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【リーンハルト:9歳】
第278話 真剣に考えました
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いつもお読みいただきありがとうございます。
次の投稿は本日の午後の予定です。
よろしくお願いいたします。
.。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○
奉納も無事に済んだので、これから宝石店、孤児院に出かけるために、馬車に乗ろうとした時あるものが目に入った。
「マイヤーたちの紋章できたのだね」
「はい、騎士団員全員分できたと昨日配布されました。リーンハルト様、ありがとうございます」
「遅くなって悪かったよ」
「いえ、騎士団はどうしても皆と同じネクタイリングはできませんし、団員も多いですから」
そう学生服の詰襟に校章を着けるみたいに、騎士服の襟に紋章をつけるようにしたものが完成したようだ。
色々な人に丸投げしているから、どこまで進んでいるか連絡が来ないと忘れていることもある。
同時進行が多すぎるのだ。
ローザさんが私の補助に入ってくれるようになったら管理してもらわないといけない。
「今日は新しいデザインを思いついたと連絡をいただいておりましたので、首を長くしてお持ちしておりました」
今は宝石店に来ています。
神々からの依頼ですから真剣に考えました。
できるかわからないけれどと前置きをしてから、大粒の真珠を真ん中にその周りの花びらをたくさんの小粒真珠を使って作り、1つずつを髪ピンに飾る。
「それは何に使うのでしょうか」
「髪飾りだよ」
「よくわからないのですが」
「小さい生花を髪全体に挿して飾るでしょ、それを真似て花を真珠で作るのだよ」
「あぁ、理解しました。すごいです。大粒の真珠を花の芯に使えば安物にはなりません。むしろ凝った髪飾りになります」
「高価なものだけではなく領民も着飾る時に使えるようなものも作ってほしい。あとは片方に大きな生花を付けて髪飾りにする場合もあるよね。それを真似て作るのも面白いと思わない?」
「どちらもできます。生花でする髪飾りを小粒真珠で花びらや葉を作るということですね」
それから絵を見せる。
「これは指輪ですか、石を埋め込むのですか」
そう、ダンジョンで採れる小粒の宝石はある程度大きさが揃っていると聞いているから埋め込み式のデザインを持ってきた。
5つ石を単純に並べた物やリングに捻じれいれを捻じれでへこんでいるところに石を入れたものなどすべて細身のリングで描いている。
チャームを小さくしたネックレスは作っているようだったから、指輪しか思いつかなかった。
「領民だと仕事や家事で立て爪はできないでしょ。埋め込み式にしてしまえばどうかなと思って」
「なるほど、しかし指輪をする習慣がないので販売しても売れるかどうか」
「わかった、売り出し方法は考える。とりあえず見本作ってみてよ」
「わかりました。いつもありがとうございます」
何度か打ち合わせをしているから、話が早く済む。
あとは職人さんたちがアレンジしてくれればよい。
孤児院につくと、前回通された院長室へ案内される。
すでにレオンとマイクが待っていたが、どちらも顔が強張っている、緊張しているのか。
「待たせたかな。見本ができたと聞いたのだけれど早速見せてもらっていいかな」
院長先生がこちらになりますと束の紙を渡してくれた。
最初の1枚は、風景の絵だった。
上手く書けているけれど紙が波打っている。
他のも見ていくけれど全部波打っていて、最初に見たものが一番ましだった。
数字の部分は枠が太すぎて数字がイマイチ見にくい。
枠線を細くするとインクが厚紙に写っていない部分があったり、擦れていた。
なるほど、上手くできなかったから落ち込んでいたのか。
「水彩画用の厚紙を注文したつもりだったのだが違っていたようだね。また別の紙を用意するからまたチャレンジしてくれるかい」
「いいのですか?」
「厚紙が波打っているのはレオンのせいではないよ」
「ありがとうございます」
「マイク、2色刷り版画。枠だけの版画と数字だけの版画を作って2色刷りという高度な版画をやってみない」
「えっ」
「どっちかがズレると紙がダメになるから印刷も難しくなる。苦戦すると思うけれど藁半紙を使って練習して2色刷りしてみないか」
2人とももう一度やらせてくださいと言ってくれたので、近いうちに藁半紙と水彩画用の厚紙を渡すことを約束した。
このまま紙問屋に行ってもう一度聞いてこようか。
次の投稿は本日の午後の予定です。
よろしくお願いいたします。
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奉納も無事に済んだので、これから宝石店、孤児院に出かけるために、馬車に乗ろうとした時あるものが目に入った。
「マイヤーたちの紋章できたのだね」
「はい、騎士団員全員分できたと昨日配布されました。リーンハルト様、ありがとうございます」
「遅くなって悪かったよ」
「いえ、騎士団はどうしても皆と同じネクタイリングはできませんし、団員も多いですから」
そう学生服の詰襟に校章を着けるみたいに、騎士服の襟に紋章をつけるようにしたものが完成したようだ。
色々な人に丸投げしているから、どこまで進んでいるか連絡が来ないと忘れていることもある。
同時進行が多すぎるのだ。
ローザさんが私の補助に入ってくれるようになったら管理してもらわないといけない。
「今日は新しいデザインを思いついたと連絡をいただいておりましたので、首を長くしてお持ちしておりました」
今は宝石店に来ています。
神々からの依頼ですから真剣に考えました。
できるかわからないけれどと前置きをしてから、大粒の真珠を真ん中にその周りの花びらをたくさんの小粒真珠を使って作り、1つずつを髪ピンに飾る。
「それは何に使うのでしょうか」
「髪飾りだよ」
「よくわからないのですが」
「小さい生花を髪全体に挿して飾るでしょ、それを真似て花を真珠で作るのだよ」
「あぁ、理解しました。すごいです。大粒の真珠を花の芯に使えば安物にはなりません。むしろ凝った髪飾りになります」
「高価なものだけではなく領民も着飾る時に使えるようなものも作ってほしい。あとは片方に大きな生花を付けて髪飾りにする場合もあるよね。それを真似て作るのも面白いと思わない?」
「どちらもできます。生花でする髪飾りを小粒真珠で花びらや葉を作るということですね」
それから絵を見せる。
「これは指輪ですか、石を埋め込むのですか」
そう、ダンジョンで採れる小粒の宝石はある程度大きさが揃っていると聞いているから埋め込み式のデザインを持ってきた。
5つ石を単純に並べた物やリングに捻じれいれを捻じれでへこんでいるところに石を入れたものなどすべて細身のリングで描いている。
チャームを小さくしたネックレスは作っているようだったから、指輪しか思いつかなかった。
「領民だと仕事や家事で立て爪はできないでしょ。埋め込み式にしてしまえばどうかなと思って」
「なるほど、しかし指輪をする習慣がないので販売しても売れるかどうか」
「わかった、売り出し方法は考える。とりあえず見本作ってみてよ」
「わかりました。いつもありがとうございます」
何度か打ち合わせをしているから、話が早く済む。
あとは職人さんたちがアレンジしてくれればよい。
孤児院につくと、前回通された院長室へ案内される。
すでにレオンとマイクが待っていたが、どちらも顔が強張っている、緊張しているのか。
「待たせたかな。見本ができたと聞いたのだけれど早速見せてもらっていいかな」
院長先生がこちらになりますと束の紙を渡してくれた。
最初の1枚は、風景の絵だった。
上手く書けているけれど紙が波打っている。
他のも見ていくけれど全部波打っていて、最初に見たものが一番ましだった。
数字の部分は枠が太すぎて数字がイマイチ見にくい。
枠線を細くするとインクが厚紙に写っていない部分があったり、擦れていた。
なるほど、上手くできなかったから落ち込んでいたのか。
「水彩画用の厚紙を注文したつもりだったのだが違っていたようだね。また別の紙を用意するからまたチャレンジしてくれるかい」
「いいのですか?」
「厚紙が波打っているのはレオンのせいではないよ」
「ありがとうございます」
「マイク、2色刷り版画。枠だけの版画と数字だけの版画を作って2色刷りという高度な版画をやってみない」
「えっ」
「どっちかがズレると紙がダメになるから印刷も難しくなる。苦戦すると思うけれど藁半紙を使って練習して2色刷りしてみないか」
2人とももう一度やらせてくださいと言ってくれたので、近いうちに藁半紙と水彩画用の厚紙を渡すことを約束した。
このまま紙問屋に行ってもう一度聞いてこようか。
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