異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:9歳】

第172話 8つも多くないか

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明けましておめでとうございます。
いつもお読みいただきありがとうございます。

次の投稿は1月2日午前中の予定です。

1月3日までの3日間は、1日1話になります。

本年もよろしくお願いいたします。

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まとめ役のヴァーシュを探したら牧草に寝そべっていた。
そばまで近づいてみると皮膚にあったまだら模様はなくなっているようだ。

「今見た限りでは魔力詰まりは無くなったように見えるけれど調子はどうかな」
「モー(病気になる前に戻った。ここはいい、特に温泉が気持ち良い)」

「今順番に搾乳してミルクが飲める状態か確認させてもらっているからね」
「モー(大丈夫だ。毎日搾乳しているから慣れた)」

「何か不便なことある。ベイルさん達と上手くやっていけそう」
「モー(大丈夫だ。今のところない)」

ヴァーシュもこの牧草地を気に入ってくれたようだ。
これでベイルさん一家に任せておけばいいだろう。


ジェラ兄様たちはどこにいるか探したら、ダイアナ様と温泉に入っているヴァーシュを見ていたのでジェラ兄様たちの所へ行く。

「ジェラ兄様、ヴァーシュはこの牧草地気に入ったみたいで大丈夫でした。ベイルさんにも魔道具を渡して使い方を説明しましたから、あとはミルクの結果を聞くだけです」

「ベイルさんが水を撒いているところは見えたから上手くいったのだろうと思ったよ。途中までだがミルクは飲める状態だそうだ」

「なら、ミルクを沸騰して飲んでから帰りましょう。あとミルク缶に入れて持ち帰りましょうか」
「そうだな。父上たちもヴァーシュのミルクを飲みたいだろうし、アイスクリームも食べたいしな」

私達の話を聞いていたダイアナ様が驚いて
「このミルクがこの間食べた冷やし菓子の素なのですか」

「いや、今までは乳牛のミルクで作ったものだ。アイスクリームを温泉街の名物にするためにミルクがたくさん必要だから、ヴァーシュと交渉して一部がここに来てくれたのだ」

「こんなにおとなしいヴァーシュが強い魔獣だなんて信じられないです」
「敵対心がないものには温厚な魔獣なのだ。ただ生活できる場所が限定されるから知られていない魔獣になるのかな」

何せ魔獣全集にも、滅多に出会うことのない魔獣と書かれていたぐらいだからね。
私達もヴァーシュが戦った姿を見たことがないけれど、アトレたちが強いというから間違いはない。

ミルクを沸騰させたあと、ベイルさん一家も一緒にヴァーシュのミルクを飲む。
「こんなに濃厚なミルクは初めてです。なぜみんなヴァーシュの存在を知らなかったのでしょうか。これならチーズや生クリームも美味しいと思います」と興奮したベイルさん。

いや作りたいのはわかるけれど、チーズまでの分量はないと思う。
ミルクと生クリームで終わるよ、たぶん。

ベイルさん一家にアイスクリームを食べてもらった。
「これは・・・・何というお菓子なのでしょうか」と恐る恐る聞いてきた。
ベイルさん気づいたね、自分たちが大変な仕事を任されていることを・・・・。

「このお菓子の素をヴァーシュのミルクで作る予定。温泉街の名物になるからね。たぶんこれよりももっと美味しくなるよ」

アイスクリームが有名になればなるほど、ヴァーシュを盗もうとする輩がここに来る可能性がある。
最初ここに来た時に、この厳重な砦を見て、なぜここまでと思っていただろうがこれで謎が解けただろうね。

温泉街まで30分程だけど、ミルクの配達ベイルさんだけだと危ないかな?
ヴァーシュのアイスクリームを食べてから父上たちに相談しようか。


騎士とベイルさんの家族で搾乳したミルク5缶を貰って、今度は建設中の温泉街に向かう。
馬車だと2、30分かかるけれど馬だと10分もかからずに着いた。

お祖父様たちが住む予定の屋敷が、遠くからでも真っ白な外観で落ち着いたオレンジ系の屋根の屋敷が見える。
お祖父様はお祖母様に押し切られ、お祖母様希望のフルール村の外観をこの街でも採用することが決まっている。

お祖父様たちが住む屋敷のドアや窓枠も屋根と同じ色なのだろうか?

「外観はほぼ出来上がってない。すごく早くない?」
「なんでも大工たちが温泉を気に入ってここに住みたいみたいで、急ピッチで仕上げているみたいです」

マイヤーによると、大工たちの家族を呼ぶには自分たちの家がいるが、まずはお祖父様たちの屋敷が先だから急いで造っているそうだ。
温泉に入ると疲労回復も早く、仕事もはかどっているらしい。


「ハルト、お祖父様のところへ行くのか」
「いえ、先にマリアがいるはずの温泉の源泉に行きます。ジェラ兄様たちはどうされますか」

ダイアナ様がジェラ兄様を見て頷くので
「俺たちもハルトと一緒に行くよ」

もう、阿吽の呼吸? 俺たちね・・・・いいけどさ。
姉様呼びしたほうがいいでしょうか?と言いたくなってしまったよ。


源泉に向かうと源泉の周りを囲むように湯の花を作る藁小屋が8つも建っていた。
検証するのに8つもいる?
2つ、3つ作るぐらいだと思っていたよ。

しかしここは真っ白な湯けむりがもくもくと天に向かってのぼっているし、熱風が凄くて熱い。

「リーンハルト様、ここです」とマリアが藁小屋からの外で手を振っている。
一緒にいるのはラウールにナタリアだよな。

護衛兼助手ってラウールたちだったの?
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