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しおりを挟む痺れるような幸福感に包まれ、声も出せずにネージュはイデアルの体に身を預ける。肚の中はイデアルの子種でいっぱいだ。
ようやく少し体積を減少させたイデアルが分身を抜こうとしたが、ネージュは「待って」と止める。意味は……ないんだけど。
「発情期だったら、今ので子ども、できたかな」
「……は?」
オメガでも年齢を重ねるほど子はできにくくなると聞くが、ネージュはこれまでの発情期も念のため避妊薬を服用していた。これからはそれも飲まないつもりだから、可能性はゼロではない。
寝耳に水、みたいな反応をしたイデアルに疑問を感じて、ネージュはヴェリテにお願いされた内容を伝える。聞いたイデアルは瞠目してからチッと舌打ちした。
「兄上もあいつも、余計なことを……。ネージュ、ここだけの話だが……数か月前に義姉上の妊娠がわかった」
「ええっ。それは……よかったね?」
「ああ。だから、その……作らなければなどと考えなくていい。男児かはわからないが、俺は兄たちに任せようと思ってる」
「はへ~……わかった」
ホッとしたような、拍子抜けしたような心地でネージュは息を吐きだした。その中に混じるのは、ほんの少しの寂寥感。ネージュはもしかしたら、自分が望んでいたのかもしれない。
「私……自分の家族がほしかったのかなぁ。ちょっと期待しちゃって、今のは言い訳にしてただけなのかも」
「っ……!」
ネージュが切なげに微笑んで腹を撫でると、まだ埋まったままの楔がぐっと膨らんだ。え、と目を丸くして見上げれば、イデアルはネージュの腹を見ながら耳たぶを赤く染めている。
「くそ、可愛いこと言うなよ。そんなの欲しくなるだろ」
「え……んむっ」
乱暴にキスされて、性急に舌を差し込まれるとまた興奮に灯が点りだす。身じろぐと繋がった場所から水気のある音が立って、一気に寝台の上はいやらしい雰囲気を取り戻していく。
明日は仕事なんじゃないかとか色々と頭によぎったけれど、そんなことすぐにどうでも良くなった。
空が白み始めてネージュが気を失うように眠ってしまうまで、何度も、繋がったまま口づけをした。
いつもと違う方向から照らしてくる朝の陽光に起こされ、ネージュは満たされた気持ちで目覚めた。起きたときも隣に体温のあることが、こんなにも幸福だなんて。
イデアルは寝坊で怒られたり、初夜はどうだったとイジられたり、その日は散々だったらしい。短い睡眠時間で大丈夫かと心配していたが、帰ってきても肌が艶々していたから大丈夫そうだ。若いっていいな。
ネージュは部屋を片付けてみたり、久しぶりに自分でシーツを洗濯してみたり、なんだか奥さんみたいだと思える一日を過ごして楽しかったと報告した。
「楽しかったならいいけど……ネージュは自分が王子だってこと、忘れてないか? 屋敷を買ったら使用人も用意するからな?」
「屋敷? 使用人?」
忘れるどころか実感もまだなのだが。慎みよりも、王子とか公爵家の感覚というものを、イデアルから教えてもらわないといけないらしい。
(代わりに、夜の楽しみ方は私が教えてあげようっと)
その夜、ネージュはひとつだけイデアルにおねだりをした。
「自分用のリュートを買いたいと思って……次の休みの日、楽器店に付き合ってくれる?」
目を輝かせて頷いたイデアルへ、お礼の代わりに口づけをする。これからは、歌だけじゃなく演奏も練習したい。
ネージュに愛を信じさせてくれた人に、遠い異国の唄を届けるために。
――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
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ありがとうございます!
生まれも育ちも対照的な二人ですが、意外と相性は良いようです💓
騎士仲間元気でかわいいですよね😂
誰も知らない子守歌が伏線となっていました。雪国でも外で赤ちゃんを日光浴させるのは北欧の習慣をヒントにしています!
最高でしたーーーーーーー!!!!♥️😍
ありがとうございます!!
最高と言っていただけて嬉しいーーー!
こちらこそ読んでいただきありがとうございました🩷
今回は男娼というBLではありがちな設定ですが、初めて書けて大満足でした!
ネージュのことをとても気に入っていただけて嬉しいです💓確かに一人称「私」は初めてかも?色っぽいですよね☺️
ラブシーンはえちえちになりました!独特な表現方法でしたね😂
お子がどうなるかはわかりませんが、ラブの頻度が高いのは間違いないですね!!
並走いただきありがとうございました!