天使໒꒱と悪魔Ψ-Angeli e Demoni-

黒水晶∴

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交錯する想い…

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不思議な感情を憶えながら部屋へ戻ろうとすると、 ARISA‪໒꒱が大量の書籍を抱えて現れた。

「どうした、 大荷物だな…?」

大量の書籍の横からひょっこりと顔を出した
ARISA‪໒꒱が

「あっ、MORION∴Ψさん(笑)」

大量の書籍に押し潰されそうになり、
ヨロヨロしながら挨拶してきた。

その可愛らしさと面白さに思わず笑みがこぼれたが
彼女を支え、上にある書籍を幾つか持った。

「そんな、悪いですよ…」 

申し訳なさそうにするARISA‪໒꒱であったが、 

「良いから、運ぶぞ…?何処に行けば良い?」

俺の言葉に彼女も折れたのか

「しょ、食堂まで…」

と申し訳なさそうに答えた。

食堂に着き、一旦テーブルに書籍の山を下ろした。

「ふう…随分と大量だったな。
行き先が食堂という事は料理に関する本
なのか…?」

一息付きながら質問した俺に、

「有難う御座いました、 MORION∴Ψさん(笑)
えぇ、そうですよ。」

何ページかめくると、 そこには世界中の
ありとあらゆる料理や飲み物のレシピが
事細かに記されていた。
料理が得意と思った事はないが、嫌いじゃない。
どちらかと言えば食べる専門の俺だが、
その膨大な資料に釘付けになった。

「ふふっ、料理お好きなんですか…?」

微笑みながらARISAが問いかけた。

「あぁ…まぁ人並みにはするかな。 ARISA‪໒꒱は?」

「私もまぁ、人並みですね(笑)」

そんな話をしていたが、流石に喉が渇いたので

「何か飲むか…?」

と提案すると、

「あぁ、私がやりますよ、 
手伝ってくれた御礼です!」

と傍に来た。

「良いよ、 部屋に案内してくれたし、一宿一飯の恩をこんな形だが返させて欲しい。」

と互いに譲らなかったが、ふと気が付いた。

「分かった、互いの分を互いで淹れよう…」 

変な提案をしたかと思ったが、 ARISA‪໒꒱は

「はい(笑)!」

と変わらぬ笑顔で答えた。

本棚へと本を戻した後、 俺はアイスコーヒー、
ARISA‪໒꒱はアイスレモネードを飲むと決まり、
互いに用意を始めた。

俺は蜂蜜とクエン酸を丁寧に混ぜ合わせ、
少し炭酸水を加えてさっぱりと仕上げ、
ミントを添えた。
ARISA‪໒꒱はコーヒーミルを息を切らして
顔を真っ赤にしながら力一杯ブラジル豆を挽き、
ハンドドリップで丁寧に珈琲を淹れた。

テーブルに飲み物を置いた時、

「あっ!」

っとARISA‪໒꒱が声を上げた。

『お茶菓子、 いりますよね…?」

と伺う様な視線を向けてきた。

申し訳なくて

「俺は別に…」

と断ったが、その答えを言い終わる前に
彼女はそそくさと冷蔵庫から
ミルククッキーを取り出し、 お皿に出した。

「私の自信作です、どうぞ(笑)」

と勧められたので一口。

その瞬間に俺は、何とも懐かしい、 
幼き日に食べた母の味を思い出した···

「どうですか…?」

質問してきた彼女に対して俺は

「美味い、 とても…」

と喉の奥から声を絞り出した…

少し荒い歯触りで優しいミルクの香りと
深みある後味が特徴的だった母のミルククッキー。
それをまたこうして食べられる事になるとは
思ってもみなかった…

今にも一筋の涙を流しそうになっている俺を見て 

「えっ!?そんなに美味しくなかったですか!?
ごめんなさい!」

とクッキーを下げようとしたが、
俺はその手を握り、

「そうじゃない、美味し過ぎて泣きそうなんだ…」

と彼女を止めた。

「そうなんですか、 良かった…(笑)」

とARISA‪໒꒱が安堵したのも束の間、

「あの…MORION∴Ψさん…」

「ん...?」

「その、手を…」

あまりの感動に気付かなかった、
俺はARISA‪໒꒱の手を握り締め、
離していなかった事に…
申し訳なさそうに手を離すと、
彼女は恥ずかしそうに 手を引き、 眩しい笑顔で

「さぁ、食べましょ(笑)」

と誘ってくれた。

「あっ、ああ…」

申し訳なさそうに渋々食べ始め、
彼女の淹れてくれたアイスコーヒーを一口…
少し味は薄いが、今はこれ位が調度良い···
ブラジル豆の奥深くしっかりとした味わいと
鼻に抜ける爽やかな風味がミルククッキーと
よく合う。

「レモネード、どうだ…?」

少し伺う様な視線でARISA‪໒꒱に尋ねると、

「美味しいです(笑)有難う御座います(笑)!」

と、屈託のない笑顔で答えてくれた。

その日はもう遅かったので部屋に戻ろうとした時、 ARISA‪໒꒱に呼び止められた。

「あの、 MORION∴Ψさん!」

振り返ると、彼女はこう問い掛けてきた。

「また、お茶してくれますか…?」

答えを聞くのが怖い、
でも自身の気持ちに正直になった、 
そんな真っ直ぐな瞳を俺に向けて来た
彼女に対する答えは

「当たり前だろ。 また、誘ってくれ…
それと、今度からMORION∴Ψで良いぞ…?」

これが精一杯だったが、 彼女の満面の笑みと
底抜けに明るい返事が、
俺の気持ちが伝わった何よりの証拠だ…

「は、はい(笑)!」

翌日、 散歩がてら館の周りを歩いていると、 
外のテラスに腰掛けている
ARISA‪໒꒱の姿を見掛けた。

「何してるんだ、こんな所で…?」

「あっ、 MORION∴Ψ、さん…」

余程集中していたのか、彼女は驚いた顔で
目を丸くさせてこちらを見た。
その彼女の手元には一冊の本が…

「悪い、 読書中だったか…」

「大丈夫ですよ(笑)」

表紙を見ると、どうやら推理小説の様だ。

「推理小説か、 好きなのか…?」

そう問いかけると、 ARISA‪໒꒱は目を輝かせて

「はい(笑)!」

と元気よく返事をした。

そこから彼女は、自分が推理小説が
いかに好きなのかを熱弁し始めた。

あまりにも長いので端的に説明すると、 
ストーリーの構成や登場人物の心理描写が
他のどのジャンルの小説とも違い、
とてものめり込めるからだそうだ。 
その輝いた瞳を見ている内、 
つい口走ってしまった…

「なぁ、今度一緒に本屋行かないか…?」

突然何を言っているんだと己を叱責しながらも、
誤魔化す為に続けた。

「いや、見たい本があってな。
もしかしたらARISA‪໒꒱の好きそうなストーリーの
新刊も出てるかも知れないし…」

恐る恐る聞いた俺に対して、彼女は

「えっ!?」

と驚いた表情を見せながらも、

「はい(笑)」

と満面の笑みで答えてくれた。

「それと、俺の事はMORION∴Ψで良いって
言ったろ…(笑)?」

「すみません、まだ慣れなくて…(笑)」

申し訳なく、照れ臭そうに笑うARISA‪໒꒱の笑顔。

その時俺は理解した、この輝く瞳をずっと傍で
見ていたいのだと、 彼女に惹かれているんだと…
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