異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:10歳】

第341話 不機嫌です

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翌日、拗ねて部屋に閉じこもっているとジョルジュから、リナルーナ王女殿下が非公式にお見えになりましたと伝えてくる。

「父上たちに面会?」

「いいえ違います。リーンハルト様に面会希望です」


リクライニングチェアから体を起こす

「私に?」

「はい」

「会えるまでお待ちになるそうです」

今日は学園だよな。

クリス兄様たち学園に行ったし・・・・。


「お待たせして申し訳ありません」と言いながらも、不機嫌ですオーラを出している。

かなり不遜な態度だとは思うが今は態度を取り繕えない。


「クリスフォード様から、昨日の夜お話しされると伺っていましたので参りました」

「決定事項に私が反対を唱えたからと言って覆るわけではありません。なのになぜ来られたのですか」

王女殿下の後ろにいる侍女の顔が怖い顔に変わってきているがしるか。


「わたくしは今まで王家のスペアとして、親である両陛下、兄である皇太子殿下を支えてきました。王家に生まれたからには政略結婚も仕方ない立場です。正直、心通わせられる相手と結婚できるなんて思ってもいませんでした」

リナルーナ王女殿下が私から目をそらさずに話をする。

ただ黙って聞くしかない。


「本来なら嫡男であるクリスフォード様をわたくしが諦めればいい話です。でもわたくしの最初で最後の我儘です。たとえリーンハルト様に嫌われることになっても諦めません」

「以前私にクリス兄様が王女殿下を王女ではなくひとりの人間として見てくれると言っていましたが、ご自身が幸せになりたいだけではないですか」

「いいえ、わたくしの思いの方がクリスフォード様よりも上回っていると思います。わたくし自身も幸せになりたいですが、クリスフォード様のことをわたくしがもっと幸せにしてみせます」

クリス兄様大好きです宣言かぁー。


「弟に宣言せずに私にいって直接言って欲しかったですね」

振り向くとクリス兄様がいた。

王女殿下は真っ赤な顔から真っ青な顔になっている。

このパターン前にも見たぞ。


「クリス兄様、学園に行かれたのではなかったのですか」

「行ったのだが、王女殿下が来ないとダイアナ嬢が言ってきたから、おそらく我が家に行ったのだのだろうと思って帰ってきたのだ」


「正直、素直におめでとうございますとは言えないです。私がお二人のきっかけを作ったことを後悔していないと断言できません。・・・・時間をください」



自分の部屋に戻ってリクライニングチェアに寝転がる。

アトレやルーカスがいるから私がウエストランド継いだほうがいいと兄様たちはいいたいのだろうけれど、2人を追い出したみたいで気持ちがよくない。

自分が自由気ままに思いつきで行動した結果、クリス兄様が養子に行く決心をしたと思うとやるせない。

なんでこんなことになっちゃったのだろうか。


「ハルト、兄弟がバラバラになってしまうことが嫌なの」

アトレが私のお腹に乗って聞いてくる。

「私が好き勝手に行動した結果、兄上たちが養子にいくことを決めてしまったことで自分が許せない」


「ハルト、それは違うぞ。兄上たちは自分たちが幸せになるために決めたことだ」

「それもあるとは思うけれど、私に婿養子縁談がたくさんあったこと知っているし・・・・」

「離れていても兄弟は兄弟だよ」

「そうだ、今と変わらないではないか」

「それに僕たちがハルトのそばにずっといるよ」ルーカスも頷く。

「ハルトが笑って祝福しないと兄上たちも悲しむぞ」

「解ってはいるのだけれど・・・・」


「お気楽生活を目指していたから、それが潰れたのが嫌だとか」

「確かクリスフォードが家を継いだら新街でゴロゴロ生活しようと言っていたな」

「「だからかー」」

アトレとルーカスが納得したとうんうんと頷いている。


私を慰めてくれているのはわかるけれど、全然慰めていないから。

やっぱりこんなことになったのは自分のせいだという思いが強い。

でももう決定したことだから、私の気持ちなど無視して話は進んで行く。


クリス兄様の婚約発表はこの冬、王家主催の新年のパーティーで発表される。

そして私がウエストランドの後継者になることも同時に発表される。

これは対外向けだろう。

私が婿養子にはいけないので縁談は受け付けられませんと王家がいいたいのだろうな。
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