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次の日、登校したソニアは学園長室に呼び出されそのまま早退したようだった。
そして翌日からソニアは学校に来なくなった。
ローラはラウルが何か知っているかと聞きに行った。
もう関わるな、と言ったのにまたやって来るローラにうんざりしながらもラウルは、
「ソニアの家に行ってみたけど何もわからないんだ」
と教えてくれた。
放課後ローラは担任の所へ行った。
「・・・まだ正式発表じゃないんですが、ソニア・ベラトールさんは退学処分になりました」
「どうしてですか?」
「私からは何とも・・・」
ローラは学園長室に走って行った。
ノックをして、どうぞと返事を聞くと、飛び込んで行って挨拶も無く、
「ソニア・ベラトールさんが退学処分ってどうゆうことですか?」
と叫んでいた。
学園長は「お行儀が悪いですよ」と窘めてから、慌てふためくローラと対照的に鷹揚な態度でソファに座るよう勧めた。
「どうしたんです?そんなに慌てて」
学園長はゆっくりした口調でローラに聞いた。
「ソニア・ベラトールさんが退学って本当ですか?」
「本当ですよ」
「どうしてですか?!」
「そんなに大声をださないで。聞こえていますから」
「・・・申し訳ありません。あの、ソニアさんは成績優秀で模範的な生徒ですよ?どうして」
「死ね。・・・彼女はそう言ったそうですね?」
「えっ?・・・」
「赦されないことです」
「あっ、でも、それは私が悪・・・いえ、そんなこと言われていません」
「嘘も罪ですよ」
「・・・言われた覚えがありません」
「彼女を庇いたいのですね。
でも複数人の目撃証言があります。
ソニアさん自身も認めています。
それにソニア・ベラトールさんが貴女を虐めていた、という複数の証言もありました」
「私!私虐められてなんか!」
あの日ソニアの存在を目障りに思っていた数人のクラスメイト達が二人の会話を盗み聞きしていたのだ。
「たった一度の間違いで、彼女の今迄の努力を無にすると仰るのですか?」
「赦される間違いと、赦されない罪とが存在するのですよ。
彼女の発言はこの学園では決して赦されるものではありません」
「・・・でも、」
「この学園の校訓は?」
「・・・汝らは地の塩なり・・」
「彼女は確かに素晴らしい成績を残していました。
本当に惜しいことです。
しかしこの学園の教育理念では決して成績が良いことだけが重要ではないのです。
しばしばあることですが、能力の高い者は傲慢になり他者を見下すようになりがちなのです。
最も重要なのは人間性です。
我々は神の前に謙虚でなければいけません。
我々にとっても苦渋の決断でした。
この決定が覆ることはありません」
「・・・そんな・・・」
ローラの脳裏にいつかの父の世間を舐めきった顔が浮かんできた。
『本当に悪いヤツには罰は当たらないんだ』
『弱い奴が代わりに罰を受けてくれるのさ』
ラウルの言葉が思い起こされた。
『ソニアは自分で最善を考えて努力している』
『このままいけば間違いなく奨学金で大学に』
『ソニアは自分で幸せになる努力をしているんだ』
ああ、また。また私が奪ってしまったのね。
ボロボロと涙を流すローラに学園長は言った。
「友達を想って涙を流す。
なんと美しい心でしょう」
学園長室を後にするローラに学園長は猫なで声で言った。
「そうそうローラ・エルジェスさん。
我が校では新しく体育館と室内プールを建設するプランが立ち上がっているのだけど資金繰りに目処が立たなくてね。
お父様にご支援頂けないかお願いしてもらえませんか?」
そして翌日からソニアは学校に来なくなった。
ローラはラウルが何か知っているかと聞きに行った。
もう関わるな、と言ったのにまたやって来るローラにうんざりしながらもラウルは、
「ソニアの家に行ってみたけど何もわからないんだ」
と教えてくれた。
放課後ローラは担任の所へ行った。
「・・・まだ正式発表じゃないんですが、ソニア・ベラトールさんは退学処分になりました」
「どうしてですか?」
「私からは何とも・・・」
ローラは学園長室に走って行った。
ノックをして、どうぞと返事を聞くと、飛び込んで行って挨拶も無く、
「ソニア・ベラトールさんが退学処分ってどうゆうことですか?」
と叫んでいた。
学園長は「お行儀が悪いですよ」と窘めてから、慌てふためくローラと対照的に鷹揚な態度でソファに座るよう勧めた。
「どうしたんです?そんなに慌てて」
学園長はゆっくりした口調でローラに聞いた。
「ソニア・ベラトールさんが退学って本当ですか?」
「本当ですよ」
「どうしてですか?!」
「そんなに大声をださないで。聞こえていますから」
「・・・申し訳ありません。あの、ソニアさんは成績優秀で模範的な生徒ですよ?どうして」
「死ね。・・・彼女はそう言ったそうですね?」
「えっ?・・・」
「赦されないことです」
「あっ、でも、それは私が悪・・・いえ、そんなこと言われていません」
「嘘も罪ですよ」
「・・・言われた覚えがありません」
「彼女を庇いたいのですね。
でも複数人の目撃証言があります。
ソニアさん自身も認めています。
それにソニア・ベラトールさんが貴女を虐めていた、という複数の証言もありました」
「私!私虐められてなんか!」
あの日ソニアの存在を目障りに思っていた数人のクラスメイト達が二人の会話を盗み聞きしていたのだ。
「たった一度の間違いで、彼女の今迄の努力を無にすると仰るのですか?」
「赦される間違いと、赦されない罪とが存在するのですよ。
彼女の発言はこの学園では決して赦されるものではありません」
「・・・でも、」
「この学園の校訓は?」
「・・・汝らは地の塩なり・・」
「彼女は確かに素晴らしい成績を残していました。
本当に惜しいことです。
しかしこの学園の教育理念では決して成績が良いことだけが重要ではないのです。
しばしばあることですが、能力の高い者は傲慢になり他者を見下すようになりがちなのです。
最も重要なのは人間性です。
我々は神の前に謙虚でなければいけません。
我々にとっても苦渋の決断でした。
この決定が覆ることはありません」
「・・・そんな・・・」
ローラの脳裏にいつかの父の世間を舐めきった顔が浮かんできた。
『本当に悪いヤツには罰は当たらないんだ』
『弱い奴が代わりに罰を受けてくれるのさ』
ラウルの言葉が思い起こされた。
『ソニアは自分で最善を考えて努力している』
『このままいけば間違いなく奨学金で大学に』
『ソニアは自分で幸せになる努力をしているんだ』
ああ、また。また私が奪ってしまったのね。
ボロボロと涙を流すローラに学園長は言った。
「友達を想って涙を流す。
なんと美しい心でしょう」
学園長室を後にするローラに学園長は猫なで声で言った。
「そうそうローラ・エルジェスさん。
我が校では新しく体育館と室内プールを建設するプランが立ち上がっているのだけど資金繰りに目処が立たなくてね。
お父様にご支援頂けないかお願いしてもらえませんか?」
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