男子校、強制共学化

氷室ゆうり

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生徒会の情報整理と備考。

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「というわけで、確かに次の生徒会長は僕が務めさせていただきますけど…これ、元に戻っちゃダメなんですかね?」
「はっはっは。ダメだよ。ボクたちは女体化した見た目を含めて人気を集め、生徒会選挙を生き残ったともいえるんだ。だからそうそう元に戻ったりしても公約違反になるかもしれないし、何より支持率が下がるかもしれない。」
「…今更ですけど、この学校って、おかしくないですか?」
「むしろ今までまともだと思ってたのかな?君は?」
それを言い出せばキリがない。
現生徒会長と、次期生徒会長は、紅茶を飲みながら書類を片手に話し続ける。

「さて、始めようか。最近のうちの高校の変遷を。生徒会の今後に関係があるのは、委員会と、一部の部活。あとはランキングの上位者あたりのこともかくにんしておきたいかな?」
すべての情報を統括する立場にある生徒会は、引継ぎの仕事もたくさんある。
だから、こんな早い段階で状況整理をどんどんやっておく必要があるのだ。






「まず風紀委員御用達の剣道部ですが、中心人物が女体化してしまい、今まで通り取り締まりを継続するのが難しくなってきたようです。もし関係性が途切れてしまったら校内の風紀に㎡ん台が発生するかもしれません。」
「…そもそもうちの校則って結構緩いよね?乱交が許されるレベルで。取り締まりってそんなにきついわけでもないでしょう?それはそれで人気が出るならいいことかもしれないねー。いままでとはやり方が変わるだろうけど。どうせ今年だけだし。金原君だっけ?人徳あるらしいし、いざとなったらこっちも手を貸してあげなよ?」
「はい、柔道部とは大違いですね。で、運動部はさておき、文化部としましては、写真部と美術部がやはり圧倒的かと。」
美術部と写真部。どちらも生徒会とは持ちつ持たれつ。互い生徒会もお世話になっている部活であり、この学校における生命線といわれている。
「まあ、ある意味生徒会以上に重要な立ち位置だからね。とりあえずそこの二つには有り余るほどの部費を与えておいて大丈夫だよ。絶対にどこからも批判の声なんて上がらないから。」
「分かってますよ。…まあ、部活の方はこのくらいですかね。続いて委員会ですが、風紀委員と保健委員は独立しているので、こちらがむやみに干渉するのが果たして正しいのかどうか…」
現生徒会長の返答は早かった。
「必要ないよ。絶対に要らない。というか、下手に干渉すると返り討ちにある。絶対に傀儡にしてやろうとか思わないこと。風紀委員は強制女体化の権限があるし、保健委員に至ってはすべての女体化の最高権力者みたいなものだ。生徒総会か、委員会連合会あたりが近いうちにあるから、君も来るように。そうすればだいたいのことは分かるだろうし、次の代の連中がどんな感じか分かるだろうから。」
その言い方には若干の違和感を覚える。やけにいじわるそうな笑みだ。だが、そんなことにいちいち引っかかるつもりもない。
「ええ、さすがに参加させていただきますけど…ええと後は…ああ、なぜか図書委員の連中が元気がいいらしいです。特に権力もない委員会なのでそこまで考える必要はないと思いますが。どうしたんでしょう、あそこには確か…ああ、あの黒田君が女体化したそうで…」
「ああ、わかった。ランキング案件っぽいね。それは後回しで。」
「かしこまりました。ええと、あとは放送委員が…」

その後も次期生徒会長の報告は続き、生真面目にすべての委員会の活動報告は終了した。



「ええと、今年の2年の女体化状況ですよね?」
「うん、3年は僕が把握してるし、ほおっておいても卒業するからね。ランキングのシステムは理解してる?」
挑発気な生徒会長の質問。

「ええと、まず入学してからしばらくたつと、大体男子たちの間ではランキングというものが用意されます。1年で大きな意味を持つランキングは美少年ランキングと男前ランキング。前者は女の子みたいに可愛らしさを持った男子たち、後者は正統派のイケメンたちのランキングですね。それが2年に上がると、もう一つ重要なランキングが出来上がります。それが、女体化男子ランキングです。既存のランキングメンバーから女体化が出ると、すべてのランキングに変動がみられ、学校の様子がすべてひっくり返ります。」
「…それが冗談でも何でもないから、すごいよねえ。まだ女体化ランキングは定まってないみたいだけど、どう?黒田君は入るだろうけど、今年はどんな感じなのかな?」
「簡単に言えば、美少年もイケメンも無茶苦茶です。ランキング大荒れです。美少年だけでなくイケメンランキングからも女体化が出ました。僕の予想もある程度はありますけど、あいにくあんまり詳しくないので…」
「写真部あたりに聞いてみるといいよ。下手すればうちよりも情報収集つよいからね、誰が入ってくるかは恐らくもう、ある程度見当はついてるはずだ。黒田君はナチュラル美少女だからそういうの疎いだろうけど、努力型でのし上がるタイプは案外そこのところの情報を持ってることが多い。僕としては、そうだな。天文部の三峰君とかが入ってくるかなと思ってる。去年美少年ランキング7位で、いま下馬評では6位くらいかもって感じだけど、案外こういう子は強いよ。」
「細かいところは調べておきますけど、一位は確定です。2位と3位はどちらがどちらになるか分かりませんが、美少年ランキング3位の子が2番目、イケメンランキングからの転向が3位ですかね。あとはさっぱり分かりません。」
「それでもいいけど、彼らがどこの部活に属しているかは調べておくように。」
「はーい。はあ、こんなものですかね。」
「うん、お疲れさま。」

生徒会に集まる情報は尋常じゃなく多く、仕事も激務だ。情報をかき集め、適切な判断をすることが求められるが、ほかの組織から手を狩りまくってなお、ギリギリで走り抜ける印象もある。
生徒会長、上野は、伝えられるだけのことを伝え、次世代が少しでも楽になるようにと、なんだかんだで頑張っていた。
まあ、その次期生徒会長である釘宮は上野の見た目に少しばかりキュンキュンして生徒会長を目指したわけだが、まさか自分も美少女になるだろうとはまったく考えていなかったようだ。それらを天秤にかけて考える。果たして生徒会に入ったのは得か損か

「さて!今日は疲れたし、久しぶりに美術部にでも遊びに行くかい?たくさん可愛がってあげるよ?」
「…お手柔らかに。」
まあいいやと、とりあえず得だったことにする釘宮だった。今日もこうして仕事が終わる。

「あ。そうそう、今年の文化祭例年の倍以上に女体化させるからそのつもりで。」
「!?」
最後の最後に特大の爆弾をひっさげて。


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