異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:11歳】

第462話 相談する人は・・・

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宰相閣下がいっていた4人の意味は、すぐに分かった。

3人に正式に雇用することを伝えるために我が家に来て貰った際に、副局長、いやレイラさんと一緒にきた男性、つまりレイラさんのご主人のことだった。

レイラさんのご主人のオリバーさんは、王城の料理人だそうだ。

役職はないというが宰相閣下が優秀な人というのなら、王城の料理人でも上の人のような気がする。

レイラさんたちのお子さんはすでに独立していて、夫婦でウエストランドに来るのは大丈夫らしい。


「オリバーさん、甘味屋の店長か商会経営の食堂店長、どちらかしない?」

「えっ?私にも職を紹介してくださるのですか」

「何かする予定でも?」

「料理屋を開くのもいいかなと、ウエストランドの食の街で、自分の腕を試すのもいいかと思っていたのですが・・・・」

確かに美味しい料理の提供を目指しているけれど、あくまで領民レベルでの美味しい物なのに、ウエストランドの食の街?

詳しく聞きたい気もするが、今は話を折らずに進めよう。


甘味屋は王都に限定出店したお菓子屋で、夏はアイスクリーム、それ以外の季節はどら焼き焼き販売兼喫茶店。

食堂は定食屋になり、展覧会で入賞はしなかったが、料理自体は美味しいこと、それらを週替わりでスープとパンをつけて出すことを話した。

スープは夏の期間、冷製スープを予定意していることを話す。

「定食という形式で出す料理に、冷製スープというのがウエストランドにはあるのですか?」

オリバーさん、定食、冷製スープにすごく興味津々のようだ。

「暑い時期に熱いスープは飲みにくいでしょ。我が家では好評かな」


「・・・・自分で考案した新作料理を出してもいいのでしょうか?」

「我が家の家族が試食してOKならいいよ。ただし展覧会の料理は出し続けたいから、定食を2種類から3種類にするとかになると思う。費用も定食料金内で利益があるのが条件かな」

「では食堂で働かせてください」

いやぁー、まさか商会の食堂の店長もゲットできるとは、今回運がつきまくっているな。

これで商会員たちも喜ぶだろうし、いいことづくめだ。



数日後の夕食後の家族団らん時に「ハルト、今回もやり過ぎだぞ」父上からの小言が始まった。

どうやら私が王城の優秀な人を4人も引き抜いたことが、話題になっているらしい。

しかも私を怒らせた報復だと噂が流れているのだとか。


「ちょっと待ってください。結果的に4人引き抜きになりましたが、もともとは1人ですよ。偶然が重なった結果です」

「私たちは理由を知っているけれど、王都の展覧会の件で王城にいったでしょ。またかとハルトが怒って4人引き抜いたと面白おかしくいわれているわ」

母上までもが私に言う。

「ハルト、お前の行動は、王城内ですごく注目をされている。行動に注意しなさい」

「どうしたらいいですか?」

「とにかく王家と対立していないとアピールしなさい」


「ハルト、それとオリバーね、次期王城の料理長候補筆頭だったらしいわ」

「母上、本人は役職ないって言っていましたよ」

「副料理長の肩書は持っていなかったけれど、実質副料理長の役割をしていたそうよ」

「肩書がないのに?」

「料理だけに集中したいって、本人が嫌がったのですって」

オリバーは新作料理作りたいといっていたな。


「食堂の店長より、ホテルの料理長の方がよさそうですね」

「そうね、まだホテルは建設途中だから、完成したら異動してもらう方がいいと思うわ」

今度会った時に打診しておこう。

しかし全員本当に優秀だったみたいだ。

宰相閣下が苦言をいってくるのもわかる、偶然がかさなったとはいえ、今回頼られた報復と思われてしまうのも嫌だ、どうしたものか?




「それでわしのところにきたのかの」

色々考えて、一番相談に乗ってくれそうな人と思い浮かんだのは、魔塔のルーファス最長老だった。

王家と私をよく知っている人でもあるし、宰相閣下よりも公平な視点で、アドバイスが貰えるのではないかと思ったからだ。


訪問伺いの手紙を送ったら、速攻で返事が返ってきて、今日の訪問になったのだ。

私の知り合いは、返事がみんな早い。

これが普通なのだろうか?


魔塔への訪問はちょっと楽しみでもあった。

魔塔と名前がつくから、何重にも結界がある建物かなと思っていたら、残念ながら普通の建物だった。

1階は講義室、2、3階は研究室、実験室。

4階は長老と呼ばれる各分野のトップの部屋があるようだった。

「知らなかったとはいえ、本当に有能な4人を王城から引き抜いたようなので、王家と対立していない円満アピールしたいです。なにか方法がありませんか?」
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