異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:11歳】

第450話 ここまで歩いてきていたのか

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「リーンハルト様、どうされますか?」

「カイル隊長、どうするも何も、とにかくショックで・・・」

「ハルト、こんなこともあるわよ。理由が解れば対処方法はあると思うわ」

「そうだけれど・・・・」

「ハルト様、土や枯れた木を持ち帰り、専門家の意見を仰いだらよいのではないでしょうか?」

ジョルジュの言葉で植木屋さんの店主の顔が浮かんだ。

そうか、まずは原因を特定することだ。


私たちは持ち帰って調べるため、正常な土地の土を入れた袋と、枯れた木の根っこごと土を袋に詰めて持ち帰ることにした。

私はウォータースパイダーとアーグアに会いに行き、私の加護での回復が上手くいかなかったこと、原因については引き続き調べることを話した。

「それでね、まだ時間がかかるから正常な木々に私の加護を使いたい」

これから冬になれば実は確実に減るだろうから、私の加護で少しは実が増えてくれればと思ったのだ。

ウォータースパイダーとアーグアが承諾してくれたので、実がなっている木々に向かって「成長促進、実がたくさんなりますよーに」と言いながら魔法水をかけていった。

すべてが終わり帰ることにしたが、次回のことを考えてカイル隊長に相談する。


「次回ここに来るにしても距離があるから、途中まで馬で来たいよね」

「確かに、方向的にエミニーラに近いと思うのですが・・・」

カイル隊長も同意してくれた。ここってエミニーラに近いの?

『ハルト、距離はあるけれどこっちの方向に進めば、村があるってアーグアが言っているよ』

「アトレ、村まで行けるの?」

『ある程度近くなればわかるよ。だから途中までアーグアたちが送ってくれるって』

ウォータースパイダーとアーグアの案内で進むが、半日ほど歩いてアトレが止まった。


『ここでアーグアたちとはお別れになるよ』

「わかった」

私はウォータースパイダーとアーグアに原因がわかれば訪問するが、11月中旬から年明けまで不在になるから、訪問が遅くなる可能性があることを伝える。

アーグアからは自分たちではどうすることもできないから、お願いしますとのことだった。



ウォータースパイダーとアーグアと別れて進むと、オークに遭遇するようになった。

ルチア経由でアトレがオークの集団がいるといい、うちの子たちが討伐したいと言い出したので寄り道をする。

オーク30体とオークソルジャー5体がいたが、ルーカス、ルアン、ルチア以外のうちの子たちが、魔法であっという間に倒してしまった。

騎士たちがオークの回収をして終わると、それる前の元の場所まで戻りここで野宿をすることになる。


翌日、アトレの案内で進むと昼前には湖に出た。

「ローガン副隊長」

マイヤーの呟きで湖に出ている小舟にいる人物を見る。

ラクス村まで歩いてきたのかぁー。

小舟が私たちに気づいて近寄ってきた。


「なんだ、カイルたちじゃないか!樹海から出て来たようだが、まさかここまで歩いてきたのか?何かあったのか」

ローガンさんがカイル隊長に小舟から降りてきて話し掛けた。

「副隊長、色々ありまして・・・アトレ様の案内でここについたのです」

「そうか、しかしもう退役してずいぶん経つ。いい加減、副隊長はよせ」


それからローガンさんはカイル隊長たちの後ろにいた、私に気づき私の方を向いて挨拶をしてくれる。

「リーンハルト様、お久しぶりです。カイルやマイヤーがいるので、リーンハルト様の同行だとは思いましたが・・・それにしても従魔殿たちが勢ぞろいしていて圧倒されます」

ローガンさんはヘリオス村に行くとき、騎士舎に泊まっているけれど、アトレたちが勢ぞろいして会うのは初めてなのかもしれない。


「ローガンさん、悪いけれど、ラクス村で休ませてもらいたい。10日間近く樹海にいたから、お風呂もお願いしたい」

「もちろんです。リーンハルト様はラクス村を発展させてくれた恩人です。どうぞゆっくりしてください」

「ありがとう。助かるよ」

ローガンさんと一緒にラクス村に向かって歩きながら、ルクス村の状況を尋ねる。


「ローガンさん、グーシュたちとは上手くいっている?」

「はい、今年もグーシュの出産が無事に終わりました。あと去年生まれた子供のほうは、最初から我々の近くで過ごしているせいか、我々に対しての警戒心があまりないですね」

「それはよかった。あとレインボーフィッシュを盗もうとする者の対策は?」

「冒険者ギルドと商業ギルドで、レインボーフィッシュはラクス村管理と正式に声明してくれたので、結構減りましたね」

「ゼロではないんだ」

「そこは地道に捕まえていくしかありません」


ラクス村を囲っている立派な土壁が見えてくるとリアが呟く。

「すごいわ、ここまでしっかりとした土壁に囲まれた村があるなんて!」

「リア、砦を小さくした立派な土壁はローガンさんが作ったんだよ。管理は土魔法が使える村民たちでしているらしいけれど」

「ローガンさん、すごいです。樹海に近い村だから、みんなが安心して過ごせますね」

「お褒めいただきありがとうございます。大変失礼なのですが、ウエストランド家のご親戚のかたでしょうか?」

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