365通りのエッセイ vol.2

蒼井托都(あおいたくと)

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04.牛タンとにんにくを追いかけて生きると決めた

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あなたには好きな食べ物があるだろうか。
僕はもうタイトルが全てすぎるのだけれど、牛タンとにんにくが大好きすぎて、しばらく食べないと禁断症状が出そうな勢いで好きである。

牛タンは、もともと人生の中の序盤に仙台へ旅していた最中には、「迷子でサバイブした後のご褒美」としての位置付けでしか無かった。
目的を達成した後、帰りの新幹線に乗る前に牛タン弁当を買って、自宅に帰ってから食べて旅が終わる。
いつの間にか、定期的に仙台へ通うようになり、毎回の推し店ができるほどに牛タンが大好きになってしまっていた。
このご時世で、かれこれ二年...もう二年か、仙台はおろか県外に出ていない生活を現状続けているため、地元で食べられる店や焼肉を売っているスーパーを探して、最低月一で食べたい食べ物になっている。
よく噛むことで脳も活性化されるし、余計なことは考えず噛むことに集中できるし、と理由を付け週一でも食べたいものの一つである。

にんにく好きについてはもっと歴史が古く、馴染みのある食べ物だった。
親がにんにく産地の地域出身であるせいか、小さい頃から当たり前のようににんにくを食べている生活を送っていた。
非にんにく文化(?)の家庭では想像が付かないかもしれないが、我が実家のカレーには、具材を炒める際にまずにんにくスライスを炒めて香り付けしてから具材を入れ火を通し、水を加えて煮込み、と、香りのベースを作るようににんにくは欠かせないのだ。
この話を以前の職場でしたところ、非にんにく文化の先輩などから信じられないと軽く引かれ、からかわれたりしたことがあり、接客業も相まって仕事前や休憩中などには食べないように意識していた時期もある。
環境が変わった今ではリミッターが外れ、非にんにく文化出身の夫や匂いが苦手だという子供から隠れるように、最近やたらと市場へ投入されるようになったにんにくマシマシカップラーメンを片っ端から食べ比べる生活を送っている。
下手すると毎食自然に食べてしまう懸念もあり、食べる量や頻度は一応気をつけたい食べ物の一つである。

他にも好きな食べ物はあるのだがいったん割愛して、僕は「好きな食べ物がメンタルを支えてくれる」ということを、この数年とても痛感するようになってしまった。
先行きが分からないような毎日に不安になることがあっても、好きなご飯を食べている間はおいしさに包まれていることできた。
いろんなストレスで過食気味になっているきらいはあるものの、ご飯をおいしく食べられているうちはまだ大丈夫なのかもしれないと思うことができるようにもなった。

食べ物以外にも、趣味などで同じく気分を保たせてくれることはあるだろう。
ただ、僕は趣味を何も楽しめなくなった時期もこの数年の中で経験していて、下手すると今も楽しめていない気がすることがあったりもするので、手軽に楽しめる好きなものとして食べ物は特に開拓していたりする。

もし気分が塞ぎがちになるようなことがあっても、またあの大好きな食べ物を食べてみたら、元気になれるかもしれない。
という仮説はいつでもさっと立てられるようにして、さっとその食べ物を用意できるような環境を、今しばらくは整え続けたいと思っている。
今のところ僕は、牛タンとにんにくを追いかけて生きると決めている。



2022.04.22



※2022.06追伸
投稿後、にんにくが素敵に効いているとても美味しい食べ物をおすすめしていただいた。
コメントに気付くのは遅くなってしまったのだけれど、見かけてすぐに通販を調べて注文し食べてみた。
とても素敵な出会いに感謝。
今はあまり遠くまで旅はできないのだけれど、極力通販で購入できるものはどんどん試してみたいと思うので、おすすめの牛タンやにんにく料理があればぜひコメントやメッセージなどをいただけるとありがたいです。
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