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31.
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モブレ(未遂)あり。
――――――――――
翌日の夕方になって連れて行かれたのは、なぜか高級娼館だった。営業時間前に貸し切っているらしい。
屋敷を出る前に男娼が着るような薄くつるつるした生地のローブを着せられ、お尻の奥に球状の何かを無理やり入れられた。親指の半分くらいの直径で、妙な弾力がある。
奥に押し込められてしまえばあまり違和感はなかった。いや、ときどき「あるな」って思うけど……どうせ碌なものじゃないから考えないようにした。
あーあ、僕の人生もここまでか。けっこう頑張ったよね?
どうせ死ぬなら、セレスに抱かれた身体のままで死にたかった。まぁ、そんな希望が叶うはずもなく……
目の前にはセレスと歳の近そうな魔法師が立っていた。しかもセレスと同じ黒髪だ。
見目はそれほど悪くないものの、橙色の瞳には嗜虐的な光がちらつき、好色そうな笑みを顔面に浮かべたさまは醜い。僕は取り繕うこともせずにしかめっ面で男を睨めつけた。
「これが今度のおもちゃか」
「えぇ、生意気そうで可愛いでしょう? 中身も綺麗なものよ。もうこの国ではなかなか手に入らないおもちゃ……報酬は弾んでくださらないと」
「まぁいいだろう。おい、お前はこっちに来い」
重そうな袋を受け取り、もう女は僕のことを一顧だにせず部屋を出ていった。
高級娼館の広い部屋には、どでかいベッドが鎮座している。そこに腰かけた魔法師の男は、僕の首についた枷の鎖を強く引き正面に膝をつかせた。
「舐めろ。歯は立てるなよ。立てたらお前の歯がなくなるだけだ」
「……」
とんだ脅し文句だが、こいつならやりそうだ。僕は心を無にして奴の下穿きから陰茎を取り出した。ぶよぶよとした肉茎。こんな奴のなんて……うう。やっぱり無理かも……
躊躇っていると容赦なく鎖を引かれ、口元に当たる。独特の酸っぱいにおいに吐き気がして目頭が熱くなる。いやだいやだいやだ! 助けて!
――でも、ここで抵抗したって誰も助けに来ないことはわかりきっていた。
僕は目を閉じてそれを口に含み、えずきそうになりながらも舐めた。男は「下手くそ」「ちゃんとしろ」などと好き勝手なことを言ってくる。噛みちぎってやろうかと思いながら、早く終わらせたくて的確に扱いてやった。
無理やりさせていることに興奮を感じる質なんだろう、無駄に太い陰茎が口いっぱいに広がる。先端ばかり刺激してイかせようとしたのを見咎められ、頭を押さえて喉の奥まで突っ込まれた。
唾液が口の脇からこぼれ落ちる。苦しくて、悔しくて……つらくて、涙で視界が歪んだ。
「ぅぐ……」
「おい、こっちを見ろ。奥で出すから、ちゃんと飲めよ」
嫌だ。きもちわるい。
目線を上げると、セレスとは似ても似つかない黒髪が見えた。両目から涙を零す僕を、男は楽しそうに見つめている。遠くでドタバタと物音がしている気がする。娼館が開店したんだろうか。
男は座ったまま、僕の頭を激しく前後させた。喉の奥に何度も亀頭を叩きつけられ、必死に吐き気を抑える。そして、ぶるっと口の中で震えたそれが膨張し、精液を出そうとしたところで……僕は咳き込んで口からペニスを吐き出してしまった。
生ぬるい白濁が顔と胸元にかかる。
「う。ゲホッ……ケホッ……」
「おい! ふざけんな、ちゃんとしろ!」
ダン! と床に蹴り倒され、頭を打ったせいで目がチカチカする。男は立ち上がって脚を引き、全力で僕を蹴り上げようとした。
――そのとき、
ドガーン!! と聞いたこともないほどすごい音をさせて、部屋の扉が吹っ飛んだ。
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翌日の夕方になって連れて行かれたのは、なぜか高級娼館だった。営業時間前に貸し切っているらしい。
屋敷を出る前に男娼が着るような薄くつるつるした生地のローブを着せられ、お尻の奥に球状の何かを無理やり入れられた。親指の半分くらいの直径で、妙な弾力がある。
奥に押し込められてしまえばあまり違和感はなかった。いや、ときどき「あるな」って思うけど……どうせ碌なものじゃないから考えないようにした。
あーあ、僕の人生もここまでか。けっこう頑張ったよね?
どうせ死ぬなら、セレスに抱かれた身体のままで死にたかった。まぁ、そんな希望が叶うはずもなく……
目の前にはセレスと歳の近そうな魔法師が立っていた。しかもセレスと同じ黒髪だ。
見目はそれほど悪くないものの、橙色の瞳には嗜虐的な光がちらつき、好色そうな笑みを顔面に浮かべたさまは醜い。僕は取り繕うこともせずにしかめっ面で男を睨めつけた。
「これが今度のおもちゃか」
「えぇ、生意気そうで可愛いでしょう? 中身も綺麗なものよ。もうこの国ではなかなか手に入らないおもちゃ……報酬は弾んでくださらないと」
「まぁいいだろう。おい、お前はこっちに来い」
重そうな袋を受け取り、もう女は僕のことを一顧だにせず部屋を出ていった。
高級娼館の広い部屋には、どでかいベッドが鎮座している。そこに腰かけた魔法師の男は、僕の首についた枷の鎖を強く引き正面に膝をつかせた。
「舐めろ。歯は立てるなよ。立てたらお前の歯がなくなるだけだ」
「……」
とんだ脅し文句だが、こいつならやりそうだ。僕は心を無にして奴の下穿きから陰茎を取り出した。ぶよぶよとした肉茎。こんな奴のなんて……うう。やっぱり無理かも……
躊躇っていると容赦なく鎖を引かれ、口元に当たる。独特の酸っぱいにおいに吐き気がして目頭が熱くなる。いやだいやだいやだ! 助けて!
――でも、ここで抵抗したって誰も助けに来ないことはわかりきっていた。
僕は目を閉じてそれを口に含み、えずきそうになりながらも舐めた。男は「下手くそ」「ちゃんとしろ」などと好き勝手なことを言ってくる。噛みちぎってやろうかと思いながら、早く終わらせたくて的確に扱いてやった。
無理やりさせていることに興奮を感じる質なんだろう、無駄に太い陰茎が口いっぱいに広がる。先端ばかり刺激してイかせようとしたのを見咎められ、頭を押さえて喉の奥まで突っ込まれた。
唾液が口の脇からこぼれ落ちる。苦しくて、悔しくて……つらくて、涙で視界が歪んだ。
「ぅぐ……」
「おい、こっちを見ろ。奥で出すから、ちゃんと飲めよ」
嫌だ。きもちわるい。
目線を上げると、セレスとは似ても似つかない黒髪が見えた。両目から涙を零す僕を、男は楽しそうに見つめている。遠くでドタバタと物音がしている気がする。娼館が開店したんだろうか。
男は座ったまま、僕の頭を激しく前後させた。喉の奥に何度も亀頭を叩きつけられ、必死に吐き気を抑える。そして、ぶるっと口の中で震えたそれが膨張し、精液を出そうとしたところで……僕は咳き込んで口からペニスを吐き出してしまった。
生ぬるい白濁が顔と胸元にかかる。
「う。ゲホッ……ケホッ……」
「おい! ふざけんな、ちゃんとしろ!」
ダン! と床に蹴り倒され、頭を打ったせいで目がチカチカする。男は立ち上がって脚を引き、全力で僕を蹴り上げようとした。
――そのとき、
ドガーン!! と聞いたこともないほどすごい音をさせて、部屋の扉が吹っ飛んだ。
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