異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:10歳】

第382話 甘味屋の新たな問題(後編)

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【食べられない植物の実一覧】の本を取り出し、該当ページを見つけた。

これだよ。

フローリアに見せる。



【ペーラの実】

見た目は洋梨を大きくしたような実。

中身は透明な液体が入っていて実を地面に落としても割れない。

液体の成分を調べたが不明。飲料水にはならない。

間違って飲んでしまうと数日間下痢で苦しむ。

誤飲した場合は水をたくさん飲み吐き出すことが一番軽傷で済む。

ただペーラの白い小さな花は虫よけとして重宝されている。



「液体を出した後に氷を入れるのはどう」

「駄目よ。もし小さな子供とかが誤飲してしまったらどうするの」

紐で縛っているだけならありえない話ではない。


「ねぇ、スライムでできないかな」

「どういうことだよ」

「あのプニプニ感でひんやりしたものできないかな」

「氷を食べるスライムとかいいたいの?」


液体ができたとしてどうやって固まらせるのか。

ドライアイスみたいに気化にならないと溶けて水になるだけだ。


「逆に活用されている植物で使えるものとかないかしら」

視点を変えてみるのもありか。

自分の部屋で石板を取り出し【食用以外で活用されている植物】で検索してみると100冊以上ヒットした。

もっと検索範囲を狭めるように指定される。


追加でウエストランドを入れると12冊まで絞ることができた。

結構あるが図書館の加護を使えば何とかなるだろう。

5冊目で面白いものを見つけた。



「ソソダの粉が大量に欲しいですか」

ラジエルを捕まえて話している。

「普通に使うのではないのですよね」

「まずは実験してから。上手くいけば大量に、安価に手に入るだろうか」

「ソソダの実はウエストランドの家で庭があれば植えています。この屋敷にも植えてあると思いますよ」


「たくさん植えて店に卸している村はあるのかな?」

「ありますよ。自宅のソソダの実がなくなれば買いますからね」

「何に使うのですか?」

「アイスクリームを少しの時間溶けさせないようにするために使えないかなと思っている」


「なるほど、子供のころに作って遊びましたね」

「もし30分~1時間溶けないとなると王都やアイスクリームを販売するところは欲しがりますね」

ラジエルは自分で言いったあとため息をついている。


「最近ため息つきすぎだよ」

「ため息しか出ません。自分で言いながら仕事がさらに忙しくなりそうな未来が見えたので」

せっかく効率化しても仕事が増えると変わらないとブツブツ独り言を言っている。


しかしラジエルが言ったこと、紙問屋の店主とアパル村の村長に教えないといけないな。

そういえば紙問屋の店主さんの名前聞いてないや。

仕事を頼む量が増えているからジョルジュにあとで聞こう。



「ソソダの実ですか?」

「マリアは王都から来たから知らないか。ウエストランドでは掃除の洗剤として使われているものだ」

ソソダの実を水に溶かすとブクブクと泡がでる。

その水で汚れがひどいところを掃除すると綺麗に落ちるらしい。

またソソダの実を凍らすと冷たい塊になるが空気に触れていると次第に消えてなくなるみたいだ。


「冷たい塊を30分~1時間消えないようにしたいということですか」

「そう、アイスクリームを持ち帰って食べるまで溶けないようにしたいのだ」

「なるほど、それは必要ですね」


「ねぇ、さっき話した氷スライムの液体使えないかな」

「フローリア、まだあきらめていなかったの?」

「氷のスライムですか?」

フローリアは思いついた氷スライムの話をマリアにしている。


「試してみる価値あると思いますよ。氷スライムはいるのですか」

「いないから、探さないといけないの」

「屋敷内にいる水を綺麗にするスライムで氷を食べてくれるスライムがいないか調べましょう」

結果、屋敷内に2匹のスライムが氷を食べてくれた。

このスライムも隔離して氷だけを食べてもらうようにする。


「私の思い付きが役に立つかも」とスライムの餌になる氷をフローリアが喜んで作っていた。

そして4日後、あっさりとドライアイスもどきが完成した。


12個入りのアイスクリームの箱の中に5cm×1cmの板上にしたもの1個入れると20分。

3個で1時間アイスクリームが溶けるのを防ぐことができた。


ドライアイスもどきは気化してなくなるので比較的安全だし、ウエストランドでは子供も遊びに使っているぐらいだから大丈夫だろう。

マリアにドライアイスもどきを大量に保管しておける魔道具開発を至急お願いしたところ、ギリギリ6月の販売に間に合った。

7月開店予定のエミニーラの3店舗も何とかなりそうでホッとした。
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