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春日の記憶
しおりを挟む「あ。久しぶりですね。元気にしていましたか」
無職を謳歌して、公的な不労所得で生きていた頃、たまたま立ち寄ったコンビニで、知ってる顔を見かけた。
「大変でしたね。お仕事、見つかりました?」
大変なのは、こちらじゃない。当事者じゃない。同僚という属性があるだけの、部外者。
「私は大丈夫です。痛かったけど、怪我なんて一発殴られた分くらい。それ以外は実はなにもないんです」
聞いていたのと違う。
惨状が派手なだけで、奇跡的に最初の一発の打撲しか怪我がなかったようだ。
でも、誰かが呼んだ警察の介入で、会社の不正が公になったに過ぎない。
「お仕事、一緒にしません? いま、パートナーを探してるんです。あなたなら、信用できそう」
異性として見られていないというのを感じてしまう。すこし、傷つく。
けど、信用できそう、という言葉は嬉しかった。
人生に、味が出てきた。
明るさが見えた。暗かった人生に。
彩りがでた。味気ない人生に。
希望が見えた。カフェラテでも、認められた。
ありがとう。ボクが、キミの光になる。
キミが穴に落ちても、ボクがキミの眼になる。
それが、ボクの恩返しだから。
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