異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

文字の大きさ
436 / 490
【リーンハルト:11歳】

第505話 新街散策(5)

いつもお読みいただきありがとうございます。

「異世界でゆるゆる生活を満喫す」第2巻 本日出荷予定ですが、書店や地域によって数日ずれるようです。

第2巻には書き下ろしの閑話付きです。

第56話~第103話まで引き下げになり、本日中にレンタル版との差し替えになるようです。

今のうちに読み直ししていただいて、書籍との違いを楽しんでいただけら嬉しいです。

引き続き、よろしくお願いいたします。

.。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○





広場に戻ってきてバンブス村の店に入る。

「いらっしゃいませ。お食事なら2階で注文になります。お土産なら1階ですからどうぞ見て回ってください」

店員さんから声が掛かったから、私たちは2階に上がる。


「オーク肉入りのミニサイズを13人分」

席につくと店員さんが注文を聞きに来たので、私がまとめてした。

一緒に水を持ってきてくれたので飲む、口当たりが柔らかく感じる。

「この水は、今までと違う味に感じるのだが・・・・」

ラファエルも同じように感じたようだった。


「これは竹炭を入れて作った水です。お土産品売り場にもありますから、よかったらどうぞ」

店員さんが竹炭をアピールして下がっていった。

ここはバンブスの村人が従業員だと聞いていて、数か月交代と聞いているが商売熱心なようだ。


出てきた料理は前世で言う、小籠包が入っているくらいのサイズの蒸し器に入ったものが目の前に置かれた。

蓋を開けると野菜や肉からの湯気が立ち上る。

アトレたちはロザリーナたちが専用皿に移し替えてから食べている。


「蒸しただけで野菜がこんなにも甘くなるのか?」

野菜を食べたラファエルが、驚いた顔をしながら呟いた。

「バンブス村の野菜は他よりも甘い野菜が多いようだよ。この温泉熱で蒸すとさらに甘みが増しているかな?」

私がラファエルに説明していると、男性が慌ててやって来た。


「リーンハルト様、お久しぶりです」

私に頭を下げて挨拶してきたのはディーノさんだった。

細い竹で流線型の花瓶を展覧会に出品して、私が茶筅を作ってもらった人だ。


「ディーノさん、来ていたんだね。売れ行きはどう?」

「村で順番にここに来ていまして、今回俺の番だったんです」

蒸し料理は野菜が甘く、肉が柔らかいと評判だそうだ。

ここの野菜はすべてバンブス村産だ。


食べ終わると1階に降りて竹細工やお土産品を見て回るが、蒸し器が売られていることに気づいた。

「ディーノさん、蒸し器を販売しているんだね」

蒸し器は1人用、2人用、4人用が売られていた。


「はい、竹があればどこでも作れる物なので、先に売れるだけ売ってしまおうと、村で話し合ったんです」

ただここで蒸し器を買って帰った冒険者が、家で食べるよりここで食べる方が断然美味しいと言ってくれたらしく、バンブス村は野菜畑を拡大中だそうだ。


「あと村長が竹皮の件で、お礼を言って欲しいと言っていました」

「村長さんからは、丁寧な礼状を受け取っているけれど?」

「リーンハルト様には何度お礼を言っても足りません。本当に村が凄く活気づいていますから」

ディーノさんたちも楽しそうでよかった。

ここでは竹炭や靴の消臭剤などを購入して店を出た。



次はウエストランド商会直営の展覧会で入賞したお土産販売店に寄って、私はお菓子類を全部の種類を上限でと注文すると、用意されていたのかすぐに渡される。

「用意いいね。私が買うことわかっていたの?」

店員が緊張した顔で話し出す。


「実はお菓子全種類、上限でくださいという方は多いので、事前にセットしたものを用意しています」

あまり顧客を待たせずに販売する工夫を、自分たちで考えていってくれるのは嬉しい。

これからもみんなで考えて、この街を盛り上げてもらいたい。




午後からは、アトレたちのあっち向いてホイ選手権に付き合うので、リアと交代するため、催し会場に向かった。

「義姉弟で新街を回ればいい、食べ歩きや買い物を楽しんでよ」

「いや、私は新街を回れて十分楽しんだ。だから催しに参加するよ」

私の提案に、ラファエルは断ってきた。


「ラファエル、正式にはまだだけれど、お義姉様のために、色々買ってくれたら嬉しいわ」

リアが笑いながら、ラファエルに向かってお願いした。

「2人から言われたら断れないね。両親へのお土産をフローリアに選んでもらおうかな」

ラファエルが私たちに押し切られた形で同意してくれたので、私は2人を見送った。


催し会場はお昼休みのため、人はまばらだった。

私はあっち向いてホイをする場所の壁に、アトレたちの名前を縦横に書いた総当たり戦の紙を貼る。

わら半紙を張り付けて大きな紙にした力作だ。

私がマイヤーたちに手伝ってもらいながら、総当たり戦の紙を貼り終え、満足していると、子供たちが集まってくる。


「リーンハルト様、何するの?」

「アトレたちが、あっち向いてホイという遊びをするんだよ」

「「「知ってるー」」」

「「知っているわ」」

「「やったことあるー」」

子供たちが片手をあげて答えてくれた。


また知っている子供たちで、あっち向いてホイを始めるのだが、指示役も一緒に顔を上下左右に振っている。

なぜだ?私は指示役が指で上下左右にするように説明したはずだ。

子供たちに違うよと説明する。


「えー、違うのー」

「今のままでいいよ」

覚えたから今のままがいいという子供が多い中で、私は真剣に説得を始める。


「人数が多ければどちらが勝ったか教えてくれるが、2人でしている場合は、結果が分かりにくいだろう」

私はめんどくさいという子供たちに根気強く説明を繰り返した。

将来、間違った遊び方が残って発案者として私の名前が残るのは絶対いやだ!

もし私のような転生者が知ったら、絶対「悪ふざけもほどがある」と思うだろう。

ここで徹底して、正しい遊び方を覚え、広めてもらわなくてはいけない。

感想 34

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される

木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。 婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。 やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。 「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。

何もしなかっただけです

希臘楽園
ファンタジー
公爵令嬢であり王太子の婚約者であった私は、「地味だ」という理由で婚約を破棄され、王宮を去った。 それまで私が担っていた役目を、誰も知らないまま。 ――ただ何もしなくなっただけで、すべては静かに崩れていく。 AIに書かせてみた第14弾は、「追放ざまぁ」系の短編。

完結 王族の醜聞がメシウマ過ぎる件

音爽(ネソウ)
恋愛
王太子は言う。 『お前みたいなつまらない女など要らない、だが優秀さはかってやろう。第二妃として存分に働けよ』 『ごめんなさぁい、貴女は私の代わりに公儀をやってねぇ。だってそれしか取り柄がないんだしぃ』 公務のほとんどを丸投げにする宣言をして、正妃になるはずのアンドレイナ・サンドリーニを蹴落とし正妃の座に就いたベネッタ・ルニッチは高笑いした。王太子は彼女を第二妃として迎えると宣言したのである。 もちろん、そんな事は罷りならないと王は反対したのだが、その言葉を退けて彼女は同意をしてしまう。 屈辱的なことを敢えて受け入れたアンドレイナの真意とは…… *表紙絵自作

断罪現場に遭遇したので悪役令嬢を擁護してみました

ララ
恋愛
3話完結です。 大好きなゲーム世界のモブですらない人に転生した主人公。 それでも直接この目でゲームの世界を見たくてゲームの舞台に留学する。 そこで見たのはまさにゲームの世界。 主人公も攻略対象も悪役令嬢も揃っている。 そしてゲームは終盤へ。 最後のイベントといえば断罪。 悪役令嬢が断罪されてハッピーエンド。 でもおかしいじゃない? このゲームは悪役令嬢が大したこともしていないのに断罪されてしまう。 ゲームとしてなら多少無理のある設定でも楽しめたけど現実でもこうなるとねぇ。 納得いかない。 それなら私が悪役令嬢を擁護してもいいかしら?

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

精霊の愛し子が濡れ衣を着せられ、婚約破棄された結果

あーもんど
恋愛
「アリス!私は真実の愛に目覚めたんだ!君との婚約を白紙に戻して欲しい!」 ある日の朝、突然家に押し掛けてきた婚約者───ノア・アレクサンダー公爵令息に婚約解消を申し込まれたアリス・ベネット伯爵令嬢。 婚約解消に同意したアリスだったが、ノアに『解消理由をそちらに非があるように偽装して欲しい』と頼まれる。 当然ながら、アリスはそれを拒否。 他に女を作って、婚約解消を申し込まれただけでも屈辱なのに、そのうえ解消理由を偽装するなど有り得ない。 『そこをなんとか······』と食い下がるノアをアリスは叱咤し、屋敷から追い出した。 その数日後、アカデミーの卒業パーティーへ出席したアリスはノアと再会する。 彼の隣には想い人と思われる女性の姿が·····。 『まだ正式に婚約解消した訳でもないのに、他の女とパーティーに出席するだなんて·····』と呆れ返るアリスに、ノアは大声で叫んだ。 「アリス・ベネット伯爵令嬢!君との婚約を破棄させてもらう!婚約者が居ながら、他の男と寝た君とは結婚出来ない!」 濡れ衣を着せられたアリスはノアを冷めた目で見つめる。 ······もう我慢の限界です。この男にはほとほと愛想が尽きました。 復讐を誓ったアリスは────精霊王の名を呼んだ。 ※本作を読んでご気分を害される可能性がありますので、閲覧注意です(詳しくは感想欄の方をご参照してください) ※息抜き作品です。クオリティはそこまで高くありません。 ※本作のざまぁは物理です。社会的制裁などは特にありません。 ※hotランキング一位ありがとうございます(2020/12/01)