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しおりを挟む「ただ閉じ込めたいだけかと思ってたけど、やっぱり変態趣味じゃん?」
「こっ、これは想定外だ! シュエが妖艶すぎるのが悪い」
「……ふーん? じゃあこのままシてもいいよって言ったら、どうする?」
「ッ!!」
赤かった顔がさらに血の色を濃くした。鼻血でも出すんじゃないかと心配になっていると、グラースは息を切らして声を張り上げた。
「なんで! お前は……そうっ、変態なんだ!!」
「はぁ~? こっちのセリフだし。好きな人拘束してエロい服着せて興奮してるのはグラースでしょ?」
「お前がっ、俺を、乱すんだ!」
「んぅ……!」
ぶつかる勢いで唇を重ねられ、呼吸を奪うようなキスをされる。技巧なんてなく、シュエの赤い唇を食べ尽くそうとするみたいに舐め、吸われ、食んでくる。
そのあいだにシュエをもう一度抱きしめ、輪郭を確かめるように熱い手が這わされた。薄いシルク越しに、手の感覚は鮮明に伝わってくる。
カッと身体が熱くなり、鼻に抜けた甘い声が洩れる。身体の力が抜け仰向けに倒れると、グラースはぶつけないよう頭の後ろを手で支えてくれた。
(こういうところが……好きなんだよなぁ)
口論しても酒を切らしそうになったら注文してくれたり、過去にやらかした男と出くわしそうになったら大きな身体で衝立になってくれたり。
シュエが泥酔して家に送ってくれたときもそうだ。記憶も曖昧だけれど、家までゆっくり歩いて優しく寝台に下ろし、水差しを枕元に置いて帰っていった。
シュエのことを好きだったというのもあるだろうが、根本的にグラースは善人で紳士なのだ。平民出身とはいえ将来有望な騎士で、見目も悪くない。
貴族には明るい髪色が多いがこれほど綺麗なプラチナブロンドは滅多におらず、羨ましがられているんじゃなかろうか。強面ばかりの騎士の中では柔和な顔立ちをしているし、絶対に、女性からも人気がある。
ネグリジェのボタンを外しにかかっているグラースを見上げ、シュエは切ない気持ちを押し隠そうとからかいを口にした。
「グラースって、なんで僕なの? 女性だっていけそうなのに」
「さぁな。この新雪みたいに真っ白な肌を踏み荒らしたかったのかもしれないし」
「ふ、あっ……」
「唇と同じ薔薇色の胸を摘んでみたかったのかもしれない」
「あ、あんっ!」
グラースは露わになったシュエの上半身に手を這わせ、唇で辿った。興奮でつんと尖った乳嘴を指先で転がされると、背が浮くほどに感じてしまう。
「それに……憎まれ口ばかり叩く唇から、目を離せなかった」
「んもう、要するに見た目が好みってこと? あっ、だめ……!」
寝そべり、シュエの唇を優しく奪ったグラースは、下履きに手をかけてくる。腰元の紐を解けば、あっさりと全てを晒す格好になってしまった。
興奮を示した中心がもたげている。よく見知った相手に見られるだけで、滅多に感じない恥じらいまでもが生まれ、シュエは頬を染めて顔を逸らした。
「シュエ、綺麗だ。もちろん……見た目だけじゃない」
「えっ……いや、待って。ああっ――!」
グラースが足元まで移動し、白い脚の間に身体を据える。焦って抵抗するも枷に阻まれ、シュエの目の前で屹立はグラースの口の中に吸い込まれていった。
シュエはこれまで、性行為では主導権を握ることが多かった。それは手酷く扱われて怪我などしないよう身を守るためでもあったし、さっさと終わらせて家に帰りたいと思っていたからでもある。
セックスは好きだが、他人と寝るのは好きじゃない。そもそも二人で朝までぐっすりと寝たことだって、グラースが初めてだったのだ。
だから、手も使えない状態で快感だけを受け取るなんて慣れてない。肌の隅々まで触れる丁寧な愛撫は、自分でも知らなかった性感まで呼び起こし、びくびくと身体を跳ねさせてしまう。
グラースは花芯を舌でなぶりながらシュエの脚を撫で上げ、付け根をくすぐる。期待で後孔が震えているのが、見えなくてもわかった。
「んんぅ……あっ、グラース。そこ、触って……」
唾液と先走りの混じり合ったものが、陰嚢を、会陰を伝って流れている。グラースは指先でそれを掬い、ひくひくと蠢く蕾に塗りつけた。
表面に触れただけでも、痺れるような快感が腰に向かって流れる。早く、早く欲しくて堪らない。
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