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高身長くんを抱きたい!第3話
しおりを挟む「みやっちゃんのおうち、泊まってたんですか?」
「んっぐ…な、なんでや…」
突拍子もない質問に、自分の考え事は吹っ飛びちびちびと飲んでいたノンアルのカクテルが鼻に逆流した。
そんな事まで聞いたんかい。
「みやっちゃんと同じ匂いがします」
「はぁ?」
関西ドデカボイスが口を継いで出た
『関係者席ー太郎くーんうるさいでー』
マイク越しのよっさんの声がカフェ内をこだました
僕の事言ってるんだと気付きわぁ!と席を立ち90度に腰をおり
「すんませんでした!」と大声で謝ると客席からキャア!と黄色い悲鳴が響く
これも僕?と顔を上げると女の子達がしっかり大人の謝罪をしていた僕に手を振ってくれていたので有難く手を振り返させていただいた。
『あちら僕の友達の太郎くんです。たまに一緒に配信してもらってるのと、彼このゲーム好きらしいんで一緒に連れてきてます。大声出したお詫びに後でステージ立ちやー』
「仰せのままにみやび様!」
それで許して貰えるならと再度腰を深深と折り、そのままズルズルと着席した。
「…ちょ、ほんまキモイ事言うなて。大声出してもうたやんか」
椅子にお尻が着いたと同時にステージを見つめていたウスターに詰め寄る
こちらを向いたのを確認して更に顔を近付ける
「同じ匂いがするってなんや。あいつの匂いいつもクンクンしとるんか貴様は」
「してます、みやっちゃんいつもいい匂いがするから」
悪びれる様子もなくサラリと笑って言い放ったその言葉は色んな意味で衝撃が大きすぎて脱力する。
変態に好かれてもうてるやんかよっさん
僕今よっさんと同じ香りするの?いやまぁそりゃそうか…え、僕のことも匂ったって事?
「いや、キモイて。やめーやそれ、な?みやびに嫌われんで」
「みやっちゃんにはいつも伝えてます」
「そういう事やないって…いや容認してんかいあいつも」
凄くイヤ、モヤモヤする
なんでそれをよっさんも許してんだ
僕の事が好きだったんじゃないのか…
頭を抱え始めた所でMCの明るい声が響く
『ここで20分間の休憩になります!休憩後、みやびさんにはゲーム実況をして頂くのですが、さらに太郎さんも壇上で実況してくれると言うことなので太郎さんも20分後こちらにいらしてください!』
アナウンスが終わり次第女の子達がぞろぞろと席を立ち御手洗に向かう子や等身大パネルを撮影する子でカフェは賑やかな雰囲気に変わった。
一旦落ち着く為にトイレに行こう
そう思い席を立ったところで大きな壁に阻まれる
上を見上げると呆れた顔をするよっさんが居た
「よっ!」
「よぉ!」
僕が本名で呼びそうになったのに気付き咄嗟の回避をしてくれた
手を合わせて小さく謝るとぽんと優しく頭を叩かれた
「楽しんでくれとんのはええけど大声出すんやめや」
「ほんまごめんや……」
「ウスター来てくれてたんやね、ありがとう」
僕の後ろへ視線を投げると変態によそ行き笑顔を覗かせて礼を言った
「いえいえ!たまたま関西の方に滞在してたので、来れて良かったです」
「みっみやびさん、おトイレどこかしら!連れて行ってもらっても?」
慌てふためき言葉遣いがあやふやになった僕に怪訝な顔を投げる
汗が吹き出す、なんで僕が慌ててんのか。
「なんやお前…今日キモイで。連れてくんはええけど」
目線をこちらに残したまま踵を返し、前に進み出したので再度慌てて追いかける
ウスターの目につかぬ所へ来たタイミングでよっさんの肩を掴み強引にこちらへ向けた
「なっなんやほんま!」
「よっさん!アホちゃうか!あのキモイの…ウスター!あいつ正気の沙汰とちゃうで!管理能力皆無か!?」
言いたい事聞きたい事が多すぎて早口でまくし立てる。
ちゃう、そんなん聞きたかったんやないんや
「どうしたんや…1回深呼吸せえ、それから話せ」
「…あのなよっさんのお喋り聞いてる途中色々聞かれたんやけどな。今日よっさんちに泊まってたんか言われたわ」
それで?と言いたげに片眉上げた
再度深く深呼吸して、落ち着いてるよっさんを見てると自然と自分も落ち着いて話が出来た
「同じ匂いがするからって…。よっさんあいつ毎回よっさんの事匂っててんで?それ知っててなんで容認してんねん。つーかあいつよっさんの事好きやろ絶対。」
一言、言葉を零す度に少しずつ距離を縮めていたのか気付けばすぐ側によっさんの胸板があった。
「…やからなんや。ウスターが俺の事好いてくれとんは知っとる。やけ1回断っとんねや。俺が、ウスターが、木元が。誰が誰を好きやろうが関係ないやろ?まぁ匂いに関してはちょっと言うけどな」
落胆、そんな感情が強い。
確かに僕には関係ない事やなぁと思った。
なんで僕はそれにこんなに焦ってるんやろうか。
セックスマジックがまだかかってんのか。
目の前にあった胸板に擦り寄る。
自分と同じ香りがした。甘い金木犀の香り。
「すまん…僕調子悪いんかもしらん…。」
張り詰めていた緊張が口から抜ける音がして頭に大きな手のひらの感触。
ぽんぽんと軽く頭を叩かれる。
ぽん、と頭に手のひらが戻ってくる感触で少しずつ肩の力が抜けていく。
「ようわからんけど、サクッとゲームして弦やっけ?買うたらはよ家に帰ろう。」
「ほんますまん…ウスターと話してから気持ちがぐちゃぐちゃで。…俺もよう分からんねや」
「分かったて。お前僕っ子になったんちゃうかったか。俺になっとるで」
完全に忘れてた、一人称
久しぶりに『俺』と言った。
ヤンチャだった頃の『俺』が大嫌いで
ふよふよと漂ってばかりの『俺』から変わりたくて
女の子達をだまくらかして自分だけいい思いをしていた『俺』を消したくて
僕、と表現するようになったんだった。
「忘れとった…僕です…」
「もうええから、トイレ行ってステージ戻るで。ステージにウスターは居らんから。」
「はい…」
まるで金魚のフンのように
よっさんの後ろを着いてトイレに行き、顔を洗ってまた後ろを着いてウスターを避けてステージに行った。
マイクを持ってステージに上がった後は普段通りにおちゃらけてゲームが出来た、と思う。
1時間半喋りながらやったゲーム最中でウスターの事はすっかりと頭から抜けて
ありがとうございましたと言う頃にはなんでモヤモヤしていたのか、そもそもモヤモヤ自体を忘れてた
よっさんはその後もここにいろと僕をステージに残して1人挨拶に回った様だった。
僕と言えばスタッフさんから今日使用していたキャラクターのグッズをいくつか貰ってぴょんぴょん喜んでいた。
よっさんの気持ちなんか思いもしないで。
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