異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:9歳】

第185話 秘密です

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いつもお読みいただきありがとうございます。

次の投稿は本日午後の予定です。

よろしくお願いいたします。

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露店を歩いて見ていると、どこのお店も3~5種類の野菜や果物、果物を瓶づめにしたものなどを販売していた。

「たくさんの種類を販売しているわけではないのですね」と見ていかないかいと声をかけてくれたおばさんの露店を見ている。

「お兄ちゃんは露店は初めてかい。ここは家で採れたものを持ち寄っているからね。すべて必要なものをそろえたいのならお店に行かないと」と店舗兼自宅が立ち並ぶ市場のほうを指しながら教えてくれた

「では、採れたてで新鮮なものばかりなのですね」
「そうだよ。朝一番に採った新鮮なものを売るのが露店だからね。うちの果物は甘くて美味しいよ」

3種類の梨とキウイフルーツを売っているお店だったので、全種類を5つずつ買った。

「ありがとね。たくさん買ってくれたからキウイフルーツ2個おまけしておくよ」
「いいのですか。ありがとうございます」

お金はマイヤーが払ってくれて、フルーツもウィルソンたちがマジックバックに仕舞ってくれた。

露店の奥に進むと自家製ジャム、スープ、串肉、サンドイッチなど露店で調理しているお店が集中していて、いい匂いが充満していたが端まできてしまったようだ。

「スープやサンドイッチや串肉とか買わぬのか」
「ルーカス、朝食、食べたでしょ。まだお腹すかないから買わないよ。ジェラ兄様お店の方も行きましょう」

「露店は気になるものがなかったのか」
「そうですね、新鮮なのはわかりましたが、これっていうものはなかったです」

まず、私が調理の仕方を知らないのだから難しいというものだ。


お店街のほうを歩いて行く。

こちらはパン屋、料理屋、肉屋、魚屋、野菜屋、果物屋など食品のお店が多かった。
野菜屋や果物屋を覗いたが、目新しいものはなかった。

さらに進んで行くと、日用品や調味料、古着や布を売っている店に変わってきた。
調味料のお店は期待して覗いたが、みそやしょうゆはなく、塩や胡椒、砂糖、チーズ、バター、ローリエとかハーブ類だった。

さらに進んで行くと
「ハルトじゃないか。ここで会うなんて、どうしたんだ」と声がしたので声の方に振り向くとカナルがいた。

「あれ、ここボガーツさんのお店だ」
「だから俺のうちだって」

「そうだった。カナルはボガーツさんの息子だった。こんなことならカナルに案内してもらえばよかった」なんて無駄な歩き方をしたのだろう。

「カナル、いいところで会ったよ。今が旬でこの地域でたくさん採れるものって何?」
「父さんに聞いた方が早いと思うけれど、白豆か赤豆かな」

「どこで売っているの」
「うちにもあるぞ、見るか」とお店の中に入って行く。

「父さん、ハルトが聞きたいことあるってー」と大きな声でボガーツさんを呼んでいる。


ボガーツさんが奥から出てきながら
「ハルトって誰のことだ」とカナルに言っていて、
カナルが私達のほうを指し、私達が来ていることを知ったボガーツさんが

「ジェラルド様、リーンハルト様、息子が失礼しました」とカナルの頭を押さえつけ一緒に頭を下げる。

「こちらこそ、急にきてすみません。露店市場からこちらへと市場を見て回っていたところです」とジェラ兄様がボガーツさんに説明してくれた。

私はカナルから聞いた白豆と赤豆を見たいとボガーツさんにお願いする。

「どちらの豆も冬用の保存食ですがお持ちします」と言って奥に行った。

カナルが、ルーカスをじっと見ていた。
「カナルは初めてだったかな。肩にいるのがルーカスだ」

「ホワイトドラゴンだったよな」
「そう、でもまだ子供だからね。ルーカス、私の友人のカナルだ」
「たまに騎士団の訓練場で見る子供だな。ハルトの友人か」

「そう、一緒に魔法の訓練をしたり、ダンジョンに行ったりしている」
「そうか、覚えておこう」


僕たちの会話を聞いていたカナルが驚いた顔をしていた。

「ホワイトドラゴンって喋れるの?アトレはハルトとしか話せないって聞いていたけれど」
「ルーカスは誰とでも喋れるよ。ただ、興味ない人とは喋らないかな?」

「ホワイトドラゴンは何魔法を使うの」
「回復魔法だよ」
「ハルト、回復と水だ」

「えっ、そうなの。使っているところ見たことないからてっきり回復だけかと」
「使うことがないだけだ」

「違うよ、まだ力が弱くて威力がないから、ドラゴンの沽券にかかわるって言って使わないだけだよ」とアトレが私に教えてくれる。

「アトレ、しゃべるでない」とアトレにルーカスが抗議する。

「ハルト、アトレは何と言ったのか」とジェラ兄様が聞いてきたけれど、ルーカスが拗ねそうなので秘密ですと答えた。
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