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【リーンハルト:11歳】
第543話 事情聴取
馬車に乗り込むとミニョンがちょこんと座っていた。
「ミニョン!」
私はミニョンを捕まえ、私の膝にのせる。
「屋敷に戻ったら詳細を聞くからね」
私はミニョンに念を押した。
しかしミニョンは持っていた扇子を半分開き、高笑いをするような仕草をして、余裕をかましている。
暴れたことをまったく反省するどころか、やってやったわと自慢げのように見える。
私は馬車の窓に肘を置き、明日の宰相閣下への言い訳をどうしようかと思いを巡らせた。
屋敷に戻ると、両親とジェラ兄上が待ち構えていた。
ジェラ兄上は王城周辺の警備に駆り出されていなかったか?
どうやらパーティーが終了して、貴族が帰途したらジェラ兄様たちは解散だったそうだ。
両親は宰相閣下の馬車が、なぜセシリアを迎えに来たのか、戻ってきたセシリアに問うと、私が戻ってきたら話すと言われていたらしい。
そしてミニョンを抱えている私を見て、思ったよりも大きなことが起こったと判断したようで、そのまま居間へ移動する。
私はミニョンとセシリアに事情聴取を始める。
「ミニョン、なんで王城にいたんだ」
私は怒った口調でミニョンを叱った。
アトレ経由で聞いたミニョンの返事は、私の馬車に隠れて乗って王城に行ったらしい。
「どうして?」
『ハルトがリアをちゃんと守っていないから、代わりに動いた』
ミニョンの言い分は、私がエイダン殿下との決着を、このパーティーでけりをつけたいと動いていることを知っていたこと。
そして私がずっとリアの側にいたのなら動かなかったと、痛いところを突いてこられて反論できなかった。
私は話を変え、リアに渡していた飴玉もどきを、どうやってリアのドレスから取って投げたのかを尋ねる。
リアが襲われていたときに、ドレスから飴玉もどきが落ちたこと、それを拾って持っていたらしい。
私が戻ってくるまで廊下の置台の裏に隠れて、ハモンド様たちを見張っていたこと。
そして私が防御壁を解除したときに、飴玉もどきを投げたらしい。
『私はリーンハルトにリアのこと頼むと言われた。だから怒られるのは心外だって』
私はミニョンにとどめを刺された。
たしかにリアがクロンデール公爵家に滞在する前に、ミニョンに言った。
公爵家で何かあったら・・・・という意味で、王城で暴れるなんて想定外だよ。
両親とジェラ兄様は私がミニョンにやり込められているのを見て、なぜか面白そうにしている。
両親も、ジェラ兄様もシエル、ルアン、リプカから、話の内容を聞いているのだろう。
王城でのミニョンのやらかしをあとで聞いたら、そんな顔できないと思いますよ。
ミニョンとの話は終了して、今度はセシリアだ。
「セシリア、エイダン殿下の件は私に任せると言っていたよね」
「ハルトがリアのこともあって忙しそうだったから、自分も動いたほうがいいと判断した」
「だからって、国王陛下にパーティーの招待状をねだりに行かなくても・・・・」
この話に両親、ジェラ兄様が驚く。
「セシリア、ほんとうに陛下へねだりに行ったのか!」
父上が話に入ってきた。
「そうだよ。タダは悪いから、ハルトがいらないといった、解毒薬をあげたよ」
私はクラクラしてきた。
セシリアは人間のことを理解しているとはいってもドラゴンだ。
自由気ままなルーカスを見れば、今までこちらに合わせてくれていたことが奇跡だったようだ。
父上もソファーで頭を抱えていた。
「どうやって王城に行ったんだよ」
私は口調がきつくなってしまったが、セシリアは気にすることなく話し出す。
「突然行くと困るだろうと、シエルにメッセージカードを持っていってもらったから大丈夫だよ」
セシリアは人間のマナーをちゃんと知っているんだと、上機嫌で教えてくれた。
「シエル!」
父上は自分が座っているソファーの背もたれのふちにいるシエルを呼ぶが、シエルは自分の足で首周りあたりをかいて知らんぷりで、父上はまた頭を抱えた。
「セシリア、どうやって陛下のところまで行ったんだ」
とりあえず全容を知らなければ、私は明日の宰相閣下との話し合いで対応ができないから、根気強く質問をした。
「あそこは隙だらけだよ。人がいないところを通って、窓から入ったね」
セシリアは陛下にエイダン殿下にはっきりと断りたい。
ただ目立ちたくはないから、パーティーでこっそり会って断りたい。
リーンハルトが動いてくれているが、自分がパーティーに行くと言えば反対するから、協力してほしいとお願いしたと言う。
「宰相閣下の家の馬車が迎えに来たのは?どうやって陛下から連絡がきたんだ」
どうやら国王陛下と一緒に、宰相閣下もセシリアを待っていたらしい。
そこで王家の馬車は目立つから、宰相閣下の家の馬車で迎えにいくこと、ドレスも王城で用意するから早めにきてほしいとお願いされたそうだ。
母上はソファーの背もたれに寄りかかり、倒れるのを何とかとどまっているように見えた。
「ハルトの交渉もだが、私がはっきりと断ったから決着がついたと思う」
セシリアはとても満足そうだった。
「ミニョン!」
私はミニョンを捕まえ、私の膝にのせる。
「屋敷に戻ったら詳細を聞くからね」
私はミニョンに念を押した。
しかしミニョンは持っていた扇子を半分開き、高笑いをするような仕草をして、余裕をかましている。
暴れたことをまったく反省するどころか、やってやったわと自慢げのように見える。
私は馬車の窓に肘を置き、明日の宰相閣下への言い訳をどうしようかと思いを巡らせた。
屋敷に戻ると、両親とジェラ兄上が待ち構えていた。
ジェラ兄上は王城周辺の警備に駆り出されていなかったか?
どうやらパーティーが終了して、貴族が帰途したらジェラ兄様たちは解散だったそうだ。
両親は宰相閣下の馬車が、なぜセシリアを迎えに来たのか、戻ってきたセシリアに問うと、私が戻ってきたら話すと言われていたらしい。
そしてミニョンを抱えている私を見て、思ったよりも大きなことが起こったと判断したようで、そのまま居間へ移動する。
私はミニョンとセシリアに事情聴取を始める。
「ミニョン、なんで王城にいたんだ」
私は怒った口調でミニョンを叱った。
アトレ経由で聞いたミニョンの返事は、私の馬車に隠れて乗って王城に行ったらしい。
「どうして?」
『ハルトがリアをちゃんと守っていないから、代わりに動いた』
ミニョンの言い分は、私がエイダン殿下との決着を、このパーティーでけりをつけたいと動いていることを知っていたこと。
そして私がずっとリアの側にいたのなら動かなかったと、痛いところを突いてこられて反論できなかった。
私は話を変え、リアに渡していた飴玉もどきを、どうやってリアのドレスから取って投げたのかを尋ねる。
リアが襲われていたときに、ドレスから飴玉もどきが落ちたこと、それを拾って持っていたらしい。
私が戻ってくるまで廊下の置台の裏に隠れて、ハモンド様たちを見張っていたこと。
そして私が防御壁を解除したときに、飴玉もどきを投げたらしい。
『私はリーンハルトにリアのこと頼むと言われた。だから怒られるのは心外だって』
私はミニョンにとどめを刺された。
たしかにリアがクロンデール公爵家に滞在する前に、ミニョンに言った。
公爵家で何かあったら・・・・という意味で、王城で暴れるなんて想定外だよ。
両親とジェラ兄様は私がミニョンにやり込められているのを見て、なぜか面白そうにしている。
両親も、ジェラ兄様もシエル、ルアン、リプカから、話の内容を聞いているのだろう。
王城でのミニョンのやらかしをあとで聞いたら、そんな顔できないと思いますよ。
ミニョンとの話は終了して、今度はセシリアだ。
「セシリア、エイダン殿下の件は私に任せると言っていたよね」
「ハルトがリアのこともあって忙しそうだったから、自分も動いたほうがいいと判断した」
「だからって、国王陛下にパーティーの招待状をねだりに行かなくても・・・・」
この話に両親、ジェラ兄様が驚く。
「セシリア、ほんとうに陛下へねだりに行ったのか!」
父上が話に入ってきた。
「そうだよ。タダは悪いから、ハルトがいらないといった、解毒薬をあげたよ」
私はクラクラしてきた。
セシリアは人間のことを理解しているとはいってもドラゴンだ。
自由気ままなルーカスを見れば、今までこちらに合わせてくれていたことが奇跡だったようだ。
父上もソファーで頭を抱えていた。
「どうやって王城に行ったんだよ」
私は口調がきつくなってしまったが、セシリアは気にすることなく話し出す。
「突然行くと困るだろうと、シエルにメッセージカードを持っていってもらったから大丈夫だよ」
セシリアは人間のマナーをちゃんと知っているんだと、上機嫌で教えてくれた。
「シエル!」
父上は自分が座っているソファーの背もたれのふちにいるシエルを呼ぶが、シエルは自分の足で首周りあたりをかいて知らんぷりで、父上はまた頭を抱えた。
「セシリア、どうやって陛下のところまで行ったんだ」
とりあえず全容を知らなければ、私は明日の宰相閣下との話し合いで対応ができないから、根気強く質問をした。
「あそこは隙だらけだよ。人がいないところを通って、窓から入ったね」
セシリアは陛下にエイダン殿下にはっきりと断りたい。
ただ目立ちたくはないから、パーティーでこっそり会って断りたい。
リーンハルトが動いてくれているが、自分がパーティーに行くと言えば反対するから、協力してほしいとお願いしたと言う。
「宰相閣下の家の馬車が迎えに来たのは?どうやって陛下から連絡がきたんだ」
どうやら国王陛下と一緒に、宰相閣下もセシリアを待っていたらしい。
そこで王家の馬車は目立つから、宰相閣下の家の馬車で迎えにいくこと、ドレスも王城で用意するから早めにきてほしいとお願いされたそうだ。
母上はソファーの背もたれに寄りかかり、倒れるのを何とかとどまっているように見えた。
「ハルトの交渉もだが、私がはっきりと断ったから決着がついたと思う」
セシリアはとても満足そうだった。
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