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【リーンハルト:11歳】
第463話 アピール中?
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「わしに本音をいっていいのかの?」
「本音を言わないと目的が達せられません」
最長老は片手をあごに当てて考えている。
「ふむ、そなたは嫌がるかもしれぬが・・・・」
ルーファス最長老の提案は、リアと王太子妃の仲がいいと周囲に見せることを提案してきた。
「なぜですか?」
「王太子妃にはこの国に後ろ盾となる者がいない。帝国の王族の血筋だが王族ではない」
つまり帝国の後ろ盾が弱く、この国の貴族に舐められる可能性があるということか。
あと実家と仲が悪い可能性もある。
結婚式に王太子妃の関係者がいなかったことも原因かもしれない。
リアはこの国に親戚がいるけれど、王太子妃は頼る、後ろ盾となる家がない。
今は自分を支えてくれる基盤づくりをしなくてはいけない時期だ、失敗すれば王太子を支える基盤が弱くなる。
「しかし私たちと仲が良いとなると、私たちと接点がない貴族側の反発が大きくなりませんか?」
「それも気にせねばならぬが、クロンデール公爵夫人との対立は避けたい」
リアが王太子妃と仲が悪くないとアピールすることによって、クロンデール公爵夫人の庇護下、もしくはクロンデール家とは良好な関係だとわかれば、王国内で貴族たちに舐められることは少なくなるということかな。
「駆け引き面倒ですね」
「大なり小なりどこにでもあることじゃ。ついでにわしがまとめたこれを読んで意見を聞かせてくれるかの」
渡されたのは展覧会の運営原案だった。
最長老ちゃっかりしているよ。
私は気になった点をアドバイスして魔塔を後にした。
家族に報告すると、クリス兄上の婚約パーティーで接触したらいいと母上からアドバイスがあった。
あとは王太子妃からウエストランドに戻る前に、リアに招待がくるだろうとのことだった。
「リア、ごめん。迷惑かけて」
「いいわよ。今回どこかで呼ばれると思っていたし、伯母様にも王太子妃に話しかけて貰えるようにお願いしておくわ」
「ありがとう。しかしクリス兄上の婚約パーティーが憂鬱になった」
「いつもパーティーは面倒だと言っている人が何言っているのよ」
「今回は王城から優秀な人材を引き抜いたのだから、しっかり仲がいいですアピールをするのよ」
リアと母上から容赦ない言葉が私に降りかかった。
クリス兄上のパーティーは、王太子夫妻だけの対応ならいいのだけれど、かかわったことのない貴族から何を言われることやらと思っていたが、全然絡まれることもなく、だいたい挨拶で終わった。
すごく身構えていたのに調子抜けだ。
しかも王太子夫妻のところへ挨拶行った際、王太子夫婦を取り囲んでいた貴族たちがいつの間にかいなくなり、しばらく会話しなければいけない状態だった。
十分仲が良いとアピールできたと思ったので、王太子夫妻の側を離れる。
「どうして私たちが王太子夫妻のところへ行ったら、貴族がいなくなったのかな?」
ラファエルたちのところへ行く途中、リアに疑問を投げかけた。
「ハルトの不興を買ったら、家が潰されるとでも思っているのではないかしら?」
「まさか!」
「あなたが王家に対してしたことが、効いているのよ」
「計算してではないのに?」
「結果だけみれば、ハルトの機嫌を損ねたら大変なことになる危険人物と認識されたのでしょうね」
リアのいうことが当たっていたとしたら、本当に取扱注意人物ではないか!
貴族が絡んでこないのは嬉しいが、この年で恐れられるのもどうなのだろう、複雑だ。
「私に絡んでこないのはわかったけれど、リアにも絡んでくる人いないよね」
「今日はハルトがそばにいるからね。戦いはお茶会よ!」
「その言い方、悪役令嬢っぽいよ」
「まぁ、ひどい。ウエストランドのために頑張っている私に・・・・」といいながら涙も出ていないのに手で目じりを押さえて涙を拭くふりをする。
「リーンハルト、フローリアを泣かすなんて何やっているの」
ブリジットが声をかけてきた。
「リアは泣いていないよ。泣き真似です」
「ハルトが意地悪なことをいうから・・・」
ブリジットとディアンヌが私を睨む。
「リア、私がいじめっ子のような言い方はしないでほしいよ」
「ハルトが先に言い出したことよ」
リアが少し顔をそむける。悪役令嬢という言葉で機嫌を損ねてしまったようだ。
「リア、ごめん」
「許しましょう」
「リーンハルト、王城でまた派手に動いたね」
ラファエルが話を変えてくれたけれど、大げさに伝わっているようで私は顔をしかめる。
「話が大げさに面白おかしく広まっていて、王家とは仲違いしていませんアピール中です」
「計画的ではなかったということか」
「まったく違います。引き抜きは1人だったのだけれど、なぜか4人になってね。こちらとしてはすごく助かるのだが・・・・」
私は肩をすくめた。
「わたくしはわざと他の政務官の前で堂々と引き抜きをして、興味あったら他の人も来ていいよ的なアピールをしたのだとばかり思っていたわ」
「ブリジット、私は腹黒ではない!!」
「結果的に周囲を牽制できたからいいのではないか?」
ラファエルが私を擁護してくれる。
ラファエル、フォローありがとう、君は本当に真の友だよ。
そしてやっぱりみんな新街で行われるお祭りを知っていて参加希望だった。
自分が危険人物のように思われたことは、いいのか悪いのかわからない微妙な感じだけれど、クリス兄上の婚約兼サンドリア公爵としてのお披露目が、何事もなく終わったことはホッとした。
「本音を言わないと目的が達せられません」
最長老は片手をあごに当てて考えている。
「ふむ、そなたは嫌がるかもしれぬが・・・・」
ルーファス最長老の提案は、リアと王太子妃の仲がいいと周囲に見せることを提案してきた。
「なぜですか?」
「王太子妃にはこの国に後ろ盾となる者がいない。帝国の王族の血筋だが王族ではない」
つまり帝国の後ろ盾が弱く、この国の貴族に舐められる可能性があるということか。
あと実家と仲が悪い可能性もある。
結婚式に王太子妃の関係者がいなかったことも原因かもしれない。
リアはこの国に親戚がいるけれど、王太子妃は頼る、後ろ盾となる家がない。
今は自分を支えてくれる基盤づくりをしなくてはいけない時期だ、失敗すれば王太子を支える基盤が弱くなる。
「しかし私たちと仲が良いとなると、私たちと接点がない貴族側の反発が大きくなりませんか?」
「それも気にせねばならぬが、クロンデール公爵夫人との対立は避けたい」
リアが王太子妃と仲が悪くないとアピールすることによって、クロンデール公爵夫人の庇護下、もしくはクロンデール家とは良好な関係だとわかれば、王国内で貴族たちに舐められることは少なくなるということかな。
「駆け引き面倒ですね」
「大なり小なりどこにでもあることじゃ。ついでにわしがまとめたこれを読んで意見を聞かせてくれるかの」
渡されたのは展覧会の運営原案だった。
最長老ちゃっかりしているよ。
私は気になった点をアドバイスして魔塔を後にした。
家族に報告すると、クリス兄上の婚約パーティーで接触したらいいと母上からアドバイスがあった。
あとは王太子妃からウエストランドに戻る前に、リアに招待がくるだろうとのことだった。
「リア、ごめん。迷惑かけて」
「いいわよ。今回どこかで呼ばれると思っていたし、伯母様にも王太子妃に話しかけて貰えるようにお願いしておくわ」
「ありがとう。しかしクリス兄上の婚約パーティーが憂鬱になった」
「いつもパーティーは面倒だと言っている人が何言っているのよ」
「今回は王城から優秀な人材を引き抜いたのだから、しっかり仲がいいですアピールをするのよ」
リアと母上から容赦ない言葉が私に降りかかった。
クリス兄上のパーティーは、王太子夫妻だけの対応ならいいのだけれど、かかわったことのない貴族から何を言われることやらと思っていたが、全然絡まれることもなく、だいたい挨拶で終わった。
すごく身構えていたのに調子抜けだ。
しかも王太子夫妻のところへ挨拶行った際、王太子夫婦を取り囲んでいた貴族たちがいつの間にかいなくなり、しばらく会話しなければいけない状態だった。
十分仲が良いとアピールできたと思ったので、王太子夫妻の側を離れる。
「どうして私たちが王太子夫妻のところへ行ったら、貴族がいなくなったのかな?」
ラファエルたちのところへ行く途中、リアに疑問を投げかけた。
「ハルトの不興を買ったら、家が潰されるとでも思っているのではないかしら?」
「まさか!」
「あなたが王家に対してしたことが、効いているのよ」
「計算してではないのに?」
「結果だけみれば、ハルトの機嫌を損ねたら大変なことになる危険人物と認識されたのでしょうね」
リアのいうことが当たっていたとしたら、本当に取扱注意人物ではないか!
貴族が絡んでこないのは嬉しいが、この年で恐れられるのもどうなのだろう、複雑だ。
「私に絡んでこないのはわかったけれど、リアにも絡んでくる人いないよね」
「今日はハルトがそばにいるからね。戦いはお茶会よ!」
「その言い方、悪役令嬢っぽいよ」
「まぁ、ひどい。ウエストランドのために頑張っている私に・・・・」といいながら涙も出ていないのに手で目じりを押さえて涙を拭くふりをする。
「リーンハルト、フローリアを泣かすなんて何やっているの」
ブリジットが声をかけてきた。
「リアは泣いていないよ。泣き真似です」
「ハルトが意地悪なことをいうから・・・」
ブリジットとディアンヌが私を睨む。
「リア、私がいじめっ子のような言い方はしないでほしいよ」
「ハルトが先に言い出したことよ」
リアが少し顔をそむける。悪役令嬢という言葉で機嫌を損ねてしまったようだ。
「リア、ごめん」
「許しましょう」
「リーンハルト、王城でまた派手に動いたね」
ラファエルが話を変えてくれたけれど、大げさに伝わっているようで私は顔をしかめる。
「話が大げさに面白おかしく広まっていて、王家とは仲違いしていませんアピール中です」
「計画的ではなかったということか」
「まったく違います。引き抜きは1人だったのだけれど、なぜか4人になってね。こちらとしてはすごく助かるのだが・・・・」
私は肩をすくめた。
「わたくしはわざと他の政務官の前で堂々と引き抜きをして、興味あったら他の人も来ていいよ的なアピールをしたのだとばかり思っていたわ」
「ブリジット、私は腹黒ではない!!」
「結果的に周囲を牽制できたからいいのではないか?」
ラファエルが私を擁護してくれる。
ラファエル、フォローありがとう、君は本当に真の友だよ。
そしてやっぱりみんな新街で行われるお祭りを知っていて参加希望だった。
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