12 / 12
おまけ その後の話
エリック殿下がオーディション開催の告知を出した。
王都の女の子を集めてアイドルグループを作るという。
「また兄上が妙なことを始めましたね」
ジェイムズ殿下は呆れ顔だ。
3000人以上の応募から書類選考とインタビューをへて最終選考に残った30名で行われた最終オーディションは一般公開され、チケットは争奪戦になる人気だった。
歌唱審査と自己アピールのあと、全員での椅子取りゲームもあった。
女の子達が髪を振り乱して必死の形相で椅子を取り合う姿に、会場の男どもは興奮の渦に巻き込まれた。
そうして6名の女の子が選ばれて「ハーティ キャッツ」か結成されることとなった。
バックステージで成り行きを見守っていた面々は、
「・・・兄上、なんであの6人なんですか?」
と不満よりは疑問を呈していたし、
「ボクがいいなって思ったコは落ちちゃったよ」
というアレクの嘆きに、女性陣は震撼した。
一堂の困惑を前にエリックは得意気に、
「わかってないなー。男ってのは文句なく美女ってのに惹かれるわけじゃないのよ。
一見可愛いけど、良く見るとちょっとブス、とか、ちょっと足太いな、くらいがツボなのよ」
「そんなもんですかねぇ~?」
「そうなの。全然勝ち目無しの高嶺の花じゃなくて、頑張ればなんとかなるかも~くらいが丁度いいのよ。
学園で言えば、
カメリアじゃなくてローズ
みたいな」
ローズは反射的にエリックに腹パンを撃ち込み、悶えるエリックを置き去りにしてプンプンしながら帰ってしまった。
「・・・今のは兄上が悪いですよ」
エリックの読みは見事に当たって、作詞 エリック第一王子 作曲 ジェイムズ第二王子による「ハーティ キャッツ」のデビュー曲「夜更けのシュークリーム」は大ヒットした。
そして当初イマイチに見えていた女の子達は、みるみるうちに魅力的に花が咲いていったのである。
王都のあちこちで、
Ah~分かってる~のに、やめられな~いのぉ~♪
と口ずさむ人々の歌声が聞こえてきた。
エリックは「夜更けのシュークリーム」とネーミングした普通のシュークリームを期間限定で販売し、「ハーティ キャッツ」のメンバーを売り子に立たせた。
連日大盛況で押すな押すなの大騒ぎだった。
まったく、小銭を稼ぐことにかけては天才的なエリックである。
一連の活動には当然「ツチノコ部隊」が駆り出される。
~ 王城の文官休憩室。~
ツチノコ部隊がまったりしていると、ジェイムズ殿下の手下どもが入ってきた。
「あ~大変だわ~「ハーティキャッツ」の握手会の準備~」
「ツアーのチケット販売も始まるしねー」
わざとらしく大きな声を出す。
ジェイムズ殿下の手下がチラチラこっちを見ている。
今度はツチノコが頭を寄せ合ってコソコソしだして、
「え~!!うっそ、ミュウミュウ(センター)が?!」
とかやっていると、ジェイムズ殿下の手下がこっちに来て、
「あのーパレスホールでのチケット、抽選に漏れたんだけど、なんとかならない?」
「ならんなー」
「いいじゃないかよ。オレたちの仲じゃないか」
「無理だなー」
「ケチくさいこと言うなよ。
じゃ、ミュウミュウのサイン貰えないかな」
「そういうの断ってんだよねー。
どうしよっかなー」
日頃の鬱憤を晴らすツチノコ部隊だった。
その後エリック殿下は男性アイドルユニットでも成功し、大型のライブ会場を建設し、国の内外のアーティストの興行を取り仕切った。
外タレは事実上エリック殿下の事務所を通さないと興行できなくなり、エリック殿下は他人の褌で金儲けをするシステムを作り上げた。
グッズ展開も成功を収めているが、それは当初エリック殿下が自分でデザインすると言い張ったのを全力で止めたツチノコ部隊の功績と言えよう。
エリック殿下は おかん達を雇い、「おかん食堂」も展開した。
おかんの作る家庭の味に独り者の男たちは涙した。
エリック殿下はそこで自作の おかんアートを販売しているが、それはさっぱり売れないようだ。
エリック殿下は学園を卒業後にターナー家に婿入りする方向で話がついた。
この話に最後まで難色を示していたのはジェイムズ殿下だった。
「兄上には王室に残って外交で力を貸して欲しかった」
おい!外交問題になっても知らんぞ、周囲は思わずツッコミたくなったが、エリック殿下は
「お前が困ったらいつでも駆けつけるから任せとけ!」
とカッコいいことを言った。
ジェイムズ殿下は迷子の子供のような表情をエリック殿下に向けたが、そんな顔をするジェイムズ殿下を見たのは側近も初めてだった。
エリック殿下は 猫爵にはなれなかったが、今もローズと仲良くやっている。
(おしまい)
毎度 馬鹿馬鹿しいお話にお付き合いいただき誠にありがとうございました
王都の女の子を集めてアイドルグループを作るという。
「また兄上が妙なことを始めましたね」
ジェイムズ殿下は呆れ顔だ。
3000人以上の応募から書類選考とインタビューをへて最終選考に残った30名で行われた最終オーディションは一般公開され、チケットは争奪戦になる人気だった。
歌唱審査と自己アピールのあと、全員での椅子取りゲームもあった。
女の子達が髪を振り乱して必死の形相で椅子を取り合う姿に、会場の男どもは興奮の渦に巻き込まれた。
そうして6名の女の子が選ばれて「ハーティ キャッツ」か結成されることとなった。
バックステージで成り行きを見守っていた面々は、
「・・・兄上、なんであの6人なんですか?」
と不満よりは疑問を呈していたし、
「ボクがいいなって思ったコは落ちちゃったよ」
というアレクの嘆きに、女性陣は震撼した。
一堂の困惑を前にエリックは得意気に、
「わかってないなー。男ってのは文句なく美女ってのに惹かれるわけじゃないのよ。
一見可愛いけど、良く見るとちょっとブス、とか、ちょっと足太いな、くらいがツボなのよ」
「そんなもんですかねぇ~?」
「そうなの。全然勝ち目無しの高嶺の花じゃなくて、頑張ればなんとかなるかも~くらいが丁度いいのよ。
学園で言えば、
カメリアじゃなくてローズ
みたいな」
ローズは反射的にエリックに腹パンを撃ち込み、悶えるエリックを置き去りにしてプンプンしながら帰ってしまった。
「・・・今のは兄上が悪いですよ」
エリックの読みは見事に当たって、作詞 エリック第一王子 作曲 ジェイムズ第二王子による「ハーティ キャッツ」のデビュー曲「夜更けのシュークリーム」は大ヒットした。
そして当初イマイチに見えていた女の子達は、みるみるうちに魅力的に花が咲いていったのである。
王都のあちこちで、
Ah~分かってる~のに、やめられな~いのぉ~♪
と口ずさむ人々の歌声が聞こえてきた。
エリックは「夜更けのシュークリーム」とネーミングした普通のシュークリームを期間限定で販売し、「ハーティ キャッツ」のメンバーを売り子に立たせた。
連日大盛況で押すな押すなの大騒ぎだった。
まったく、小銭を稼ぐことにかけては天才的なエリックである。
一連の活動には当然「ツチノコ部隊」が駆り出される。
~ 王城の文官休憩室。~
ツチノコ部隊がまったりしていると、ジェイムズ殿下の手下どもが入ってきた。
「あ~大変だわ~「ハーティキャッツ」の握手会の準備~」
「ツアーのチケット販売も始まるしねー」
わざとらしく大きな声を出す。
ジェイムズ殿下の手下がチラチラこっちを見ている。
今度はツチノコが頭を寄せ合ってコソコソしだして、
「え~!!うっそ、ミュウミュウ(センター)が?!」
とかやっていると、ジェイムズ殿下の手下がこっちに来て、
「あのーパレスホールでのチケット、抽選に漏れたんだけど、なんとかならない?」
「ならんなー」
「いいじゃないかよ。オレたちの仲じゃないか」
「無理だなー」
「ケチくさいこと言うなよ。
じゃ、ミュウミュウのサイン貰えないかな」
「そういうの断ってんだよねー。
どうしよっかなー」
日頃の鬱憤を晴らすツチノコ部隊だった。
その後エリック殿下は男性アイドルユニットでも成功し、大型のライブ会場を建設し、国の内外のアーティストの興行を取り仕切った。
外タレは事実上エリック殿下の事務所を通さないと興行できなくなり、エリック殿下は他人の褌で金儲けをするシステムを作り上げた。
グッズ展開も成功を収めているが、それは当初エリック殿下が自分でデザインすると言い張ったのを全力で止めたツチノコ部隊の功績と言えよう。
エリック殿下は おかん達を雇い、「おかん食堂」も展開した。
おかんの作る家庭の味に独り者の男たちは涙した。
エリック殿下はそこで自作の おかんアートを販売しているが、それはさっぱり売れないようだ。
エリック殿下は学園を卒業後にターナー家に婿入りする方向で話がついた。
この話に最後まで難色を示していたのはジェイムズ殿下だった。
「兄上には王室に残って外交で力を貸して欲しかった」
おい!外交問題になっても知らんぞ、周囲は思わずツッコミたくなったが、エリック殿下は
「お前が困ったらいつでも駆けつけるから任せとけ!」
とカッコいいことを言った。
ジェイムズ殿下は迷子の子供のような表情をエリック殿下に向けたが、そんな顔をするジェイムズ殿下を見たのは側近も初めてだった。
エリック殿下は 猫爵にはなれなかったが、今もローズと仲良くやっている。
(おしまい)
毎度 馬鹿馬鹿しいお話にお付き合いいただき誠にありがとうございました
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(31件)
あなたにおすすめの小説
〖完結〗旦那様が私を殺そうとしました。
藍川みいな
恋愛
私は今、この世でたった一人の愛する旦那様に殺されそうになっている。いや……もう私は殺されるだろう。
どうして、こんなことになってしまったんだろう……。
私はただ、旦那様を愛していただけなのに……。
そして私は旦那様の手で、首を絞められ意識を手放した……
はずだった。
目を覚ますと、何故か15歳の姿に戻っていた。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全11話で完結になります。
断罪するならご一緒に
宇水涼麻
恋愛
卒業パーティーの席で、バーバラは王子から婚約破棄を言い渡された。
その理由と、それに伴う罰をじっくりと聞いてみたら、どうやらその罰に見合うものが他にいるようだ。
王家の下した罰なのだから、その方々に受けてもらわねばならない。
バーバラは、責任感を持って説明を始めた。
ジルの身の丈
ひづき
恋愛
ジルは貴族の屋敷で働く下女だ。
身の程、相応、身の丈といった言葉を常に考えている真面目なジル。
ある日同僚が旦那様と不倫して、奥様が突然死。
同僚が後妻に収まった途端、突然解雇され、ジルは途方に暮れた。
そこに現れたのは亡くなった奥様の弟君で───
※悩んだ末取り敢えず恋愛カテゴリに入れましたが、恋愛色は薄めです。
【完結】婚約解消ですか?!分かりました!!
たまこ
恋愛
大好きな婚約者ベンジャミンが、侯爵令嬢と想い合っていることを知った、猪突猛進系令嬢ルシルの婚約解消奮闘記。
2023.5.8
HOTランキング61位/24hランキング47位
ありがとうございました!
悪役令息の婚約者になりまして
どくりんご
恋愛
婚約者に出逢って一秒。
前世の記憶を思い出した。それと同時にこの世界が小説の中だということに気づいた。
その中で、目の前のこの人は悪役、つまり悪役令息だということも同時にわかった。
彼がヒロインに恋をしてしまうことを知っていても思いは止められない。
この思い、どうすれば良いの?
毒姫の婚約騒動
SHIN
恋愛
卒業式を迎え、立食パーティーの懇談会が良い意味でも悪い意味でもどことなくざわめいていた。
「卒業パーティーには一人で行ってくれ。」
「分かりました。」
そう婚約者から言われて一人で来ましたが、あら、その婚約者は何処に?
あらあら、えっと私に用ですか? 所で、お名前は?
毒姫と呼ばれる普通?の少女と常に手袋を着けている潔癖症?の男のお話し。
あっちのエリックは辛そうでしたが、こっちのエリックおばかさんですが、不器用でもローズと漫才?出来て幸せそうで良かったです。
みい様
感想ありがとうございます。
こっちのセコくて小狡いエリックが可愛いな、と思っています。
読んでくださってありがとうございます。
こんなおもろいのに イイネ が少ないということは、多くの方に知られていないに違いない!
世に広めるにはどうしたらいいんか?
感想ありがとうございます。
面白いと言っていただけてとても嬉しいです。
いつも読んでくださる方が何人かいらっしゃるようで、その方たちは私がどんなのを書いても受け入れてくださるんですよね。
本当に有り難いことです。
これからも、こそ〜っと隠れながら静かに好きなものを書いていきたいので、よろしくお願いします。
こっちのエリック大好きかも ちなみにわたしも小学生の頃夏の終わりの誕生日に、弟が一夏かけて集めたセミの抜け殻が一箱みっちりつまった箱を誕生日にもらって、おそらく彼の宝物であろうものをくれたのだろうから、どう傷つけないよう捨てるか苦慮した記憶が蘇りました
感想ありがとうございます
箱いっぱいのセミの脱け殻。
パンチのあるビジュアルですね。
叫んでバラ撒きそうです。
なんかこう、困る物くれる人に限って、しつこく感想を聞いてきたり、使っているか確認したりする傾向にあるので注意が必要です。
セミの脱け殻どうした?と聞かれたら、
美味しくいただきました。とでも答えておきましょうか。
読んでくださってありがとうございました