【誰も知らない拳で、世界をひっくり返す――最底辺高校生、無双ランクアップ物語】

第6章「日本一の試練」

第4話「無敵の強者」

リング上で白川との戦いが続いていた。
蓮は何度も攻撃をかわし、反撃のチャンスを見つけては全力で放っていたが、
白川はそれをすべて冷静に受け流し、再び攻撃を仕掛けてきた。

その一撃一撃は強烈で、
蓮の体力をじわじわと削っていく。

「くっ！」

蓮は思わずうめき声を漏らし、
また後退せざるを得なかった。
その瞬間、
白川が静かに言った。

「お前、なかなかやるじゃないか。
　でも、まだ足りない」

その言葉が、蓮の胸に深く刺さった。
力だけでは通用しないことは分かっていた。
だが、それでも蓮は、
白川を倒すために戦い続けていた。

「――俺は、負けない」

その言葉を、
蓮は心の中で強く誓った。

⸻

その瞬間、
白川が急に動きを止め、蓮を見つめた。

「お前の力を見て、
　少しだけ興味が湧いた。
　だから、少し本気を出すことにしよう」

その言葉に蓮は少し驚いた。
これまでの戦いが、
白川にとって遊びのように思えていたのかもしれない。
だが、これからは本気の戦いになるということを、
蓮は強く感じ取った。

その瞬間、
白川の体から放たれる圧倒的なオーラに、
蓮は一瞬言葉を失った。

「こいつ、やはりただ者じゃない」

その感覚に蓮は震え、
その反面、
心の奥で戦う覚悟がさらに固まった。

⸻

「――来い」

蓮はその一言とともに、
再び白川に向かって突進した。
だが、白川はその動きを軽々とかわし、
蓮の体を次々に捉えていく。

その攻撃は、まるで空間を支配しているかのように
正確で、素早く、強力だった。

「くっ！」

蓮はその攻撃を受けながらも、
全力で立ち上がろうとするが、
白川の連続攻撃が蓮を再び圧倒した。

「お前の動きが、遅い」

その冷徹な言葉が、蓮の胸を締めつける。
その瞬間、
蓮は一つのことに気づいた。

（こいつの攻撃は、
　力だけでなく、心をも操ってくる…
　次の一手で、俺はこいつの罠にハマる）

その瞬間、
蓮は自分の体勢を引き戻すために、一瞬後退し、
白川の攻撃を待つことに決めた。

⸻

「――っ！」

その瞬間、
白川が一気に攻撃を繰り出してきた。
その拳が蓮の体を捉える瞬間、
蓮はその隙間を見逃さず、
強烈なカウンターを放つ。

「――っ！」

その一撃が、
白川の顔面に直撃し、
白川はわずかに後退した。

その瞬間、
蓮はすぐに間合いを詰め、
もう一撃を放った。

「――っ！」

その拳が、白川の腹部に直撃し、
白川はその衝撃でついに膝をつく。

「――勝った？」

蓮はその言葉を呟き、
倒れた白川を見下ろした。
その目の中に、
これまで見たことのない光が宿っていた。

⸻

「――お前、なかなかやるな」

その言葉が白川の口から漏れる。
その目には、今までのような冷徹さがなく、
むしろどこか満足したような表情が浮かんでいた。

「だが、まだだ」

その言葉と共に、
白川は再び立ち上がり、
その眼差しは蓮に向けられた。

「お前の戦い方には、まだまだ足りない。
　でも、あれだけやれるとは思わなかった」

その言葉に、蓮は静かに頷いた。
これまでの戦いで、
蓮はただの力だけではなく、
心と戦術を使う戦い方が必要だと学んできた。

「これからだ」

その言葉とともに、
蓮は白川に向かって拳を突き出す。
その瞬間、
白川はその拳を見ながら、
まるで予測したかのように、その攻撃を迎え撃つ。

⸻

「――っ！」

その瞬間、
二人の拳がぶつかり合い、
リングの周囲に激しい衝撃が走った。

その後、
しばらくの沈黙が続いた。

そして、
蓮は静かに言った。

「これで終わりだ」

その言葉と共に、
蓮の拳が再度白川の胸を捉え、
白川はその衝撃で完全に倒れた。

⸻

「……終わった」

その一言を呟いた蓮は、
立ち上がり、倒れた白川を見下ろした。

その瞬間、
観客席からは大きな歓声が響き渡り、
蓮の勝利を祝う声が上がった。

⸻

「すごいな、蓮」

黒岩の声が響き、
花岡も頷いた。

「次も、もうすぐだ。
　お前の戦いはまだ終わらない」

その言葉に、
蓮は静かに答えた。

「分かっている。
　次も、必ず勝つ」