異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:11歳】

第427話 王太子の結婚式

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夕食後、家族で居間に移動してゆったりしていると、父上が話を切り出してくる。

「明日は王太子殿下の結婚式だ。何が起こるかわからないから気を抜かないように」

「父上、いままで何も起こっていませんし、王太子殿下の結婚式は警備も厳重です。さすがに何か事を起こすとは思いません」

「ハルト、今まで黙っていたが、ヴィヴィやフローリアは馬車で移動中、何度か襲われている」

「そうなの?」「えっ」

父上の言葉に母上とフローリアが驚いていた。

「あなた、今まで隠していましたの?」

「君たちを襲おうと思っていたのか、はっきりしなかったのだ」

「どうゆうことですの?」

母上の問いに父上が話を続ける。


馬車の護衛で先行して馬に乗った騎士が、道端に倒れている者たちを見つけていたらしく、馬車が直接襲われていたわけではないらしい。

「父上が夕方忙しそうにしていたのは、そのためですか」

「ジェラ、そうだ。最初は騎士が王都の護衛団に引き渡していたが、毎回、毎回となるとさすがにな」

連続して続けば、2人が狙われていたということだろう。

「でだ、シエルたちに聞きたい。君たちが対処していたのか?」

父上の言葉で、私たち家族はお菓子や果物を食べている、アトレやルーカスたちを一斉に見た。


『ルアンとルチアから連絡があると順番でね』

「怒られることはしていないぞ。奴らを殺していないし、ママさんたちが襲われそうだったのだからな」

アトレやルーカスは私に、リプカやシエル、ルアンもジェラ兄様、父上、母上に何か言ったようだ。

「ルアンにルチア、わたくしたちを見守ってくれてありがとう。おかげで傷ひとつないわ。みんなもありがとう」

「みんな本当にありがとう。怖い思いをせずにすんだわ」

母上とリアはみんなにお礼言っている。

だからアトレたちは嬉しそうに見える。


「やはり、そうだったか。護衛団、いや王家もそうでないかと疑っていたからな」

「父上、母上たちを襲おうとした者たちを雇った人物は特定できたのですか?」

「残念だが証拠がない。依頼を受けたものは、ごろつきばかりでプロではない。依頼内容はフローリアを連れてくることみたいだった」

ジェラ兄様の問いに父上が答えていた。

これはもう、ソレイユ帝国の人間だと断定してもいいだろう。


「依頼に来た者も同じ人物ではなく、男女、年齢様々のようだ。ただ、皆フードをかぶっていて、色がついた眼鏡をしていたので人相もわからない」

父上はすべて失敗に終わり、先方は焦っているはずだから危険だと言う。

「父上、日中に王都内で貴族の馬車を襲うような場所はないと思うのですが」

ジェラ兄様の言う通りだ。

護衛付きの馬車をプロなら人通りの少ない場所で、少人数で襲うことはできるだろうが、ごろつきなら少人数だと難しいはずだ。

「魔法がそれなりに使える者たちのようだったから、自信があったのだろう。だから明日、みんな1人にはならないようにすること、いいな」




王都の大聖堂の中にいる。

3年ぶりか、教会には近寄らないようにしていたからな。

今日は教会中、白い花が飾られていて、華やかな雰囲気が醸し出されている。

ただ、左右の壁に均等に置かれていた神々の銅像は、創造神、豊穣神の左右に移動されていた。

おそらくすべての神々からの祝福を受けるイメージを演出しているのかもしれない。

教会内に招待されているのは、前回お茶会で招待された貴族と他国からの賓客だ。


現領主夫妻は前の方に、後継者は中央より後ろの席になっている。

私はやや後ろの方だが、なぜか通路側で、王太子殿下たちを間近で見る位置にいる。

よく見ると公爵家や侯爵家、辺境伯家の後継者は通路に近い位置のようだった。

隣がアイザック兄様とブリジット、後ろの列にはジェラ兄様とダイアナ様だったしね。

知り合いが近くにいるのは安心できる。


「リアは私と一緒で、よかったの?」

「もちろんよ、まだ養女になっていないしね」

フローリアは王家と親戚になるクロンデール公爵家一員だから、本来は親族扱いで最前列に近いところだったのだ。

しばらくして、王太子殿下たちの入場宣言があった。

皆が席から立ち上がる。


まずは王太子殿下一人が入場してきた。

真っ白の騎士服に、白い手袋を右手に持っていた。

モーニングではないのか?自分の好みで決めれるのかな?

創造神、豊穣神の前で花嫁を待つのだろう。

続いて花嫁の入場のようだ。

花嫁のエスコートは何とランバート殿下だった。

私はリアを見る。


「コンラット公爵家の家族は、誰も来ていないみたいなのよ」

リアがこっそり耳打ちしてくれた。

どこもかしこも問題アリの家が多いな。

でも他国の王太子妃になる娘の結婚式に出席しないとは、妃殿下の立場がないだろう。

よくソレイユ帝国の皇族が許したな。


花嫁が王太子殿下の側に着き、ランバート殿下が王太子殿下に声をかけて花嫁を託している。

王太子殿下と花嫁であるアリシア様が創造神の方を向いた時に、教会の後ろのドアがバンと開いた。

教会の外にも護衛がいるはずなのにどういうことだ。


振り向くとウエディングドレスを着た女性と、女性のベールを持った女性が入ってくる。

「お義母様だわ」フローリアが呟く。

私はとっさに防御魔法を2人向けて放ち、教会の外に追い出した。

すかさず数名の騎士がすーっと外に出ていき、ドアが閉まったので大丈夫だろう。

そして何事もなかったように、王太子殿下の結婚式は行われて無事に終了した。
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