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第16話 スキル 獣語
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ナナがリアムの肩に乗った。
「ダニエル様、ナナたちが木の実を食べたいって言っている」
「わかった、用意してくる」
リアムからナナたちのリクエストを聞いたので、テントに置いてあるマジックバッグから、木の器に木の実を入れてみんなのいる場所に戻った。
そしてメルとナナのそれぞれの前に木の器を置くと、木の実を食べ始めたメルとナナの手に星のような痣が浮かんでいるのが見えた。
「メル、ナナ、その痣は生まれたときからあるのかい?」
私の問いに、生まれたときからあって時々手に浮かぶと教えてくれた。
「ダル、何か思い当たることでも?」
私が腕を組んで考え事をしているのを見たセドが私に尋ねてくる。
「本当かどうかわからないけれど、読んだ本に女神様のお気に入りの神獣と呼ばれる賢い動物がいて、その見分け方が神獣の体の一部に痣が時々浮かぶと書いてあったのを思い出したんだ」
なんの本だったかなぁー。
「そうか!だからリアムのスキルは、神獣の神を取った獣語なんだ」
セドがリアムに、女神様のお気に入りの獣と話せるスキルなんだなと肩を叩いていた。
「俺のスキルは動物全般との会話ではなくて、神獣と呼ばれる女神様のお気に入りの賢い動物とだけなんだ」
リアムは自分に言い聞かせるようにしみじみと言っている。
だけど自分のスキルがわかったからか、リアムの表情は明るい。
「リアムよかったな」
ブレナンさんがリアムの頭をぐしゃぐしゃになでている。
「俺、大工になって、この島の建築を担当したい。これからもメルやナナと一緒に過ごしたいから、ブレナンさん、弟子にしてください」
リアムがぐしゃぐしゃの髪のままブレナンに頭を下げる。
「弟子にするのはいいが、今はこの島にいたほうがいい。メルたちもその方が安心すると思う」
「リアム、メルたちが落ち着けば島と子爵領を行き来することもできるから、私たちも今はリアムには島にいて欲しい」
ブレナンの提案に私も賛成の理由を話した。
「ダニエル様たちの家が建つまでここにいて、その間に今後どうするのがいいか考えるよ」
「リアム、ありがとう」
「俺もメルやナナと離れたくないからな」
ナナとメルが仲良く木の実を食べている様子を見ながらリアムは言った。
2日後、ハンスがやってきたが一緒にヘレンさんもいたので驚いた。
私はヘレンさんたちに近づき、ヘレンさんが舟から降りるのを手伝う。
「ヘレンさん、どうしたのですか?」
「一度、無人島に来てみたかったのです。私は一商人に戻りましたから、早速参りました」
「引継ぎは終わったのですか?」
「えぇ、オリバーは優秀なので心配はありません」
ヘレンさんは商業ギルド長をオリバーさんに引き継いで、自由に動けるから嬉しいようだった。
本当に商売が好きなのだろう。
「お土産です」
ヘレンさんのマジックバッグから、果物やアグネスさんの料理がたくさん出てくる。
料理は熱々なので、ヘレンさんのマジックバッグも時間停止なのだろう。
ありがたく頂くことにして、すぐに私のマジックバッグにしまった。
「ヘレンさん、お礼になるのかな?商談いいですか?」
「まぁ、なんでしょう」
ヘレンさんは商談と聞いて目がキラリと光り、マジックバッグから畳んだシートをたくさん取り出す。
「このシートを砂の上に敷いてから、見せてくださいね。商品を傷つけるわけにはいきませんから」
ヘレンさんは砂浜にシートを広げているが、大物だと言っていないのにヘレンさんが出してきたシートの数は多い。
ヘレンさんはよくわかったなと思いながら、私たちも一緒に手伝った。
シートを広げ終え、大きな魚を1匹マジックバッグから取り出す。
「なんなのですか!この大きい魚は?!」
ヘレンさんは魚を見て固まっている。
「これピストリーにすごく似ている」
ハンスが言うピストリーとは、サメの一種で、体長1.2メートルぐらいで漁師がたまに釣り上げるらしい。
ピストリーは身だけでなく、皮や骨、ヒレなどすべて使えるらしく、高額買取だから釣れたら漁師はホクホクだそうだ。
正気に戻ったヘレンさんも、ハンスの話を補足するように話す。
「たしかに、顔付き、骨格、皮の模様。ピストリーを大きくしたようなものですね。もしかしたら漁師が獲ったピストリーは子供で、親はこのサイズだったりして」
「その線、ありますよ。解体すればピストリーかどうかわかるのではないですか?」
ヘレンさんの冗談半分っぽい言い方に、ハンスがヘレンさんの予想通りではないかと言った。
ヘレンさんは驚いた顔をしたが、すぐに真顔になる。
「ダニエル様、この魚は1匹ですか?」
「もう一匹あるよ」
「それでは2匹とも買取で、そしていつもの高級魚もあればお願いします」
買取金額はピストリーか確認後ということで後日になった。
「ダニエル様、今回は高級魚が少ないようですが、伐採の手伝いで海にはいかれなかったのですか?」
ヘレンさん鋭い。
私はブレナン、セド、リアムを見てナナとメルのことを話すかアイコンタクトを送る。
「この2人には話しておいた方がいいだろう」
ブレナンが賛成してくれて、あとの2人もうなずいていた。
「ダニエル様、ナナたちが木の実を食べたいって言っている」
「わかった、用意してくる」
リアムからナナたちのリクエストを聞いたので、テントに置いてあるマジックバッグから、木の器に木の実を入れてみんなのいる場所に戻った。
そしてメルとナナのそれぞれの前に木の器を置くと、木の実を食べ始めたメルとナナの手に星のような痣が浮かんでいるのが見えた。
「メル、ナナ、その痣は生まれたときからあるのかい?」
私の問いに、生まれたときからあって時々手に浮かぶと教えてくれた。
「ダル、何か思い当たることでも?」
私が腕を組んで考え事をしているのを見たセドが私に尋ねてくる。
「本当かどうかわからないけれど、読んだ本に女神様のお気に入りの神獣と呼ばれる賢い動物がいて、その見分け方が神獣の体の一部に痣が時々浮かぶと書いてあったのを思い出したんだ」
なんの本だったかなぁー。
「そうか!だからリアムのスキルは、神獣の神を取った獣語なんだ」
セドがリアムに、女神様のお気に入りの獣と話せるスキルなんだなと肩を叩いていた。
「俺のスキルは動物全般との会話ではなくて、神獣と呼ばれる女神様のお気に入りの賢い動物とだけなんだ」
リアムは自分に言い聞かせるようにしみじみと言っている。
だけど自分のスキルがわかったからか、リアムの表情は明るい。
「リアムよかったな」
ブレナンさんがリアムの頭をぐしゃぐしゃになでている。
「俺、大工になって、この島の建築を担当したい。これからもメルやナナと一緒に過ごしたいから、ブレナンさん、弟子にしてください」
リアムがぐしゃぐしゃの髪のままブレナンに頭を下げる。
「弟子にするのはいいが、今はこの島にいたほうがいい。メルたちもその方が安心すると思う」
「リアム、メルたちが落ち着けば島と子爵領を行き来することもできるから、私たちも今はリアムには島にいて欲しい」
ブレナンの提案に私も賛成の理由を話した。
「ダニエル様たちの家が建つまでここにいて、その間に今後どうするのがいいか考えるよ」
「リアム、ありがとう」
「俺もメルやナナと離れたくないからな」
ナナとメルが仲良く木の実を食べている様子を見ながらリアムは言った。
2日後、ハンスがやってきたが一緒にヘレンさんもいたので驚いた。
私はヘレンさんたちに近づき、ヘレンさんが舟から降りるのを手伝う。
「ヘレンさん、どうしたのですか?」
「一度、無人島に来てみたかったのです。私は一商人に戻りましたから、早速参りました」
「引継ぎは終わったのですか?」
「えぇ、オリバーは優秀なので心配はありません」
ヘレンさんは商業ギルド長をオリバーさんに引き継いで、自由に動けるから嬉しいようだった。
本当に商売が好きなのだろう。
「お土産です」
ヘレンさんのマジックバッグから、果物やアグネスさんの料理がたくさん出てくる。
料理は熱々なので、ヘレンさんのマジックバッグも時間停止なのだろう。
ありがたく頂くことにして、すぐに私のマジックバッグにしまった。
「ヘレンさん、お礼になるのかな?商談いいですか?」
「まぁ、なんでしょう」
ヘレンさんは商談と聞いて目がキラリと光り、マジックバッグから畳んだシートをたくさん取り出す。
「このシートを砂の上に敷いてから、見せてくださいね。商品を傷つけるわけにはいきませんから」
ヘレンさんは砂浜にシートを広げているが、大物だと言っていないのにヘレンさんが出してきたシートの数は多い。
ヘレンさんはよくわかったなと思いながら、私たちも一緒に手伝った。
シートを広げ終え、大きな魚を1匹マジックバッグから取り出す。
「なんなのですか!この大きい魚は?!」
ヘレンさんは魚を見て固まっている。
「これピストリーにすごく似ている」
ハンスが言うピストリーとは、サメの一種で、体長1.2メートルぐらいで漁師がたまに釣り上げるらしい。
ピストリーは身だけでなく、皮や骨、ヒレなどすべて使えるらしく、高額買取だから釣れたら漁師はホクホクだそうだ。
正気に戻ったヘレンさんも、ハンスの話を補足するように話す。
「たしかに、顔付き、骨格、皮の模様。ピストリーを大きくしたようなものですね。もしかしたら漁師が獲ったピストリーは子供で、親はこのサイズだったりして」
「その線、ありますよ。解体すればピストリーかどうかわかるのではないですか?」
ヘレンさんの冗談半分っぽい言い方に、ハンスがヘレンさんの予想通りではないかと言った。
ヘレンさんは驚いた顔をしたが、すぐに真顔になる。
「ダニエル様、この魚は1匹ですか?」
「もう一匹あるよ」
「それでは2匹とも買取で、そしていつもの高級魚もあればお願いします」
買取金額はピストリーか確認後ということで後日になった。
「ダニエル様、今回は高級魚が少ないようですが、伐採の手伝いで海にはいかれなかったのですか?」
ヘレンさん鋭い。
私はブレナン、セド、リアムを見てナナとメルのことを話すかアイコンタクトを送る。
「この2人には話しておいた方がいいだろう」
ブレナンが賛成してくれて、あとの2人もうなずいていた。
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