【誰も知らない拳で、世界をひっくり返す――最底辺高校生、無双ランクアップ物語】

あめかわ しげる

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第7章「最終試練」

第2話「栄光か、それとも…」

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蓮はリングに立ち、
これまでの戦いを思い返しながら、心を落ち着けていた。
闇の闘技場から始まったこの試練が、
いよいよ最終局面を迎えようとしている。

「ここまで来たか」

蓮は静かに呟きながら、
その目の前に立つ相手を見つめた。
その男の名は『龍崎真(りゅうざきまこと)』。

彼は、
これまで蓮が戦ってきた数多の強者を超えてきた
最強の戦士だと聞いている。

その戦績は完璧で、
過去に敗北した相手すら存在しない。

「お前が、最強の男か」

蓮は静かにその目を見つめた。
だが、その目の奥には恐れなど一切感じなかった。

「最強という言葉は、俺にとってはただの目標だ。
 お前が最強でも、俺は俺のやり方で戦う」

その言葉に、龍崎はただ静かに頷いた。

「いいだろう。
 お前がどれだけ強くなったのか、確かめさせてもらう」

その言葉とともに、
アナウンスが響き渡り、
試合が開始された。



「――っ!」

最初に動いたのは、やはり龍崎だった。
その攻撃のスピードと力は圧倒的で、
蓮は一瞬でその力に圧倒された。

「くっ!」

その攻撃をかわすために蓮は必死に体を動かし、
その拳をかすめた瞬間、
龍崎の反応がさらに早くなっていることを感じた。

(こいつ…速すぎる)

その思いが蓮の胸を駆け巡る。
だが、蓮はその中でも冷静さを失わず、
次の一手を考え続けた。

「まだ、いける」

その言葉を心に刻み込みながら、
蓮は再び龍崎に突進する。



「――っ!」

その瞬間、
蓮は全力で龍崎に攻撃を仕掛けるが、
龍崎はそれを軽々と避け、その隙を突いて反撃を放つ。

「――っ!」

その反撃を受けた蓮は、
少し後退してバランスを崩しそうになるが、
その場で体勢を立て直す。

「くっ、くっ…」

蓮はその痛みに耐えながらも、
再度戦うために集中を高めた。
これまでの戦いでは、
どんな攻撃でも耐え、反撃してきた。
だが、今の龍崎の攻撃は、
全ての自分を超えてくる。

「――ふっ」

その瞬間、
蓮は龍崎の攻撃を感じ取り、
すかさず体を動かして回避した。

「――やるな」

龍崎が冷徹に言う。

その目には、
蓮がどれだけ強くなったのかを確かめるような光が宿っている。

「だが、もう終わりだ」

その言葉とともに、
龍崎は次の攻撃を仕掛けてきた。

「――っ!」

その攻撃を、蓮は必死にかわしながらも、
その先に待ち受けている次の一撃が迫っていることを感じていた。



その瞬間、
蓮は全身に力を込め、
龍崎の攻撃を受け止めると共に、その隙を突いた。

「――っ!」

その一撃が、龍崎の顔面を捉え、
その衝撃で龍崎は一瞬、後退した。

「――っ!」

その瞬間、
蓮はさらに追撃を放ち、
龍崎を圧倒する。

「――勝った…」

その言葉を、蓮は呟きながら、
倒れた龍崎を見下ろした。



その瞬間、
アリーナが静まり、
観客席からは驚きの声と共に、
蓮の名前が呼ばれる。

「神崎蓮、勝利!」

その声と共に、
観客席から大きな歓声が上がり、
蓮の勝利を祝う声が響き渡った。



「お前、強くなったな」

黒岩が静かに言うと、
花岡も頷きながら言った。

「だが、次が本当に試練だ。
 お前の戦いは、まだ終わらない」

その言葉に、
蓮は静かに頷いた。

「分かっている。
 次も、必ず勝つ」

その決意が、
蓮の目に宿っていた。
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