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#1 星屑たち
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「五年前、この戦争は始まりました。テロリスト集団KILLERS(キラーズ)のロンドン襲撃での宣戦布告により世界で大規模な戦争へと発展し、各国にいるキラーズは戦闘を開始し、各国は大きな被害を受けました。それが今までも続いているのです。これからの国連の対応が______」
クリストフ・ブッチャーはテレビの電源を切り、荒々しくリモコンをテーブルに叩きつけた。
「こっちの気持ちにもなれってんだ」
足音が近づいてくる。
「なんだ、独り言か?珍しいな」
話しかけてくるのは、同じ部隊のマイケル・ウェルソン。クリストフはソファーに座りながら机の上のグラスに入った酒を一口飲む。
「別にいいだろ、俺は寝る。酔いが回ってきた」
「ほんとにお前は酒に弱いな。弱いくせして酒を飲もうとするんだからな。おもしろいやつだ」
マイケルは机の上のグラスを手に取り酒を飲み干す。
ソファーから立ち上がって自室へと歩く。クラクラする。頭が痛い。早く寝よう。自室へ着くと作業服のままベッドに飛び込む。目が勝手に閉じる。
警報の音がなる。飛び起きてドッグへ向かう。廊下のランプは赤く光っている。
ドッグにつくと3番隊の全員がそろっていた。
「なにが起きたんだ」
息を切らしながら聞く。
「緊急招集だ、この基地近くに領空侵犯をした小型戦闘機編隊がいる。ここへの攻撃をもあり得るため、迎撃に迎えとのことだ。」
とマイケルは言う。
「機体の整備をしてすぐに出撃してくれ」
3番隊の全員は指揮官に敬礼をして、了解と答える。
「こちら3-1。機体、オールグリーン。異常なし。ファイア所属、第3番隊、1番機出撃する」
「了解。出撃シーケンス開始」
1番機は自走が可能であるため、滑走路までゆっくりと進む。
「グッドラック」
出力をあげ、機首もあげる。機体は上昇。滑走路を離れる。1番機に続いて2番機、それに続き3番機、順調に出撃している。それをコクピットから目視で確認できた。
かなり高度の高いとこまで来た。機体を水平にして安定させる。ここから空路で約15分。退屈だ。
「今から戦争しに行くと会うとは思えないくらい綺麗な空だな。クリス、情報共有システムをオンにしておけよ。敵さん見えたらすぐわかるようにな」
「あぁ分かってる。これは全機とも言えることだ。オンにしておけ」
「了解。」
と3番機。
「マイケルさん、いつもみたいにクリストフさんとおしゃべりばっかしないでくださいよ?今日は訓練じゃないんですから」
と4番機のミッチェルが言う。
「ミッチェル、さすがに今日はしないぜ。おしゃべりより命のほうが大切だしな」
「そんなに俺らは喋っていたか?これからは気をつけるようにする。マイケルもだ」
「はいよ」
編隊飛行のまま目的地に向かう。敵の姿はまだ見えない。レーダーには反応あり。
「レーダー見てるか、お前ら。敵さんのいる方を注意しとけよ」
マイケルは力強く言った。
3番機のコクピット内に電子音がなり、3番機は右にロール。編隊から外れる。
「3番機!焦るな!」
3番機の応答がない。クリストフは不思議に思い、機体をロールさせ、編隊から離脱した。
「クリス!どーした!」
「3番機があぶない…」
3番機はロールした後、急降下し、雲を貫くのをクリストフは目視していた。それを追うように雲を抜けていく。急降下によって機体は傾きながら落ちていく。3番機は雲を抜けてすぐで水平に機体をを保つ。Gに耐えながらクリストフも機体を水平にする。雲の下は暗く、重たい雰囲気がする。
3番機にコンタクトを試みる。
「3番機!応答しろ!何があった!」
応答はなし。メインディスプレイには通信はオンになっている。
「どうなってるんだ…」
『3番機はどうなった』
ディスプレイの"no.2"の文字が反応する。
「今、3番機の後ろについてる。3番機は逃げる様子もないな。なにを考えてる?」
『さぁな。だが3番機が今向かっている先には今回の獲物がいるぞ』
「3番機はこっちに国籍不明機がいるってわかっていたというのか…?」
『いや、それはないだろう。そのデータが送られてきたのはお前たちが急降下した後だ』
クリストフは驚きと少しの恐怖でしばらく黙る。3番機はなにを考えているのかが分からなかった。その不明さに恐怖していた。
「俺はこのまま国籍不明機に接近する。マイケルたちは高高度からの奇襲を心見てくれ」
『了解』
送られてきたマップデータを元に到着時間を換算。メインディスプレイに約30秒で着くという表示がされる。
3番機はいたって変化はない。それよりも今から接触する国籍不明機のことを考えていた。
テロリストがテロ行為に航空機を使うようになったが、最近はどこからか盗んできた航空兵器ではない物が多い。ようするに、自分たちで開発をし、造っているということだ。そこまでの財力、技術をどこで手に入れたかは不明だ。テロリストとの技術戦争でもしようものなら世界はもっとひどくなる…
__________そのようなことを考えているうちに敵が見えてくる。三角形型の編隊を5機で組んで飛んでいる。敵の戦闘機の尾翼にはドクロマークが刻まれていた。そして3番機はそれらの後をゆっくりと付いていく。
「こちら3-1。国籍不明機に接触。マイケル、司令部、聞こえるか。敵は5機だ。3番機は未だ応答はない」
「こちら3-2。クリス、こっちの準備はできてる。合図をくれ」
「こちら3-4。こっちもokです」
突然、3番機が敵編隊を抜け、前に出る。1番機のメインディスプレイに3番機がロックされたことを告げる電子音がする。
「こちら3-1。3番機が動いた。マップデータ通りだ。ロックされている。こちらも攻撃を________」
目の前に閃光が走る。クリストフは思わず目を隠す。コクピット内には電子音が鳴る。ロストを知らせる警報だ。目を開けると前にいたはずの敵編隊がいない。
「雲の中か…!」
マップデータを確認しながら機体を急上昇。敵は5機、動いている。上だ。広がりながら動く。このままだと雲の上で待機しているマイケルとミッチェルが危ない。
「2番機、4番機! そこから離脱!一回逃げるんだ!」
雲の中、ほぼなにも見えない状況で頼りなのはこの愛機だ。一機発見。ロックオン。自動追尾ホーミングミサイル、2発発射。ミサイルが左翼から飛んでいき、雲の中に消える。
爆発の閃光が見えた。メインディスプレイには #1miss #2hit と表示。2発目は当たった。あの閃光は落としたのだと確信する。
「2番機、4番機!聞こえていないのか!マイケル!ミッチェル!」
応答がない。マップデータには2機がしっかりと映っている。
雲を抜け、空へ出る。そこには2機の姿がなかった。
雲上のさらに上で編隊を組んで敵機が飛んでいる。4機だ。
「マイケル…ミッチェル…」
涙が出てくる。仲間を失ったことへの悲しみ、救えなかった無力さ、伝えることができなかった悔しさ、奴らへの怒り。
メインディスプレイのno2、no4のところにはlostの文字が点滅していた。
ドクロの戦闘機編隊。ほんの10秒ほどで2機を落とした。クリストフはそれをまるで死神のようだと思った。
クリストフ・ブッチャーはテレビの電源を切り、荒々しくリモコンをテーブルに叩きつけた。
「こっちの気持ちにもなれってんだ」
足音が近づいてくる。
「なんだ、独り言か?珍しいな」
話しかけてくるのは、同じ部隊のマイケル・ウェルソン。クリストフはソファーに座りながら机の上のグラスに入った酒を一口飲む。
「別にいいだろ、俺は寝る。酔いが回ってきた」
「ほんとにお前は酒に弱いな。弱いくせして酒を飲もうとするんだからな。おもしろいやつだ」
マイケルは机の上のグラスを手に取り酒を飲み干す。
ソファーから立ち上がって自室へと歩く。クラクラする。頭が痛い。早く寝よう。自室へ着くと作業服のままベッドに飛び込む。目が勝手に閉じる。
警報の音がなる。飛び起きてドッグへ向かう。廊下のランプは赤く光っている。
ドッグにつくと3番隊の全員がそろっていた。
「なにが起きたんだ」
息を切らしながら聞く。
「緊急招集だ、この基地近くに領空侵犯をした小型戦闘機編隊がいる。ここへの攻撃をもあり得るため、迎撃に迎えとのことだ。」
とマイケルは言う。
「機体の整備をしてすぐに出撃してくれ」
3番隊の全員は指揮官に敬礼をして、了解と答える。
「こちら3-1。機体、オールグリーン。異常なし。ファイア所属、第3番隊、1番機出撃する」
「了解。出撃シーケンス開始」
1番機は自走が可能であるため、滑走路までゆっくりと進む。
「グッドラック」
出力をあげ、機首もあげる。機体は上昇。滑走路を離れる。1番機に続いて2番機、それに続き3番機、順調に出撃している。それをコクピットから目視で確認できた。
かなり高度の高いとこまで来た。機体を水平にして安定させる。ここから空路で約15分。退屈だ。
「今から戦争しに行くと会うとは思えないくらい綺麗な空だな。クリス、情報共有システムをオンにしておけよ。敵さん見えたらすぐわかるようにな」
「あぁ分かってる。これは全機とも言えることだ。オンにしておけ」
「了解。」
と3番機。
「マイケルさん、いつもみたいにクリストフさんとおしゃべりばっかしないでくださいよ?今日は訓練じゃないんですから」
と4番機のミッチェルが言う。
「ミッチェル、さすがに今日はしないぜ。おしゃべりより命のほうが大切だしな」
「そんなに俺らは喋っていたか?これからは気をつけるようにする。マイケルもだ」
「はいよ」
編隊飛行のまま目的地に向かう。敵の姿はまだ見えない。レーダーには反応あり。
「レーダー見てるか、お前ら。敵さんのいる方を注意しとけよ」
マイケルは力強く言った。
3番機のコクピット内に電子音がなり、3番機は右にロール。編隊から外れる。
「3番機!焦るな!」
3番機の応答がない。クリストフは不思議に思い、機体をロールさせ、編隊から離脱した。
「クリス!どーした!」
「3番機があぶない…」
3番機はロールした後、急降下し、雲を貫くのをクリストフは目視していた。それを追うように雲を抜けていく。急降下によって機体は傾きながら落ちていく。3番機は雲を抜けてすぐで水平に機体をを保つ。Gに耐えながらクリストフも機体を水平にする。雲の下は暗く、重たい雰囲気がする。
3番機にコンタクトを試みる。
「3番機!応答しろ!何があった!」
応答はなし。メインディスプレイには通信はオンになっている。
「どうなってるんだ…」
『3番機はどうなった』
ディスプレイの"no.2"の文字が反応する。
「今、3番機の後ろについてる。3番機は逃げる様子もないな。なにを考えてる?」
『さぁな。だが3番機が今向かっている先には今回の獲物がいるぞ』
「3番機はこっちに国籍不明機がいるってわかっていたというのか…?」
『いや、それはないだろう。そのデータが送られてきたのはお前たちが急降下した後だ』
クリストフは驚きと少しの恐怖でしばらく黙る。3番機はなにを考えているのかが分からなかった。その不明さに恐怖していた。
「俺はこのまま国籍不明機に接近する。マイケルたちは高高度からの奇襲を心見てくれ」
『了解』
送られてきたマップデータを元に到着時間を換算。メインディスプレイに約30秒で着くという表示がされる。
3番機はいたって変化はない。それよりも今から接触する国籍不明機のことを考えていた。
テロリストがテロ行為に航空機を使うようになったが、最近はどこからか盗んできた航空兵器ではない物が多い。ようするに、自分たちで開発をし、造っているということだ。そこまでの財力、技術をどこで手に入れたかは不明だ。テロリストとの技術戦争でもしようものなら世界はもっとひどくなる…
__________そのようなことを考えているうちに敵が見えてくる。三角形型の編隊を5機で組んで飛んでいる。敵の戦闘機の尾翼にはドクロマークが刻まれていた。そして3番機はそれらの後をゆっくりと付いていく。
「こちら3-1。国籍不明機に接触。マイケル、司令部、聞こえるか。敵は5機だ。3番機は未だ応答はない」
「こちら3-2。クリス、こっちの準備はできてる。合図をくれ」
「こちら3-4。こっちもokです」
突然、3番機が敵編隊を抜け、前に出る。1番機のメインディスプレイに3番機がロックされたことを告げる電子音がする。
「こちら3-1。3番機が動いた。マップデータ通りだ。ロックされている。こちらも攻撃を________」
目の前に閃光が走る。クリストフは思わず目を隠す。コクピット内には電子音が鳴る。ロストを知らせる警報だ。目を開けると前にいたはずの敵編隊がいない。
「雲の中か…!」
マップデータを確認しながら機体を急上昇。敵は5機、動いている。上だ。広がりながら動く。このままだと雲の上で待機しているマイケルとミッチェルが危ない。
「2番機、4番機! そこから離脱!一回逃げるんだ!」
雲の中、ほぼなにも見えない状況で頼りなのはこの愛機だ。一機発見。ロックオン。自動追尾ホーミングミサイル、2発発射。ミサイルが左翼から飛んでいき、雲の中に消える。
爆発の閃光が見えた。メインディスプレイには #1miss #2hit と表示。2発目は当たった。あの閃光は落としたのだと確信する。
「2番機、4番機!聞こえていないのか!マイケル!ミッチェル!」
応答がない。マップデータには2機がしっかりと映っている。
雲を抜け、空へ出る。そこには2機の姿がなかった。
雲上のさらに上で編隊を組んで敵機が飛んでいる。4機だ。
「マイケル…ミッチェル…」
涙が出てくる。仲間を失ったことへの悲しみ、救えなかった無力さ、伝えることができなかった悔しさ、奴らへの怒り。
メインディスプレイのno2、no4のところにはlostの文字が点滅していた。
ドクロの戦闘機編隊。ほんの10秒ほどで2機を落とした。クリストフはそれをまるで死神のようだと思った。
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