異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:10歳】

第320話 長い1日だった

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いつもお読みいただきありがとうございます。

次の投稿は今日の午後の予定です。

よろしくお願いいたします。

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捕り物はあっさりと終わった。

最初突入した私たちを見た女性は震えていて「大丈夫か」といってもただ震えているだけだった。

ただ私の肩にいたティルが女性に向かって「レー、レー、サラワレタ、サラワレタ」と言いながら女性の肩に乗る。

「ルルなの?」と小さな声でつぶやくと

「ワタシ、ルルチャンヨ」

「ルルー」

女性はティルを抱きしめている。


しばらくしてから「少しは落ち着かれましたか」と声を掛ける。

「下の階にいた見張りはすべて捕まえましたから安心してください。私はリーンハルト・ウエストランド。領主の息子です」

「ご領主様の」

「はい、だから安心してください」

「ありがとうございます。ありがとうございます」

精神的に張りつめていただろうから回復魔法をかけると、表情が和らいだ。


「名前を教えてもらってもいい」

レーナさんといい、フルール生花店の娘さんだった。

「フルール生花店って、展覧会でお土産部門の工芸部1位になったお店?」

「はい、そうです」

家に送ろうかと思ったけれど、もしかしたらお店は見張られているかもしない。

お土産部門にも他商会から何か圧力をかけられているのか?


家ではなく屋敷に向かうことを話し、同意してもらった。

馬車の中で「疑わないの?」と聞くとリーンハルト様だと解りますからと言われた。


レーナさんが言うには、買い物をしている途中でさわられて、あの屋敷に閉じ込められたそうだ。

閉じ込められた部屋には小さな窓だけがあって、ルルは一緒には捕まらず、気づいたら小窓の外にいて、外から部屋に入ったので、見張りたちは知らないらしい。

ルルに言葉を覚えさせて家族に伝えてもらえることを祈っていたそうだ。


私はルルを見つけた経緯と途中でレーとは飼い主のことではないかと思ったことなどを話した。

「ルルったら、迷子で動物ショップに保護されたの?でもおかげでリーンハルト様に助けられたからルルのおかげね」

レーナさんはルルを腕にのせて頭を撫でている。

屋敷につき、侍女にレーナさんの世話を頼み、私は家族に報告に行く。


「まさか、工芸の部でも被害が出ていたとは」

「明日、レーナさんのご両親や家族を保護したほうがいいわね」

あとは頼みます。

私は疲れました。

今日は色々なことがあった長い1日だった。



翌朝、ココットの雛を見に行くと餌入れから食べている雛を見た。

「よかった、食べてくれているね」

「はい、平皿のせいだなんて思いませんでした」

「あれ、でも5匹しかいないね」

「あとの2匹は餌入れからでも食べられなくて、買ってこられたスプーンで餌やりしています」


「誰が?」

「ジョルジュさんです」

「なんで」

「ジョルジュさんは餌を与えるのが上手いのです」


毎回、この工房に来られないからとジョルジュさんの部屋に連れて行っています。

ジョルジュに何か嫌味を言われそうだ。

ルーカスの食事の液体でお世話になっているスライムもまだジョルジュが面倒みているしな。

「餌がもうないよね」

「はい、それに今も足りていないです」


温室に行ってドドリンの木の前にいる。

ドドリン大きくないか?

高さではなく枝が四方八方横に広がっていて他の植物の場所にまで侵入している。

両親がトムさんと一緒にやってきた。

ドドリンを見て「ハルト、やり過ぎだ」


雛の餌なのですべての枝を切り落とすわけにもいかない。

トムさんに一番邪魔なドドリンの枝を聞き、その枝のドドリンの実を収穫していく。

落とす枝のドドリンの実を全部収穫できなかったので、残りを収穫後は枝を落としてもらうようにお願いした。

両親と屋敷に戻りながらもお説教は続くが、雛に餌をあげないといけないから工房に行くと言ったら両親は諦めたのか行くことを許してくれた。


工房でドドリンの実を砕く手伝いをして追加で餌を与えた後、ジョルジュの部屋にジョルジュと行く。

「ジョルジュ、ごめんよ」

ここでもドドリンの実を砕きながら謝る。

「この子たちが自力で食べられるようになるまでの期間だけですから」

ジョルジュの部屋にいた2匹は、マリアが卵孵化器を改造して卵を置く籠を取り払い、暖かい石の上に藁を敷いていた。


「なんでこの子たちだけ自力で食べられないのだろう」

「雛でも体力差はあると思いますよ。リプカやビアンカと同じではないでしょうか」

そういうこと。

ジョルジュは1匹の雛を掌の中に入れて、動物ショップで購入した餌やりスプーンで雛の口を開けて餌を与えている。

確かに上手いな。

餌だと解ると雛も必死に口を開けて食べている。

この様子なら自力で食べられるようになる日も近いだろう。
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