異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:10歳】

第356話 後悔するぞ

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いつもお読みいただきありがとうございます。

今日と明日は都合により1話ずつの投稿予定です。

よろしくお願いいたします。

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昼食のあとは雑貨屋に連れて行かれた。

「私は馬車の中で待っているよ」

「何か面白いものがあるかもしれないわよ」

いやー、リボンや小物だろ?

男の私には見るところがないと思う。


でも中に入らないとブリジットがうるさそうなので一度入ってからすぐに出るか。

雑貨屋の店内は女性の好みの、リボンや髪飾り、ぬいぐるみ、小物入れなどだった。

「ごめん、やっぱり外に行くよ。向かい側に本屋があったからそちらにいるから声かけて」

ここは護衛に女性騎士もいるから3人にしても大丈夫だろう。


道を挟んだ向こう側に本屋があったのはよかった。

王都の本屋だと新作本もあるし楽しそうだ。

店頭に山積みになっている場所があり近づくと新作本の冒険や恋愛小説だった。


店内は奥に進むにつれて専門書になっていくようだ。

植物か穀物類で面白そうなものがないだろうかと本の題名を本棚の上から順に目で追っていくと

「食べられない植物の実一覧」

「流通していない穀物銘柄一覧」

という題名の本を見つけ、2つの本を手に取りパラパラと見ていると「面白いものを見ているね」と声をかけられた。


振り向くと白髪のおじいさんがいた。

「その本はマニアックすぎて全く売れないのだよ」

「店主さんですか」

「そうだ。びっくりさせてしまったようだね」

どうやら2冊とも作者は同じ人の本みたいで、何か理由があるのかと私に興味がわいて声を掛けてしまったそうだ。


「面白そうな本だと思ってみていました。購入しようと思っています」

「そうか、もしこの本について聞きたいことがあれば手紙をくれれば答えられることは答えよう」

渡された名刺サイズの紙には、ここの住所と店名と名前が書いてある。


「作者と同じ名前・・・・」

「若いころに書いた本だよ」

この2冊と新作の冒険小説1冊、計3冊を買って本屋をでる。

まさか本の作者が本屋を経営していたとは・・・。


馬車に乗るとちょうど3人も雑貨屋から出てきた。

気にいったものが見つかり満足そうなので屋敷に戻ることにした。



ドアをノックする音がする。

ジョルジュがドアに向かい開けたらジェラ兄様だったようだ。

「ハルト、今いいか」

「ジェラ兄様どうしたの?」

「どうしたのじゃない。いい加減兄上と話せ」

「・・・・会話しているよ」


「俺が言っていることわかっていて誤魔化すな」

「父上にも言われているけれど、決定事項は覆らない」

「わだかまりなく送り出さないと後悔するぞ」

「・・・・」

「はぁー、一緒にいるから兄上に言いたいことぶつけたらいい」


ジェラ兄様に引っ張られクリス兄様の部屋に行った。

「ハルト、座れ」

ジェラ兄様に左肩を押さえられてクリス兄様の部屋のソファーに座らされる。

「ほら、ハルト」

「・・・・」


「まだ、自分のせいだと思っているの」

クリス兄様の方から問いかけてきた。

「違うとは言えないですよね。本来なら三男の私がどこかに養子に行くのが普通です」

「違う場合もある。今回はその違う場合に当たる」

「でも・・・・」


「同じ国内で苦しんで人がいる。ウエストランドみたいに領民が笑えるようにしたい。後は自分でどこまでやれるか試してみたい気持ちもある」

「それならウエストランドでできますよね」

「ハルトが開拓してくれたから、私が継いだとしても現状維持だろう」

「・・・私がやり過ぎたから」


「ハルト、領民が豊かになれることをしなかった方がよかったというのはやめなさい。兄弟離れるとはいっても国内だ。頻繁には会えなくても毎年数回は会えるさ」

「そうだぞ。おそらくアトレは樹海の管理者の一人だろうし、ルーカスもいる。いい加減覚悟を決めろ」

ジェラ兄様は髪の毛をワシャワシャされる。


「ハルト、父上たちを頼むよ。ハルトだから安心してウエストランドを任せられる」

ジェラ兄様も頷いている。


「でも問題のある旧ブライト侯爵領を選ばなくても・・・・」

「勝算がないわけではない。ただ少しばかりジェラとハルトに手伝ってもらいたいことがある。2人からのプレゼントということでお願いするよ」

クリス兄様は笑顔で言う。


「ジェラやハルトに何かあれば駆けつける。相談があれば相談にものる。ハルトだって私やジェラに何かあれば駆けつけるだろう」

「もちろんです」

「なら、住む場所は違っても兄弟の絆は変わらないよ」


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