。されど、鬼賀乃を追ふにはよしあり。かれの首を刎ねば、話す(言えない。けど、鬼賀乃を追うには理由がある。あいつの首を刎ねたら、話す)」

「………………………………………」

なにがあったでござるか是非に及ばぬが(あったか知らねえが)。

あやつを世に放つ訳にはゐかなゐから(アイツを世に放つ訳にはいかねえから)。

極刑を施したいでござるが(施してえが)。

嵆鼇のばやゐ、左様な単純な事ではないんであろうな(場合、んな単純な事じゃねんだろな)?

「寝やうぜ?明日もあるでござるからで候(寝ようぜ?明日もあるかんよ)」

嵆鼇は顔を向けると、頷いた。

翌日。

「ぐ、あぁ!」

「湊(湊さん)!」

切り落とした湊の腕を食べる仁導は、背を向けていた。出血がひどく、囲炉裏の床に滲み、千鶴は夫を抱き締めていた。

「硬ゐ!なんじゃこの肉は?食ゑたもんではない(硬い!なんだこの肉は?食えたもんじゃない)」

その腕を投げ飛ばすと前を向き、刀を手にした。

「女。貴様(お前)の肉は、どんな味かな?」

「ひっ!」

体中の血液が逆流するほどの恐怖に、じわ~ッと、漏らしてしまう。

「きゃああああぁ~!」

「!!!!!!!!!!?」

馬を走らせていた嵆鼇は手綱を引いて止め、キョロキョロと探る。

いづこなり(どこだ)?

いづこよりの悲鳴なり(どこからの悲鳴だ)!?

「大人しくしてちょーだいゐろ(大人しくしていろ)」

「止めろ!!」

刀を振り翳したとたん

「鬼賀乃おおおおおぉ!!」

「?」

振り返ると、嵆鼇が戸を壊して刀を握って走って来たのだ。

「丁度良く、美味さふな肉が参った(美味そうな肉が来た)!」

唾液を垂れ流し、その刀を握っていた華奢なくびれた手首を掴むと

「!!!!!!!!!!?」

ドスッ!と、余分の脂肪の無い痩せて凹んだ腹部を蹴り飛ばしたのだ。

「がはぁ!」

唾液を吐き出し、目を見張り、停電したようにプッツリと、意識を失なってしまった。

「運の良き、夫婦(めおと)じゃ(良い、夫婦だ)」

彼を脇に抱え、走って家から出て行った。

「あの子が!」

「湊!止血せずは(湊さん!止血しなきゃ)!」

腕を切り落とされたと言うのに、湊は嵆鼇の事を心配した。

「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ」

畜生(チキショー)!

起きたら嵆鼇のきゃつ(奴)!

居なゐにておる(居ねえでやんの)!

いずこ参ったんじゃきゃつ(どこ行ったんだあんにゃろー)!

村を走るナガレは、彼を探していた。そんな中、誰も使っていない村外れの御縮小屋に身を潜めた。ぼろぼろの床に仰向けになる嵆鼇は、目を、覚ました。

「おはようでござる(おはよう)」

「!!!!!!!!!!?」

自分の上に四つん這いになって覆い被さっている仁導と目が合い、目を見張り、瞳が、揺れた。

「仁、導ぉ…!」

自分は両腕を後ろ手にさせられて華奢なくびれた両手首から肘の関節まで縛り付けられており、ガクガクとなかなかお目に掛かれない綺麗な形のほっそりした脚が震える。

「貴様。格好は男なれど、女じゃな?皮膚の匂ゐにて分かる(お前。格好は男だが、女だな?皮膚の匂いで分かる)」

「く………………………ッ…!」

ギリッと歯を食い縛り、こう言い放った。

「拙者、拙者女にてはござらん(俺は、俺は女では無い)!」

「さふ(そう)か」

その時、彼は衣を剥ぎ取って来たのだ。

「やっ!止めろ!」

脚を動かして抵抗をするも、抵抗の内にも入らない。

「うたてし(いやっ)!」

美しく、生命感に溢れ、清潔で、セクシーな裸体姿にさせられてしまった。

「ほぉ。かとはいえ、女にてはござらんと申すとか(これでも、女では無いと言うのか)?」

口のあたりに意地の悪い笑みを彫りつけたように浮かべ、ふっくらとした形の綺麗な大きな胸を下から上に持ち上げるようにして揉み

「やっ!」

ムチッとした愛らしいピンク色の乳首を咥え、舌先で舐めながら、片方の手を下に下ろして中指を膣に差し込みGスポットに触れて刺激させる。

「あぁっ!やっ!あっ!」

乳首が勃起して硬くなり、指を締め付けて咥え込む。すると、しっかりと唇に咥えてチューッと吸い、ヌプッと離す。

「やん!」

「ふふふ。処女臭ゐがきなれど、いかがやらかく申すのが好きらしきな(処女臭いガキだが、どうやらこう言うのが好きらしいな)」

裾を捲り、大きい陰茎を手にした。

「楽しませてくれそうでござる(そうだ)♡」

太く猛々しくそびえ、びくんびくんと脈打つ陰茎からビュクビュクと我慢汁が溢れる。

「止めよ!挿入るな!止めよ(止めろ!挿入れるな!止めろ)!」

すると仁導はズブッ!と、こじ開けるようにして差し込んで来たのだ。

「い、やああぁ!」

体も心も痛みに支配されて目を見張り、腰が痙攣し、プシャアァッと、尿を漏らした。

「あぁっ!あああああああぁ!」

叫ばざるを得ない痛みに上体を反らし、唾液を垂れ流す。

「あぁ狭ゐ!き、つゐ!」

メリメリメリメリメリと剥がれるように膣壁が広がっていくのを感じ、ギリッと歯を食い縛り、唾液を垂れ流し、片方の目を瞑る彼女は、窒息してかけで苦しんでいるように顔が赤くなり、身体が痙攣を起こす。

「ひ、ぐっ!うぅ!!」

裂く(裂ける)!

お股が、裂く(アソコが、裂ける)!

死ぬ!

死ぬ、う…!

その時、処女膜が破けて血がどくどくと流れ

「!!!!!!!!!!?」

人生で経験しない程の痛みに白目を剥き、一瞬だが、意識を失ってしまった。直ぐに意識が戻った時には、根本まで挿入されていた。

「あぁ!ようやく入った!かは、潰させそうでござる(やっと入った!潰されそうだ)!」

「く………………………ッ…ゔうぅ」

その時、彼は髪の毛を鷲掴み上体を起こさせた。

「ぐああぁ!」

「見ろ!」

「!!!!!!!!!!?」

自分の膣に差し込まれた男の陰茎が、根本まで入っているのを目に、頭も中がしびれて目の前の現実が受け入れられない。

「根本まにて(まで)入ったぞ!」

ドサッと押し倒し、両手で鷲掴みながらバコッ!バコッ!バコッ!バコッ!バコッ!と、子宮を突き上げる。

「あぁっ!あっ!あっ!あっ!ん、あぁ!ああああぁ!」

痛し(い)!

痛し(い)!

痛し(い)!!

「はぁはぁはぁはぁ女は、久方ぶりじゃ(久々だ)!」

唾液を吐き出し、額から一筋の汗を流し、締め付けられるその快感にブルッと身震いをし、唾液を垂れ流し、突き昇ってくる熱の魅力に抗えず、欲望を燃え上がらせどくどくと全身の血が滾る。

「くふぅ!んはぁ!あぁっ!はぁはぁはぁはぁはぁ」

ぼろぼろと大きい雨粒のような涙を流し、快楽の海に溺れて這い上がる事が出来ず、体がバラバラになるほど愛され、一度からだにこびりついた快感はどこにも出ていかない。

あぁ!

心地良し(気持ち良い)!

「あああああぁ~。こころもちが良き(気持ちが良いのぉ)」

目眩に似た恍惚感が訪れブルッと、身震いする。

「んはぁ!あぁ………………ッ…あ……!!」

失神しそうな程のエクスタシーが体を駆け抜け、ビクビクと腰を痙攣させ、体は快感のあまりにゾクゾクし、ブッシューーーーーーーーーッ!と、何メートルとも潮を吹き出し

「ーーーーーーーーーーーッッ♡!」

腰を痙攣させて唾液を垂れ流し、身をゾクゾクさせたまま年甲斐も無く多量の精を放つ。射精は力強く、雄々しく、精液はどこまでも濃密だった。きっとそれは子宮の奥まで到達したはずだ。あるいは更にその奥まで。それは実に非の打ち所のない射精。膣に射精された精子が駆け抜け、子宮へと到達する。そして、卵管を通り卵子を待つ。卵巣から排卵が起こる。精子と排卵をした卵子が、卵管膨大部で出会い、受精をする。受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管を通り、子宮内へ移動する。子宮に到達した受精卵は、子宮内膜に着床し、妊娠が成立する。

「んはぁ!」

その際に、余分の脂肪の無い痩せて凹んだ腹部がボコッ!と膨れ上がり、子宮に熱湯が注がれたように熱くなり

「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ」

すべてが終わったとき、次第に遠のいていく恍惚の中で女がブルッと、身震いした。

「おゐ女。何ゆえに(何故)、男の振りを?」

彼は、気になっていたようだ。すると、彼女はこう、口にした。

「お母食ひ殺しし父親に、あらはれぬ料(お母さんを食い殺した父親に、バレない為)…」

その時、仁導はガッとアゴを掴み、顔を向けさせた。

「貴様(お前)、鈴か?」

「父(お父、さん)」

唾液を垂れ流し、ぼろぼろと大きい雨粒のような涙を、流す。

「鈴…」

ガッと、両手で首を締め付けた。

「あぁ……………………ッ…!」

「お慕い垂き(愛してる)。鈴」

その時だった。ガタン!と言う音と共にナガレは戸をぶち破って入るなり、銃を手に撃った。

「!!!!!!!!!!?」

それは仁導の脳を、撃ち抜いた。ドサッと倒れ、床に血が滲む。

「ゲホッ!ゲホッ!ゲホッ!ゲホッ!ゲホッ!ゲホッ!」

締め付けられていた為、酸素が薄れており、吐き出すようにむせ込む。

「嵆鼇!」

走って近寄り、鈴を抱き締めて男から離れさせた。

「貴様!このっ!阿呆!ひい人にて突っ込むな(お前え!このっ!ヴォケッ!一人で突っ込んでんじゃねえよ)!!」

「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ」

やがて、警察長屋に戻って来た。彼女は、布団の上で仰向けになっていた。

「安穏なりや(大丈夫ですか)?」

部屋に入って来た唯子は、側に来て正座をした。

「いかに男の振りせりとも、『鬼賀乃』と言ふ苗字は、消すべからず。我は人殺しの娘なれば(どんなに男の振りをしていても、『鬼賀乃』って言う苗字は、消す事が出来ない。私は人殺しの娘だもん)!」

ぼろぼろと大きい雨粒のような涙を流し、片方の華奢なか細い腕で目を覆った。

「安穏。お父は死にき。いま、なやむ事こそなけれ。鈴(大丈夫。お父様は死にました。もう、苦しむ事はありませんよ。鈴さん)」

鈴は、泣き続けた。自分は、鬼賀乃仁導の本当の娘。傷が、癒える事は無い。仁導の遺体を運んだナガレは森に来て、穴を掘っていた。

「何故でござるかのような、熊手しかなゐんでござる?無茶苦茶刻限掛かとは致し方ない(なんでこんな、熊手しかねんだよ?無茶苦茶時間掛かんじゃねえかよ)!」

文句を言っていると、その後ろでムクッと、立ち上がったのだ。

「はあああぁ~」

白目を剥いており、唾液を垂れ流している。

鈴。

「良し!ここまにて掘らば良きであろう(よぉし!ここまで掘りゃ良いだろ)?」

漸く熊手で穴を掘り、自分は土から這い上がって来るなり

「あぁ?」

仁導の遺体が、無い事に気付いた。

んっ?

「あぁ!?」

目を見張り、瞳が揺れる。

仁導が。

居ぬ(居ねえぇ)!

鈴は、布団の上で横たわっていた。

「はぁ」

眠れず(眠れない)。

ヒタッヒタッヒタッヒタッヒタッ。廊下を素足で歩く、脚音。それはどんどんと近付いて来る。

「………………………………………」

襖が、開かれた。彼女は布団カバーをクシャッと握り、襖の方に顔を向ける事が出来なかった。ザッザッザッザッザッザッ。畳の上を歩く、脚音。目一杯両目を瞑り、過ぎ去るのを待つ。

ナガレ…!

両膝を抱え、ガクガクと震える。その時、脚音が、止まった。鈴は目を開けると、向き合って横たわる、父親の姿が。口から血を流しており、自分で抉ったのか、両目を失っていた。

「鈴♡」

「ぎゃあああああぁ!」
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