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【リーンハルト:10歳】
第384話 叔父上と・・・(後編)
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「王城の政務官とは思えない行動ですね」
「そうだな」と疲れた声だ。
甘味屋の2階は1か月前からの完全予約制で飛び込みは受け付けない。
それなのに入れないのはおかしい。
我々を馬鹿にしているのかと騒いだ奴がいるのだ。
お前たちも急に来たのに何を言っているのだと思う。
全員ではないが馬鹿なやつを同行させていること事態、ウエストランドを馬鹿にしているとしか思えない。
「伯爵、なぜ頭を下げるのです。我々は王家の命を受けてここへ来たのですよ」
こいつか。
あぁ、来た時に不満げな顔をしていたやつだな。
「我々との約束を破られたのは王家ですよ。我々が歓迎しないことはご存じのはずですが・・・・」
クリス兄様を通してだけれどね。
「約束を破った、王家が?」
驚いた顔をして強気のトーンが下がったようにみえる。
「王家主催の展覧会は難しいのではとお話しました。それでも開催する、我々には頼らないとおっしゃったのです」
それなのになんでお前たちがここにきているのだと仄めかす。
「ノーストレイド伯爵も同席されていたのでご存じですよね」
「明日、王都に戻るよ」
「伯爵」と馬鹿が何か言いかけたのを無視して
「そうですか。ですが対価は支払っていただきますからね」
「どういうことだ」
「ノーストレイドからの新規注文は停止します」
「待ってくれ、確かに止めることができなかったのは私の落ち度だ。しかし本家は関係ないだろう」
「伯爵本人よりもこのほうが効果ありそうなので」
「・・・・どうすれば取りやめてくれる」
「お判りでしょうに、わざわざ聞くのですか。通達は明日いたします」
我々の会話を聞いていた政務官たちは顔がこわばり中には青ざめている者もいる。
ダヴィト叔父上が展覧会から手を引けば運営はさらに難しくなるだろう。
「伯爵、申し訳ありませんでした」
リーンハルトが宿から出て行ったあと、シーンと静まり返っていたが、ひとりの政務官が頭を下げてきた。
「悪いが私はこの件から手を引く。私が引くまで新規注文は停止されるからな」
「やはりとどまることは難しいのですか」
「リーンハルト様がおっしゃられていたことは本当なのですか」と政務官から次々と問われる。
「あぁ、利権が絡む王都開催は難しいと言っていたし、頼られるのは嫌だと意思表示して王家も了承していた」
「だから宰相閣下と一緒にここへ来ることを反対されていたのですね」
「私も親戚だとどこかで甘えがあったようだ。前回忠告されていたのにな」と肩を落とす。
「それでも王家に対して失礼なのでは」
「王家へ、いや国に多大な利益をあげさせているウエストランドとの約束を破ったのは事実。そして弁えずに行動したから怒らせたのだ。その責任は重いぞ」
暗にお前のせいだろと言っている。
「責任者に君のお父上を推薦しようか?展覧会が失敗したらどうなることやら。甥を頼ろうとすれば我が家の二の舞になるがいいのか」
これだけ言ってもわからなければ失態を犯したとして切ることができる。
いやそのほうが他の政務官たちがやりやすくなるか。
馬車の中で、あのお馬鹿な政務官見たことあるなって思ったら、トーマスに絡んでいた馬鹿3人組の一人だ。
トーマスがクリス兄様の領地の政務官になったから後任でなったのか。
彼がいると王都の展覧会はますます難しそうだ。
でも知ったことではない。
父上の書斎に母上、ラジエルも交えて話した。
「ハルト、お前やりすぎだぞ」
「なぜです。甘いと思いますよ。ダヴィト伯父上が展覧会から手を引けば、新規停止はすぐに取り消しします。王家に損害を与えたわけではありません」
「どの口が言う。間接的には大打撃だろう。王都の展覧会は失敗するぞ」
「なぜです。伯父上しか優秀な人材が王城にはいないのですか?」
「(貴族からの)横やりを防ぎ、身分関係なく有能な政務官を使えるのは義兄上だからだろう」
「その割には今回おかしな人材が混ざっていましたが。それに私は王家に対していい印象を持っていません。最低限の付き合いでいいと思います」
「・・・・クリスの件、まだ許していないのか」
否定も肯定もしない。
「母上にはノーストレイドから何か言ってくると思うので申し訳ありません」
「いいのよ。今までの利益はあなたを守る対価としてだったことを思い出してもらえる機会でしょう。それにこの機会に中央から距離を置けるからいいのではないかしら」
「どういうことですか」
「今回の件でダヴィ兄様は謝罪を兼ねて帝国や他国の取引先に行かせると言って王城から引き離せるもの」
そこまで考えていなかったけれど、結果オーライになりそうだ。
「でもクリスとジェラには至急報告しなさいね。2人とも対応に苦慮するでしょうから」
今度は兄様たちに接触してくるのか。
しつこいな。
「そうだな」と疲れた声だ。
甘味屋の2階は1か月前からの完全予約制で飛び込みは受け付けない。
それなのに入れないのはおかしい。
我々を馬鹿にしているのかと騒いだ奴がいるのだ。
お前たちも急に来たのに何を言っているのだと思う。
全員ではないが馬鹿なやつを同行させていること事態、ウエストランドを馬鹿にしているとしか思えない。
「伯爵、なぜ頭を下げるのです。我々は王家の命を受けてここへ来たのですよ」
こいつか。
あぁ、来た時に不満げな顔をしていたやつだな。
「我々との約束を破られたのは王家ですよ。我々が歓迎しないことはご存じのはずですが・・・・」
クリス兄様を通してだけれどね。
「約束を破った、王家が?」
驚いた顔をして強気のトーンが下がったようにみえる。
「王家主催の展覧会は難しいのではとお話しました。それでも開催する、我々には頼らないとおっしゃったのです」
それなのになんでお前たちがここにきているのだと仄めかす。
「ノーストレイド伯爵も同席されていたのでご存じですよね」
「明日、王都に戻るよ」
「伯爵」と馬鹿が何か言いかけたのを無視して
「そうですか。ですが対価は支払っていただきますからね」
「どういうことだ」
「ノーストレイドからの新規注文は停止します」
「待ってくれ、確かに止めることができなかったのは私の落ち度だ。しかし本家は関係ないだろう」
「伯爵本人よりもこのほうが効果ありそうなので」
「・・・・どうすれば取りやめてくれる」
「お判りでしょうに、わざわざ聞くのですか。通達は明日いたします」
我々の会話を聞いていた政務官たちは顔がこわばり中には青ざめている者もいる。
ダヴィト叔父上が展覧会から手を引けば運営はさらに難しくなるだろう。
「伯爵、申し訳ありませんでした」
リーンハルトが宿から出て行ったあと、シーンと静まり返っていたが、ひとりの政務官が頭を下げてきた。
「悪いが私はこの件から手を引く。私が引くまで新規注文は停止されるからな」
「やはりとどまることは難しいのですか」
「リーンハルト様がおっしゃられていたことは本当なのですか」と政務官から次々と問われる。
「あぁ、利権が絡む王都開催は難しいと言っていたし、頼られるのは嫌だと意思表示して王家も了承していた」
「だから宰相閣下と一緒にここへ来ることを反対されていたのですね」
「私も親戚だとどこかで甘えがあったようだ。前回忠告されていたのにな」と肩を落とす。
「それでも王家に対して失礼なのでは」
「王家へ、いや国に多大な利益をあげさせているウエストランドとの約束を破ったのは事実。そして弁えずに行動したから怒らせたのだ。その責任は重いぞ」
暗にお前のせいだろと言っている。
「責任者に君のお父上を推薦しようか?展覧会が失敗したらどうなることやら。甥を頼ろうとすれば我が家の二の舞になるがいいのか」
これだけ言ってもわからなければ失態を犯したとして切ることができる。
いやそのほうが他の政務官たちがやりやすくなるか。
馬車の中で、あのお馬鹿な政務官見たことあるなって思ったら、トーマスに絡んでいた馬鹿3人組の一人だ。
トーマスがクリス兄様の領地の政務官になったから後任でなったのか。
彼がいると王都の展覧会はますます難しそうだ。
でも知ったことではない。
父上の書斎に母上、ラジエルも交えて話した。
「ハルト、お前やりすぎだぞ」
「なぜです。甘いと思いますよ。ダヴィト伯父上が展覧会から手を引けば、新規停止はすぐに取り消しします。王家に損害を与えたわけではありません」
「どの口が言う。間接的には大打撃だろう。王都の展覧会は失敗するぞ」
「なぜです。伯父上しか優秀な人材が王城にはいないのですか?」
「(貴族からの)横やりを防ぎ、身分関係なく有能な政務官を使えるのは義兄上だからだろう」
「その割には今回おかしな人材が混ざっていましたが。それに私は王家に対していい印象を持っていません。最低限の付き合いでいいと思います」
「・・・・クリスの件、まだ許していないのか」
否定も肯定もしない。
「母上にはノーストレイドから何か言ってくると思うので申し訳ありません」
「いいのよ。今までの利益はあなたを守る対価としてだったことを思い出してもらえる機会でしょう。それにこの機会に中央から距離を置けるからいいのではないかしら」
「どういうことですか」
「今回の件でダヴィ兄様は謝罪を兼ねて帝国や他国の取引先に行かせると言って王城から引き離せるもの」
そこまで考えていなかったけれど、結果オーライになりそうだ。
「でもクリスとジェラには至急報告しなさいね。2人とも対応に苦慮するでしょうから」
今度は兄様たちに接触してくるのか。
しつこいな。
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