異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:10歳】

第414話 羨ましかったらしいです

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私たちが持ち帰った大量のアイススパイダーの糸は、母上はじめ、侍女たちも大喜びだ。

今回はミニョンの意向で、ミニョンや家族、従業員で使うため、冒険者ギルドに買い取りに出さないからだ。

「ミニョン、ありがとう。これだけ大量にあれば、我が家で働いている従業員全員に来年の夏には渡せるわ」

母上がミニョンにお礼を言っている。

ミニョンは軽く手を挙げて、すぐおろしている。

照れているのか?

毛でおおわれているので顔の表情はわかりにくい。


「母上、トンミ大好きスライムの液体は、全部ノーストレイドに渡しているのですか?」

「ハルト、今は渡していないのよ。他の事業が忙しいから不要と言われたの」

ただ数が少ないため、この夏には間に合わなかったみたい。

「ウガ大好きスライムの液体で暖かい生地作りはどうなっているのですか?」

そちらは今年の冬に従業員全員に配布できそうだとか。

ただし1人1着だそうだ。

「トンミとウガ大好きスライムは、分裂して3匹ずつになったから液体の量は増えているのよ」

へぇー、いつの間にか3匹ずつになったのか。

母上の話だとこの液体は売りに出すことはなく、我が家で消費して終わりそうだ。


「母上、俺の分も作ってください」

ジェラ兄様、トンミとウガとアイススパイダー、それそれで作った服が欲しいようだ。

私が疑問に思っているのが解ったのかジェラ兄様が詳しく教えてくれる。

「ハルト、騎士科の遠征はキツイ。夏は暑いダンジョンに、冬は寒いダンジョンにわざと行かされる。トンミとウガのスライムは本当に貴重だぞ」

移動で疲れているところに、さらに過酷な所へ行かせるのか。

騎士科に行くつもりはないが大変なことはわかった。


ジェラ兄様はスライムたちをもっと大事にしろよとも私に言う。

「私は大事にしていますよ。トンミとウガの栽培は私がしていますから」

「水やりだけだろう。しかも温室限定だ」

「私も忙しいのです」

「偶には様子を見に行ってやれということだ。名前を欲しがったくらいだしな」


ジェラ兄様に言われたからでは決してないが、トンミとウガ大好きスライムのハッカとジンジャーに会いに行く。

スライムが分裂して、それぞれ3匹になってからは会っていないからね。

フローリアもハッカとジンジャーに会いたいというので一緒に行く。

スライム小屋が2つあり、どちらも新しかった。

ハッカとジンジャーが分裂したから、他の雑草を食べえるスライムと完全に分離したのか。


私が近づくと片方の小屋の中でピョンピョン跳ねる2匹のスライムがいる、ハッカとジンジャーだろう。

「久ぶりだね、元気そうでよかった。困ったことある?」

私は小屋の中に入り、ハッカを呼んで魔力与え、アトレに通訳をお願いする。

『新しい小屋は快適、元の仲間の小屋も新しくしてくれてありがとう』

「ハッカとジンジャーのお陰だよ。こちらこそありがとう」

私の言葉に、ハッカとジンジャーがピョンピョン跳ねる。

ハッカとジンジャーたちに温室から取ってきた、トンミとウガを与えると嬉しそうに、体の一部を伸ばしてトンミとウガを受け取り、食べ始める。

他のスライムたちも同じように私たちに寄ってきて、腕みたいに体の一部を伸ばして、受け取り食べ始めた。


「スライムが、体の一部を腕みたいにできるなんて知らなかったわ」

「確かに、ハッカとジンジャーがいつもしているから疑問に思わなかった」

フローリアの指摘で気づいたが、ハッカとジンジャーと、ハッカとジンジャーから分裂したスライム以外、腕みたいに体の一部を伸ばすところを見たことがなかった。

クラルでさえ見ていない。


「ハッカとジンジャーも、スカーフすればいいのにね」

フローリアの言葉に、ハッカとジンジャーが食べるのを止めて私たちのところへ来る。

『スカーフ、羨ましかったんだって』

アトレが教えてくれる。

「でもハッカたちは、球体に近いからスカーフを留られないよね」


「リーンハルト、決めつけるのはよくないわ。わたくしがハッカやジンジャーのスカーフを作りましょう」

生地を選びましょうねとフローリアがハッカとジンジャーの頭をなでている。

「解った。ハッカとジンジャーにもネクタイリングを用意するよ」

縮小拡大付与すれば、何とかなるだろうから、あとはフローリアに任せよう。

私の言葉にハッカとジンジャーは、喜んでくれているようで、お互いの手を取り合ってピョンピョン跳ねながら回っていた。
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