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番外編
初夜って、いまさら 上
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あけましておめでとうございます!
新年一発目、甘~い番外編をお届けします♡
全編R18ですのでお気をつけください!笑
――――――――――
侍女のレーネさんとエオスさんが満面の笑みで白いふわふわしたものを渡してくる。僕は顔を引きつらせながらそれを受け取った。
「ウェスタ様! 初夜はこれでいきましょう!」
「え~……」
いや、初夜って……いまさら??
今日、セレスと結婚式を挙げた。形式張ったものは僕も、僕のゲストも気を遣うだろうということで、セレスと住むこの家の庭でガーデン・ウェディングを行ったのだ。
春爛漫な気候の中、青空の下、自然の緑と色とりどりの花。
セレスの家族や孤児院の家族、王宮の同僚たちがみんな笑顔でお祝いしてくれて、夢みたいな時間だった。
酔っ払ったネーレ先生が踊りだしたり、酔っ払ったポロスが泣き出したり、酔っ払ったクリュメさんが奥さん自慢を延々と語りだしたり……ねぇ、みんなお酒飲み過ぎじゃない?
子どもたちはキャッキャと庭を走り回り、僕の頭にシロツメクサの花冠を乗せる。アステリア王女は一見お淑やかに進行を見守り、国王様がお忍びで訪れてセレスに追い返されたりしていた。
みんな自由すぎる。けれどこのリラックスした雰囲気がよくて、あまり自分から話したがらないセレスも、ゲストと自然に会話できていたように思う。
僕もたくさん食べて、飲んで、この幸せにくらくらするくらい酔っていた。だって、こんなこと信じられる?
今日から正式にセレスと家族になったのだ。それを認めて、心から祝ってくれている人たちがこんなにもいる。それを改めて実感するたびに目が潤んだけど、ぐっと我慢した。
ちなみに僕は白のタキシード、セレスは黒のタキシードを着ていた。お義母さんのキュオネさんは、最後まで「ドレスにしないの……?」と赤い瞳で見つめてくるもんだから僕はたじたじだった。
僕はどこからどう見ても男だ。ドレスなんて絶っっ対、似合わない。
――そう思っていたのに。
湯浴みを終え、いつも以上に念入りに磨き立てられた僕は、受け取った白いふわふわを前に頭を抱えた。手に持って広げてみるとわかる。それは、白い……ドレス風の夜着だった。
(ねぇっ、なんでみんな僕にドレス着せようとするの~~!?)
以前、なかなか手を出してこないセレスを誘うために着たベビードールと似て、下に向かってふわりと広がるデザイン。白いシルクの生地は透けてはいないものの、驚くほど軽く触り心地がいい。
襟ぐりは広いがちゃんと袖があって、丈は膝が隠れるほど長い。意外に上品なデザインだなぁと感心していた僕は、おあつらえ向きにガーター付きのストッキングまで用意されていることに気づいて、ひとりで遠い目になった。
着るけど。着るけどさぁっ……。セレスが喜ぶかどうかは、また別じゃないかと思うのだ。
ガーデンパーティーは暗くなる前に終わり、僕はセレスのご両親とお茶だけして、その後は部屋で少し休ませてもらって今に至る。
自分の家だからまだマシなんだろうけど、慣れない一日で身体はくたくたに疲れている。
「セレス、まだかなぁ」
就寝の準備のために一旦別れただけなのに、もう会いたい。今日はずっと一緒だったはずなのに、ふたりきりで過ごす時間がすでに恋しかった。
ベッドの上でぱたんと横になる。初夜かぁ。今日はどんな夜になるだろうか。今さら、特別なことなんてないと思うけれど……期待と緊張が胸の中で混ざり合って跳ねるのを感じながら、僕は目を閉じた。
「んっ……ぁん……!」
え、僕えっちな夢を見てる? 欲求不満……だったっけ? ペニスが温かいものに包まれて、気持ちいい。
今週はセレスが結婚休暇を獲得するため、毎日遅くまで働いていた。だからセックスはしばらくお預けだったのだ。溜まってるというより、素肌を触れ合わせているときに感じる温かさと多幸感。それを求めていた。もちろん、こういう直接的なものもいい、けど……っ!
あ~~~きもちよすぎる。夢の中だし、僕は素直に腰を浮かせてしまった。ああ、後ろにも刺激がほしい。そんなことを考えていると、都合のいい夢はペニスへの刺激を一旦止めて僕の後孔をつつく。
あっ、でもだめ! そこは……セレスだけの……
「だめぇ!」
自分の叫び声に驚いて目覚める。僕はいつものベッドの上だった。セレスを待ってる間に寝ちゃってたのか。なんかすごい夢見ちゃったなぁ……なんてぽけっと考えていたとき、にゅ、とお尻に何かが侵入した。
「あんっ。え! ちょっと……あ、はぁっ、……セレス!?」
新年一発目、甘~い番外編をお届けします♡
全編R18ですのでお気をつけください!笑
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侍女のレーネさんとエオスさんが満面の笑みで白いふわふわしたものを渡してくる。僕は顔を引きつらせながらそれを受け取った。
「ウェスタ様! 初夜はこれでいきましょう!」
「え~……」
いや、初夜って……いまさら??
今日、セレスと結婚式を挙げた。形式張ったものは僕も、僕のゲストも気を遣うだろうということで、セレスと住むこの家の庭でガーデン・ウェディングを行ったのだ。
春爛漫な気候の中、青空の下、自然の緑と色とりどりの花。
セレスの家族や孤児院の家族、王宮の同僚たちがみんな笑顔でお祝いしてくれて、夢みたいな時間だった。
酔っ払ったネーレ先生が踊りだしたり、酔っ払ったポロスが泣き出したり、酔っ払ったクリュメさんが奥さん自慢を延々と語りだしたり……ねぇ、みんなお酒飲み過ぎじゃない?
子どもたちはキャッキャと庭を走り回り、僕の頭にシロツメクサの花冠を乗せる。アステリア王女は一見お淑やかに進行を見守り、国王様がお忍びで訪れてセレスに追い返されたりしていた。
みんな自由すぎる。けれどこのリラックスした雰囲気がよくて、あまり自分から話したがらないセレスも、ゲストと自然に会話できていたように思う。
僕もたくさん食べて、飲んで、この幸せにくらくらするくらい酔っていた。だって、こんなこと信じられる?
今日から正式にセレスと家族になったのだ。それを認めて、心から祝ってくれている人たちがこんなにもいる。それを改めて実感するたびに目が潤んだけど、ぐっと我慢した。
ちなみに僕は白のタキシード、セレスは黒のタキシードを着ていた。お義母さんのキュオネさんは、最後まで「ドレスにしないの……?」と赤い瞳で見つめてくるもんだから僕はたじたじだった。
僕はどこからどう見ても男だ。ドレスなんて絶っっ対、似合わない。
――そう思っていたのに。
湯浴みを終え、いつも以上に念入りに磨き立てられた僕は、受け取った白いふわふわを前に頭を抱えた。手に持って広げてみるとわかる。それは、白い……ドレス風の夜着だった。
(ねぇっ、なんでみんな僕にドレス着せようとするの~~!?)
以前、なかなか手を出してこないセレスを誘うために着たベビードールと似て、下に向かってふわりと広がるデザイン。白いシルクの生地は透けてはいないものの、驚くほど軽く触り心地がいい。
襟ぐりは広いがちゃんと袖があって、丈は膝が隠れるほど長い。意外に上品なデザインだなぁと感心していた僕は、おあつらえ向きにガーター付きのストッキングまで用意されていることに気づいて、ひとりで遠い目になった。
着るけど。着るけどさぁっ……。セレスが喜ぶかどうかは、また別じゃないかと思うのだ。
ガーデンパーティーは暗くなる前に終わり、僕はセレスのご両親とお茶だけして、その後は部屋で少し休ませてもらって今に至る。
自分の家だからまだマシなんだろうけど、慣れない一日で身体はくたくたに疲れている。
「セレス、まだかなぁ」
就寝の準備のために一旦別れただけなのに、もう会いたい。今日はずっと一緒だったはずなのに、ふたりきりで過ごす時間がすでに恋しかった。
ベッドの上でぱたんと横になる。初夜かぁ。今日はどんな夜になるだろうか。今さら、特別なことなんてないと思うけれど……期待と緊張が胸の中で混ざり合って跳ねるのを感じながら、僕は目を閉じた。
「んっ……ぁん……!」
え、僕えっちな夢を見てる? 欲求不満……だったっけ? ペニスが温かいものに包まれて、気持ちいい。
今週はセレスが結婚休暇を獲得するため、毎日遅くまで働いていた。だからセックスはしばらくお預けだったのだ。溜まってるというより、素肌を触れ合わせているときに感じる温かさと多幸感。それを求めていた。もちろん、こういう直接的なものもいい、けど……っ!
あ~~~きもちよすぎる。夢の中だし、僕は素直に腰を浮かせてしまった。ああ、後ろにも刺激がほしい。そんなことを考えていると、都合のいい夢はペニスへの刺激を一旦止めて僕の後孔をつつく。
あっ、でもだめ! そこは……セレスだけの……
「だめぇ!」
自分の叫び声に驚いて目覚める。僕はいつものベッドの上だった。セレスを待ってる間に寝ちゃってたのか。なんかすごい夢見ちゃったなぁ……なんてぽけっと考えていたとき、にゅ、とお尻に何かが侵入した。
「あんっ。え! ちょっと……あ、はぁっ、……セレス!?」
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