私の日常

林原なぎさ

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*参加しまして(中編)

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問題は碧なのだ。

どうしてあんな反応を見せるのか不思議だ。


そんな私の様子を見て、咲子さんと祈莉ちゃんが声を掛けてくれる。


「あぁ…そうね。歩ちゃんはひとりにならない方がいいわ。特に4年生の教室では。」


「大丈夫。碧ちゃんは反抗期じゃなくて、歩ちゃんのことが心配なの。」


おふたりに先日のやり取りを聞いてもらうと、この反応だ。

よくわからないが、気にする必要がないようで安心した。


咲子さん、祈莉ちゃんと順にクラスを覗いて碧のクラスまでやって来た。

碧も私に気付き、両隣にいるママ友のふたりを確認した様で、どこか安心した顔をする。


一体どういう意味だ。

お母さんは方向オンチだが、校内で迷子にならないぞ!






授業が終わったこの後、各クラスの保護者懇談会があるらしい。

せっかくなので参加しようかな?と思っていると。


「さぁ歩ちゃん、子ども達の様子も伺えたし帰りましょう。」


「そうそう。この後お茶でもしよ?」


おふたりは、さっさとこの場を去りたい様で、私は急かされるが。



藤本ふじもとさん、私たちは1階の教室でやるみたいよ。」


桑原くわはらさんも教室は逆方向よ。」


「え、あの!ちょっと、待って下さいぃ~!」


パワフルなお母様方に引きづられる様にして、咲子さんも祈莉ちゃんも連れて行かれてしまった。


「歩ちゃん!真っ直ぐお家に帰るんだよ!!」


引きづられながらも顔が見えなくなる前に、私に帰るよう促して…おふたりは完全に見えなくなってしまった。


はて?私は小さな子どもと思われているのか…。



秀一さんとの約束もあるし、不本意だがこのまま帰ろう。

正面玄関を目指し歩いていると、肩を軽くトントン叩かれ振り向く。


人がいるとは思っていなかったので、ちょっとびっくりした。


「こんにちは、西園寺さん。」


「…こんにちは。村田むらた先生。」


碧の担任である、村田先生だった。


「わぁ…嬉しいな。名前覚えてくれたんですか?」


それはそうだ。

村田先生は2回目の碧の担任で、若くてイケメンとお母様方からかなり人気がある、と咲子さんに教えて頂いた。

そしてこの先生は何故か距離感が近いので毎回距離を取る為、一歩下がる。



「そうだ。西園寺さん、娘さんのことでちょっと…。」


言いにくそうに小声で…音楽室まで、と。


碧が何かやらかしたのだろうか?

それならば真っ直ぐ帰る訳にはいかず、村田先生の後を素直について行く。



扉を閉めたことで、誰にも聞かれる恐れはない。

聞くのはちょっとドキドキするが覚悟は決めたので、どんと来るのだ。



「僕…どうしても、我慢できなくて。」


なぜか距離が物凄く近い。


「ずっと…西園寺さんのことが…。」


言うなり所謂、壁ドンというものをされ、逃げられないようにされている。


あれ?碧のことについてではないのだろうか?


「西園寺さんのことが、……好きなんです!」


…すき…好き…。


「…えっと。私、結婚してますよ?」


「知っています!だけど、好きなんです!!」


えぇー……。


「初めて見た、2年前から、ずっと好きで。」



村田先生と出会ったのは確かに…2年前の碧が2年生になったクラスでだ。

いや、私、既婚者ですけど。

村田先生くらいの方ならもっと、若くて可愛い女性ひとが選べるだろうに。


なぜ私?何かのどっきりでは?


辺りを見回すが、それらしきカメラも他の人がいる気配も無い。



「ずっと忘れられなくて!あの、だから。」


とても信じられないが、村田先生は真剣そのもので。


「お願いです!キスだけでいいんで、させて下さい!!」


とんでもないコトを言い出した。




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