私の日常

林原なぎさ

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過去のお話 -出会い編-

前編

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「歩、誕生日おめでとう!今日はいーっぱいお酒飲も!」


「ありがとう。でも、ちょっとで大丈夫。」


6月19日、今日は私の二十歳はたちの誕生日だ。

当日の今日をお祝いすると中学からの友人である、本郷ほんごう愛歌あいかがご飯に誘ってくれた。

予約してくれたお店は、やたらお洒落で素敵なイタリアンバルの装いだ。

私はもちろん初めてだが、どうやら愛歌はこのお店にちょくちょく来店しているようだ。

話を聞くとなんでも崇拝する先輩の行きつけのお店らしい。

大学が同じだったその先輩は、今年から新社会人になり拝める回数が格段に減った。

それ故に運が良ければ再び、その先輩を好きなだけ拝みまくれるらしい。

そんな上手くいくかなぁ、とは思うが、きっとよく話題に出る先輩だろうと推測される。

国宝級のイケメンらしいので、愛歌が好きになる訳だ。

友人のちょっとミーハーで面食いなたちを知っているので今に驚く事ではない。


「ほんっとに!イケメンなんだからね!歩だってファンになっちゃうかもよ?」


「そうね。ファンになっちゃうかもね。」


愛歌のイケメン先輩の話より、テーブルの上に並べられた料理ごはんに意識は持っていかれ返事は適当だ。


「ちゃんと聞いてない事はわかったわ。」


そんな反応の私に、もちろん愛歌も慣れているので特に気にもせず料理に手をつける。


カランっとドアに付いたベルがなり騒がしい複数の女性と男性3人が店内へ入ってきた。

私はちょっと、うるさいかなぁとは思ったが、初めて飲むスパークリングワイン(甘口)に感動する。

炭酸のしゅわしゅわがよく効き、(甘口で)飲みやすい。


私ってお酒飲める方なのかも!


この考えが後に、秀一さんから外出先でのお酒禁止令を出される事となる。



「来た!見て、歩!あの男性ひと!!」


興奮気味の愛歌が指差す方向は(人に向かって指を差してはいけません)先程お店に入って来た団大さんで、あの3人の内の誰かが大好きな先輩なのだろう、と私も視線を向ける。


「ほら!あの一番イケメンの人!」


…3人共に顔は綺麗だと思うけど…。

一番イケメンかどうかは好みの問題では…?


私の表情から察した愛歌は1人ずつ丁寧に説明してくれる。


色素の薄い髪の彼はクオーターらしく、愛歌が崇拝する神城かみしろ大和やまと

きらきら系で王子様のような風貌。

愛歌の好きなアイドルにちょっと雰囲気が似ているので好きになる訳だ。


長身のモデル体型の彼は宮園みやぞの那央なお

イケメンに違いないが、へらりと笑うその表情からチャラさが前面に出ていると思う。


これ又、モデルのような彼は西園寺さいおんじ秀一しゅういち

物凄く仏頂面だが、恐ろしい程顔の整った綺麗な人だ。

男性なのにこんな綺麗な人いるんだなぁ。


私の中で秀一さんの印象はこの程度のものだった。

何故なら宮園さんの女性に対する態度のチャラさ加減にかなり驚いていたからだ。


世の中には、会話の合間にちゅっちゅする人種が存在するんだなぁ。


「あぁ…神城先輩尊い!スーツ姿も素敵です!」


大好きな先輩を前に愛歌はめろめろだ。




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