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【リーンハルト:9歳】
第303話 福利厚生大事です
しおりを挟む居間を出ると今度はロザリーナ、マリッサに捕まり、マリアの工房に連れていかれ、岩盤浴の女性用の服装を考えて欲しいといわれたのだ。
「まだペレの生地は、従業員全員分ありません。男女別とはいえ岩盤浴の場合は寝ている時間も長いですから代用品が欲しいです」
「急に言われても・・・・」
「私たち急な依頼ごとも協力してやり遂げましたよね」
「リーンハルト様、お願いします」
ロザリーナとマリッサが必死に頼み込んでくる。
「もしかして、従業員の女性陣から何か言われているの?」
「この前、作務衣を作る際に仕事を引き受けてもらっていますから」と言葉を濁すが、代替品を作るように女性陣から依頼というか、お願いされているのだろう。
2人には、これからもお願いすることはあると思うからなぁー。
「バスタオルで服を作るか」
「バスタオルで服を作るですか?」
3人がきょとんとしている。
バスタオルを持ってきてもらい、バスタオルの端と端を縫って筒状にする。
口があいている2か所のうち一か所に2本の紐を縫い付ける。
「バスタオルを体に巻くのではなく、バスタオルをかぶって着るということですか」
「これなら簡単に作れるし、両手もあくし、バスタオルが落ちる心配もないからどうかな」
「長さが短くないですか?」
「バスタオルを体に巻き付けるのと同じだけれど・・・」
「ですが胸元あたりがあいていますし、もう少し長さが欲しいです」
細かい部分を私に相談されてもと言いかけたが、3人には色々と無茶もいっているしな。
うーん、どうしようか。
「バスタオル生地をそのまま納入してもらえば個々の好きな長さにできない?」
「なるほど。皆で資金を出し合えば生地屋さんも仕入れてくれそうです」
「胸元はどうしたらいいですか」
「胸元のあき具合を調節するなら、肩ひもをつける前に口を紐が通るぐらい折って縫った後、紐を通せば自分たちで胸元のあき具合を調整できるようにならないかな」
「いいですね」
「そのアイデアいただきます」
「生地は2か所縫って、肩ひもを縫い付けて、胸元に紐を通せば完成なので簡単にできます」
「これなら、短時間でたくさん作れます」
「リーンハルト様、ありがとうございます」
ロザリーナとマリッサが喜んでいるので大丈夫だろう。
「いいですね。この服ならバスタオルを石板に敷かずにそのまま寝転がれそうですね」
「石板の上を素足で歩いても火傷はしないと思うけれど、念のため頭や足先を石板に直に置くことはやめたほうがいいと思う」
「そうですか。そのあたりもみんなに徹底させないといけないですね」
「注意事項はみんなから言っておいてよ」
「入る前の注意点とドアに張り紙した方がよさそうです」
「それ、お願い。騎士団の所や私の家族風呂にも貼りたいから全部分作って」
「入口とはいえ出入りで紙がすぐにダメになりそうです」
「木の板に塗料で書くのがよさそうだわ」
「マリアに任せるから作ってみてよ」
「字の上手い人に頼んでもいいですか」
「我が家の従業員ならいいと思うよ」
書く内容を決め、簡潔にわかりやすい文章をみんなで考えみんなが納得したので後の手配はお願いした。
我が家の温泉の効能を調べたら
疲労回復60%、傷・打ち身22%、美肌18%だった。
我が家の温泉にはいると疲れが取れるし、騎士団からも傷の治りが早いと聞いていたのでわかる。
しかし美肌が入っているとはなぁー。
言われてみれば女性陣の肌艶が以前に比べて良くなっているように見える。
この効能広めないほうがいいような気が・・・・。
しかし黙っていてもバレるものはバレる。
母上に温泉効能結果報告ないわよと言われてしまったからだ。
忘れていましたととぼけて報告すると
「ハルトのことだから美肌18%の効能が広まると面倒だと思ったのでしょ」
あっさりと当てられた。
「ただ、最近家族寮を作って欲しいと言われているから、さらに嘆願が増えそうだわ」
「家族寮ですか?」
「そう、従業員同士の結婚なら家族寮があれば辞めずに仕事が続けられるからというのよ」
「どうしてですか」
「待遇が良くなったからやめたくないのよ」
「給金が上がったのですか」
「違うわよ。料理や温泉効果よ。他にはないからでしょうね」
意外なところで我が家の評価が上がっていたようだ。福利厚生は大事だよ。
「家族寮を作るのですか」
「そうね、従業員同士というのが条件にはなるけれど作りたいと思っているわ」
「なぜですか?」
「誰かさんのせいで重要機密事項が増えているから、やすやすと人員を増やせないのよ」
おっとヤバイ。
お小言コースになりそうな話になってしまった。
話題を変えよう。
2,006
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