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【リーンハルト:9歳】
第275話 雇ってください
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いつもお読みいただきありがとうございます。
次の投稿は明日2月24日午前の予定です。
よろしくお願いいたします。
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屋敷に戻り報告会。
「クリスにハルト、そのプチ麦を使ったパンや料理のお土産はないの」と母上。
「ないです」と答えると
「試食しないと言葉だけではわからないわ」と言われてしまい、次回ラナン村に行った帰りに、ツヴァイ町やサヴァイ村に寄ってパンや料理を購入してくるとになった。
「ハルトが新街で食堂をすることを薦めたいというから余計に食べたくなるのだよ」
クリス兄様にも言われるが本当のことだしな。
「しかし村を回ってみると特産品が色々あるのだな。着火補助か。こんないいものが埋もれていたとは」
「本来は商人が見つけ出して売るのでしょうけれど、村だからと真剣に見て回っていなかったのかしら、商人失格だわね」
「ハルトの好奇心の多さでないですかね。普通作業していても何の作業しているのかとかいちいち聞かないですし」
「そうだな。破棄材の処理だと普通は聞かないだろうな」
「プチ麦パンだって、私はちょっと変わった触感だなで終っていましたから、もう少し興味を持たないといけないと反省しました」
「しかし他の新街の料理やお土産も販売に際して問題がないか確認していかないといけないな。ハルトはみんなの意見や悩みをしっかり聞くのだぞ」
「私一人では間に合わないです」
「新人4人にもヒアリンクはしてもらうが、指示はハルトがしなさい」
「4人も今だけだ。新街の建物が立ちはじめたら内装や出店希望者との面談、契約などが始まるから無茶はさせられないぞ」
そんなー、私一人で村々を回ったりしていたら間に合わない、真面目に采配できる人を探さないといけないようだ。
「私を雇ってください」
母上、クリス兄様、私の3人に会うなり言ってきたのはローザ・アリランさん。
アリラン大商会の娘さんだ。年齢は20歳、赤い髪に近いブルネットの髪を右側で緩く三つ編みをしている美人さんだ。
大商会の娘さんなのに護衛もいないし服装はシンプルな装いで先程の発言。
たぶんラジエルに好意を持っていた人だと思われるが急に訪問してきて会うなりの言葉に「はぁ?」となっている。
「ローザさん、あなたはアリラン商会の人だわ。あなたを雇うのは我々にはメリットがない。むしろあなたを雇うことで他の商会から頼まれる原因になるから難しいわ」と母上が断りを入れる。
「心配には及びません。アリラン商会とは縁を切ってきました」と魔法契約書を見せてきた。
魔法契約書にはローザさんの今後に一切かかわらない。
その代わりローザさんはアリラン商会の財産はすべて放棄することが書かれていた。
いったい何があったのだ。
ローザさんのお姉さんがローザさんに縁談を持ってきたそうだが、ローザさんは先方に断りを入れたそうだ。
お姉さんがアリラン商会にとって利益になる縁談を相談もなしに断ったのかと激怒したらしい。
父親がローザさんの肩を持つと自分の時は有無を言わさず結婚させたのに、ローザには許すのかと父親にくってかかるし、ローザさんの方も勝手に縁談を決めてきたお姉さんに不満をぶつけて険悪になってしまったらしい。
そして縁談を断った先との大口契約がダメになり、ますますお姉さんとの仲がこじれてしまったそうだ。
「姉夫婦が将来アリラン商会を継ぎます。このままでは別の縁談話をゴーインに決めてしまわれる恐れがあったので私から姉に提案しました」
最初父親は反対したそうだが、最終的には認めてくれたらしい。
ですから行くところがないのです、お願いしますと頭を下げられた。
我が家に来たということはラジエルを追っかけてきたのだよね。
恋する女性の行動力はすごいな。
数日待って欲しいと母上は返事を保留にした。
財産放棄とはいっても手持ちに多少の資産はあると思うが、知らない土地に女性を一人で放り出すわけにもいかないから、従業員寮に滞在してもらうことになった。
何か手伝いをしたいと言われたので母上がアルバイトに来ている孤児院の子供たちにマナーや簿記、商会の従業員としての教育をして欲しいとお願いした。
なるほど、いいアイデアだ。
商会の従業員も教える負担が減るから喜ぶだろう。
ローザさんは侍女と一緒に部屋を出ていった。
「母上、雇われるのですか」
「魔法契約書は本物だったわ。だけど一応確認しないとね」
「雇うのなら私の補助をしてもらったらいいですよね。商品の価値がわかっている人だと思うので」
「そうね、ラジエルと一緒に働かせるわけにはいかないでしょうからね」
「ラジエル驚くだろうなぁー」
「さっきから思わせぶりな話を2人でしているけれど」
「あっ、クリス兄様、知らないかも。ラジエルの元縁談相手ですよ。ローザさんの父上が、ラジエルが独立するといった時に資金を出すと言っていたくらいのお気に入りだったみたいですよ。ローザさんもラジエルのことを好きみたいですし」
「ということは、彼女と結婚すれば独立の援助をする話があったということか」
「詳しいことはわかりませんが、それに近い話はあったようです」
「なぜ知っている」
「情報屋の令嬢が教えてくれました」
「ブリジット嬢か。彼女の情報網はすごいな」
ラジエルはローザさんが来ていることに驚き、魔法契約書の話を聞いて顔をしかめていた。
「確認して間違いなければ雇うことになるわ」と母上が伝える。
「商会・・・ですか」
「いえ、政務官としてハルトの補助に回ってもらおうと思っているの。商品の価値とか目利き、契約手続きはできるのよね」
「はい、商会長に徹底的に教育されていらっしゃいますから」
「なら大丈夫ね。あと彼女が我が家に落ち着いたら、あなたも真剣にどうするか決めなさい。どうなるにせよ逃げてはだめよ」
「・・・・考えます」
次の投稿は明日2月24日午前の予定です。
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屋敷に戻り報告会。
「クリスにハルト、そのプチ麦を使ったパンや料理のお土産はないの」と母上。
「ないです」と答えると
「試食しないと言葉だけではわからないわ」と言われてしまい、次回ラナン村に行った帰りに、ツヴァイ町やサヴァイ村に寄ってパンや料理を購入してくるとになった。
「ハルトが新街で食堂をすることを薦めたいというから余計に食べたくなるのだよ」
クリス兄様にも言われるが本当のことだしな。
「しかし村を回ってみると特産品が色々あるのだな。着火補助か。こんないいものが埋もれていたとは」
「本来は商人が見つけ出して売るのでしょうけれど、村だからと真剣に見て回っていなかったのかしら、商人失格だわね」
「ハルトの好奇心の多さでないですかね。普通作業していても何の作業しているのかとかいちいち聞かないですし」
「そうだな。破棄材の処理だと普通は聞かないだろうな」
「プチ麦パンだって、私はちょっと変わった触感だなで終っていましたから、もう少し興味を持たないといけないと反省しました」
「しかし他の新街の料理やお土産も販売に際して問題がないか確認していかないといけないな。ハルトはみんなの意見や悩みをしっかり聞くのだぞ」
「私一人では間に合わないです」
「新人4人にもヒアリンクはしてもらうが、指示はハルトがしなさい」
「4人も今だけだ。新街の建物が立ちはじめたら内装や出店希望者との面談、契約などが始まるから無茶はさせられないぞ」
そんなー、私一人で村々を回ったりしていたら間に合わない、真面目に采配できる人を探さないといけないようだ。
「私を雇ってください」
母上、クリス兄様、私の3人に会うなり言ってきたのはローザ・アリランさん。
アリラン大商会の娘さんだ。年齢は20歳、赤い髪に近いブルネットの髪を右側で緩く三つ編みをしている美人さんだ。
大商会の娘さんなのに護衛もいないし服装はシンプルな装いで先程の発言。
たぶんラジエルに好意を持っていた人だと思われるが急に訪問してきて会うなりの言葉に「はぁ?」となっている。
「ローザさん、あなたはアリラン商会の人だわ。あなたを雇うのは我々にはメリットがない。むしろあなたを雇うことで他の商会から頼まれる原因になるから難しいわ」と母上が断りを入れる。
「心配には及びません。アリラン商会とは縁を切ってきました」と魔法契約書を見せてきた。
魔法契約書にはローザさんの今後に一切かかわらない。
その代わりローザさんはアリラン商会の財産はすべて放棄することが書かれていた。
いったい何があったのだ。
ローザさんのお姉さんがローザさんに縁談を持ってきたそうだが、ローザさんは先方に断りを入れたそうだ。
お姉さんがアリラン商会にとって利益になる縁談を相談もなしに断ったのかと激怒したらしい。
父親がローザさんの肩を持つと自分の時は有無を言わさず結婚させたのに、ローザには許すのかと父親にくってかかるし、ローザさんの方も勝手に縁談を決めてきたお姉さんに不満をぶつけて険悪になってしまったらしい。
そして縁談を断った先との大口契約がダメになり、ますますお姉さんとの仲がこじれてしまったそうだ。
「姉夫婦が将来アリラン商会を継ぎます。このままでは別の縁談話をゴーインに決めてしまわれる恐れがあったので私から姉に提案しました」
最初父親は反対したそうだが、最終的には認めてくれたらしい。
ですから行くところがないのです、お願いしますと頭を下げられた。
我が家に来たということはラジエルを追っかけてきたのだよね。
恋する女性の行動力はすごいな。
数日待って欲しいと母上は返事を保留にした。
財産放棄とはいっても手持ちに多少の資産はあると思うが、知らない土地に女性を一人で放り出すわけにもいかないから、従業員寮に滞在してもらうことになった。
何か手伝いをしたいと言われたので母上がアルバイトに来ている孤児院の子供たちにマナーや簿記、商会の従業員としての教育をして欲しいとお願いした。
なるほど、いいアイデアだ。
商会の従業員も教える負担が減るから喜ぶだろう。
ローザさんは侍女と一緒に部屋を出ていった。
「母上、雇われるのですか」
「魔法契約書は本物だったわ。だけど一応確認しないとね」
「雇うのなら私の補助をしてもらったらいいですよね。商品の価値がわかっている人だと思うので」
「そうね、ラジエルと一緒に働かせるわけにはいかないでしょうからね」
「ラジエル驚くだろうなぁー」
「さっきから思わせぶりな話を2人でしているけれど」
「あっ、クリス兄様、知らないかも。ラジエルの元縁談相手ですよ。ローザさんの父上が、ラジエルが独立するといった時に資金を出すと言っていたくらいのお気に入りだったみたいですよ。ローザさんもラジエルのことを好きみたいですし」
「ということは、彼女と結婚すれば独立の援助をする話があったということか」
「詳しいことはわかりませんが、それに近い話はあったようです」
「なぜ知っている」
「情報屋の令嬢が教えてくれました」
「ブリジット嬢か。彼女の情報網はすごいな」
ラジエルはローザさんが来ていることに驚き、魔法契約書の話を聞いて顔をしかめていた。
「確認して間違いなければ雇うことになるわ」と母上が伝える。
「商会・・・ですか」
「いえ、政務官としてハルトの補助に回ってもらおうと思っているの。商品の価値とか目利き、契約手続きはできるのよね」
「はい、商会長に徹底的に教育されていらっしゃいますから」
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