私の日常

林原なぎさ

文字の大きさ
47 / 50
過去のお話 -夫婦編-

旦那さま

しおりを挟む




年末、同僚で友人のかほりから結婚する事を聞かされた。


「結局、お見合いした人と結婚する事にしたの?」


「まぁ…成り行きで?」



夏に強制的にお見合いをさせられたかほりは、何でもそのお相手に気に入られたらしくそのまま結婚する事になったそうだ。


なんでもお相手はとても仕事の忙しい方らしく、籍を入れてまだ20日程だが、あまり家に居ないそうだ。


一体どんな人なのだろう?と思うと同時に、その旦那さんにちょっとした不信感を抱き、かほりの事を心配していた。





あの日から暫くして。

旦那さんに会ってみないか?とかほりから連絡が来た。


断る理由は無いが、若干人見知りである私は秀一さんと一緒に会う事で落ち着いた。

しかし朝、かほりの新居にお邪魔するという、約束だ。

どうして朝かというと、旦那さんのお仕事の都合らしい。


そしてお邪魔した私達を待っていたのは…。



「はじめまして。綾坂あやさか隼人はやとです。本名は綾坂晴之はるゆきです。」


旦那さまは、なんと!

私の大好きな刑事ドラマに出演している、セクシーでかっこいいと世の女性を虜にしている俳優の綾坂隼人だ。



わぁぁぁ!

すごい!顔小っちゃい!

本物の青田あおた(役名)さんだ!


「歩が前に(役柄が)好きだって言ってたのを伝えたら、是非会ってみたいって。」


「感動…!ありがとう、かほり!」


私が(刑事ドラマと役柄を)好きだと知り、かほりの友人ならば、と会って下さる気になったようだ。


なんて良い人なんだろう。


この想いを伝えたいが(役柄が)大好きだと言っても初対面の人にぐいぐい行ける訳ない。


しかし感動する私に、青田さん…綾坂さんはありがとう、と爽やかに笑い、握手までして下さった。


更に感動する私は、見えていなかったのだ。

後ろで不機嫌そうに見つめる秀一さんに。


旦那さんである綾坂さんはとっても良い人だった。


かほりの心配もなくなり気分はすっきりだ。





自宅へ帰り。



「歩。」


秀一さんの方に振り向くと、腰を引かれてそのままキスされる。


苦しくて息継ぎをしたくて、口を開くも、すかさず秀一さんの舌が割り込んでくる。


苦しいだけじゃなくて、気持ちいい。


身体の力が抜けてしまう私は秀一さんに支えられ、何とか立てている。


そして満足したのか秀一さんは唇を離してくれた…が。

ソファに押し倒された。


「え…?」


押し倒された状況に戸惑う私とは違い、秀一さんの瞳は欲情の色を含んでいて、その視線は色っぽい。


え?…まさか。



まさか、通り。

秀一さんは私の上着をたくし上げ、ブラジャーまで外す。


「あ、のっ…。」


今はまだ日中で、外も明るく慌てる。

しかし秀一さんには関係ない。


「抱きたい。」


耳元で囁かれ、私の身体は震えた。

ぞくっとする程、艶かしい秀一さんの声だけで、私も秀一さんに抱いて欲しい。



そのまま素直に秀一さんを受け入れた。







「歩はああいう奴が好みなのか?」


突然の発言に何の事かわからない。


「そんなにあの男が好きなのか。」


どうやら綾坂さんの事を言っているようだと理解した。




「面白くは無い。」


秀一さんはご不満な様で、不貞腐れたような口ぶりだ。

こんな姿を可愛いと感じてしまう私は、意地が悪いだろうか。






しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』

放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。 「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」 身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。 冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。 「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」 得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。 これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。

優しい雨が降る夜は

葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン 無自覚にモテる地味子に 余裕もなく翻弄されるイケメン 二人の恋は一筋縄ではいかなくて…… 雨降る夜に心に届いた 優しい恋の物語 ⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡ 風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格 雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン

迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる

九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。 ※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...