異世界でゆるゆる生活を満喫す

【リーンハルト：9歳】

第184話 これは皆の総意なのだ

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次の投稿は明日1月９日午前の予定です。

よろしくお願いいたします。

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世界樹から戻った私は毎日温室で本を読んで過ごした。

「あぁー、やっといつもの生活に戻れたよ。私にはこの生活が合っているのに。父上たちは9歳の私を働かせ過ぎなのだ」

お茶を入れてくれたジョルジュが
「だらけ過ぎではありませんか。クリスフォード様もジェラルド様も9歳の時はもっと家のことをされていましたよ。ですから少し前の生活が正しい生活だと思います」

「ジョルジュ、厳しいよ。私は将来クリス兄様の補佐だろうから、お祖父様のあとを継いで温泉街の管理でいいかな」

「また、さぼることを考えていますね。来年に入ってくる従業員を今のうちに鍛えて自分が後を継ぐときには2人に任せようと思っているのでしょう」

なぜわかる、私の考えていることが

「わかりますよ。何年ハルト様のそばにいると思うのです。見張っていないとすぐに休もうとする癖を治しましょう」

「勉強も、鍛錬も、魔法練習もさぼっていない。真面目にやっているよ」
「言われたこと以外しませんよね。本当はもっと率先してされるべきなのに、周りに任せていますよね」

いいのだよ。私は跡継ぎではないのだから、前に出なくていいのだ。

「まぁ、よいではないか。それがハルトだ。それよりも新作の料理はないのか」テーブルに座ってクッキーを食べながらルーカスが言う。

アトレは私の膝にいて、私が時々クッキーをアトレの口に入れてあげている。

「なんで新作料理を作らないといけないわけ？私は料理人ではないよ」
「怒るな、考えなしで言っているわけではない。これは皆の総意なのだ」
「はぁ？」


ルーカスが自分たちの名前がつく温泉街の名物料理で、自分はこれが好きと宣伝したいそうだ。

「つまり、アトレのおすすめはコレ　とか　ルーカス一押しはコレ　とかをしたいということ？」
「ハルトはよくわかっているではないか」

「アトレ、ルーカスが言っていることは本当？」

アイスクリームで色々な味の新作が出てくるでしょ。
集まった時にルアンはマンーゴが一番、ルチアはイチーゴが一番とかみんなバラバラだったんだ。
だから料理も新作料理で一押しを決めたいって話になったと教えてくれた。

「でもなぁ、料理は本当にわからないんだよね。料理長たちの新作に期待してよ」
「なら、新しい素材を見つけないとね」

「アトレもやる気なの？ただ樹海の奥にしかないようなものはダメだからね」
「それなら市場に行こうではないか」

「なんでルーカスが市場を知っているの」
「ルアンが馬車の中から見ていて面白そうだったと言っていた。だから行こうではないか」


ジェラ兄様とダイアナ様と一緒に市場に来ました。

「ウエストランドの市場は何があるのか楽しみです」
「サウスコートで案内してもらったので、我々がと言いたいところですが、市場を見て回るのは初めてなので役に立たないです」と私の前を2人で進みながら話している。

2人でくればいいじゃん。
私を連れて行く理由でデートしなくても・・・・。

私が市場に行くと夕食時に言うと、ダイアナ様が興味をしめてしていきたいといったのでジェラ兄様もついてきたのだ。

私だけが行くといってもジェラ兄様はついて来てくれるのはわかっているけれど、お邪魔虫みたいだから心の中で言っているだけだ。


品物が豊富なのは午前中と言われたので朝食後市場にきている。

ここは領都でも一般市民が利用する最大の市場で住民の住居に近く、中小のお店だ。
1階がお店で、２、3階が住居になっている店が左右に立ち並んでいる道と、
テントの下で販売している露店が左右に並んでいる道がある。

「ハルト、どちらに行きたいのだ」
「ジェラ兄様、露店の方に行きたいです」

露店は農家さんが直接売りに来ていることが多いと聞いたので、旬のものが見られそうだ。

「ハルト、何があるか楽しみだね」
「我も楽しみだぞ」とアトレとルーカスも楽しみにしていたみたいだ。