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1章
何故なら俺がウケだから
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街に向かう道すがら、ブルは俺に観光案内のようなことをしてくれた。
仕事だからしてくれているのか、はたまた素の性格なのか。
買い出しに行くという話をしてくれた時といい、この大男は強面な外見からは想像がつかないほど面倒見が良かった。
ブルの話によると、今から行く街はギムレーという名前らしい。
行くといってもほんの数分で着く場所に街はあるのだが、ブルと会話ができるというだけで俺のテンションは終始上がりっぱなしだった。
――ノンケを好きになってはいけない。
それはゲイであれば誰もが自分に課すルールのようなものだった。
どんなに相手のことを思っても決して実らない恋を誰がしたいと思うだろう。
それはきっと手の込んだ自殺のようなもので、徐々に自分の精神を蝕み破滅することになる。
そうなるのが嫌で、俺は仕事以外でノンケとは極力関わらないようにしていた。
そのルールを思わず破ってしまいそうになるほど、俺は既にこの大男のことが好きだった。
見た目は当然のことながらブルは声もいい。
重低音の声は高音のものと比べると頭が痛くなりづらいので、ずっと彼の話を聞いていたいと思えるほどだった。
ブルの魅力はそれだけではない。
頼んでもいないのに観光案内をしてくれたり、道に迷わぬよう先導してくれたり。
男手一つで子供を育てているせいか、彼の所作からは父性がフェロモンとして滲みでていた。
きっと彼のような男は俺と違い家族が何たるかを理解しているのだろう。
その経験が余裕となり、彼の男らしさを際立たせていた。
(体ばかり成長して、心は思春期のままの俺とは大違いだな……。)
そんなことを考えていると、ブルが少し不服そうな声をあげた。
「おい。俺の話聞いてんのか?」
「聞いてる聞いてる!」
どうやら自分の考えに意識をとられ、相槌をおろそかにしてしまったらしい。
実際、俺はブルに見惚れながらも、彼の話は一字一句逃さずに聞いていた。
遥か昔、この辺り一帯は蜘蛛の魔物が根城にしていたのだそうだ。
街の周辺にあるイアールンの森は蜘蛛の巣で覆われ、日の光の届かない森は魔物の巣窟だった。
太古の英雄たちは少しずつ森を開拓し、陛下の言っていた主という存在を討伐した。
この街の名は、その主を討伐した英雄の名にちなんでつけられたのだそうだ。
俺は蜘蛛が大の苦手だったので、討伐されてよかったと心の底から思った。
遠目から見る分にはいいのだが、間近で見た時の複数ある目と口の構造が苦手だったからだ。
ブルと話をしている内に、街の入口が見えて来た。
そこには城門のように大きくて堅牢な扉があった。
ブル曰く、この街の特色はなんといっても街を護るこの砦にあるのだそうだ。
有事の際は魔物の侵入を防ぐ防波堤としての役割を与えられたこの街は、南側の守りがとにかく手厚い。
反対に王城に続く北門は簡素な造りになっているらしく、この国独自の特色のようなものを感じた。
「有事ってのは結構な頻度であったりするのかな?」
俺が心配そうに尋ねるとブルは笑いながら首を振った。
「安心しろ。この数十年、第二関所が破られたことはない。」
「第二ってことは、第一は破られてるってことか……。関所ってのは全部でいくつあるんだ?」
「領土が広がるごとに関所を増やしてるからな。ここが第一で、この先が第二、今は第三関所まである。」
「なるほどね。それだけ防波堤があるならひとまずは大丈夫か。Lv1で拠点防衛戦をやることになったらどうしようかと思ったよ。」
「Lv30でもやりたかねぇな。ここに来る相手はLv120以上の化け物だろうし。迎え撃つなら最低でもLv100にはなっておきたい。」
Lv1からLv100になるのに一体どれほどの労力が必要なのだろうか。
そのことが気がかりだった俺は、うまく話を広げることができなかった。
Lv30のブルに尋ねても、なんとなく求めている答えが得られないような気がしたからだ。
会話が途切れたので、俺はふと周りを見渡した。
小麦畑で働く労働者。
荷馬車に乗り、荷物を運ぶ商人。
水を運び、家の手伝いをする子供。
ここだけ見ればとても長閑な風景が広がっていた。
だからこそ、俺はまだこの国が置かれている状況を把握し損ねている。
できたらゆっくりこの世界のことを知りたいが、のんびりレベル上げをしても大丈夫なのだろうか。
「お、ブルじゃないか。そちらさんは?」
俺達が街の中に入ろうとすると、門兵らしき男が声をかけてきた。
見慣れない服を着ている俺に、少しだけ警戒しているのがわかる。
そんな門兵に対して、ブルは俺のことを得意げに紹介し始めた。
「聞いて驚くなよ。こいつはなんと、異世界から召喚された勇者様だ。」
「初めまして。力也です。」
驚きで目を見張る門兵に対して、とりあえず俺は挨拶をすることにした。
なんだか不自然な驚き方のような気がしたが、勇者とはそんなに凄い肩書なのだろうか。
「この方が……勇者様?男……だよな?どうしてお前と・・・・・・あっ・・・・・・。」
どうやら門兵は俺の肩書に驚いていたのではなく、ブルのケツの心配をしているようだった。
俺はタチではなくウケなので、ブルがケツを痛める心配はないのだが、俺はそれを言い出せずにいた。
男なのにウケというのは……、なんかこう、言語化が難しいが、表立って発言するには少しハードルがあった。
誰と何人やったみたいな話を自慢げに語る男はいるが、ウケ視点でそれをするとビッチにしか見えないせいかもしれない。
「あっ・・・・・・てなんだよ。あっ・・・・・・て。妙なこと察してんじゃねぇ。」
「そんなに金に困ってたとはな。後で痔に効く薬を持って行ってやるよ。」
「……いらん。」
じゃれ合いのような会話とはいえ、俺のせいでブルに妙な噂がたっても困る。
居ても立っても居られなくなった俺は、二人の会話に割り込んでしまった。
「いや、ブルの名誉の為に言っておくが、それはブルには必要ないものだ 。何故なら俺がウケだからだ!いや待てよ……むしろ俺が必要になる可能性も?」
「ねえよ!」
ブルにツッコミを入れられ我に返った俺は、自分の短絡的な行動に少し恥ずかしくなった。
好意を寄せている人間がいじられているのを見ると、こんなにも庇いたくなるもんなんだなと俺は思い知らされた。
最も、上手く庇えてはなかったが……。
「ハッハッハ。面白いなコイツ。ブルを困らせてんなら町に入れないつもりだったが、気が変わった。」
「おいおい、そんなことを考えてたのか。ほんとおっかねえやつだぜ。力也、こいつはこの砦で一番強い兵士長だ。レベルも30を超えている。」
「ゲイルだ。よろしくな勇者様。」
「力也です。よろしくお願いします。」
このまますんなり中に入れるのかと思ったが、街に入るには勇者であっても滞在許可証を買わねばならないらしい。
一日あたり銅貨10枚だったので、ひとまず一月分をまとめて購入することにした。
銅貨は青銅貨100枚分にあたる貨幣なので、銅貨10枚は日本円で1000円ということになる。
ひと月で3万円も必要となると、庶民はなかなかつらいのではないかと俺は思った。
ブルと一緒に街の中に入ると、服装のせいか町の人から好奇の目を向けられた。
あまり目立ちたくなかったので早速服屋を紹介してもらい、この世界の住人に溶け込めるように着替えを行った。
ちなみに服屋の店主はリックという男だったが、気が弱いらしく、ブルに怯えてあまり会話ができなかった。
「なかなか似合ってんぞ。」
「・・・・・・ど、どうも。」
タイプの人間に褒められ慣れてない俺は、ブルの言葉につい素で返事を返してしまった。
その反応を見ていたブルが、ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべる。
「なんだお前、照れてるのか?」
「うるさい。さっさと次行くぞ。」
道がわからず先を行けない俺は、ブルの背後に回って急かすようにその背中を押すことしかできなかった。
こうすれば赤くなった顔も見られないので一石二鳥だと思ったのだが、「何やってんだ?」とブルには呆れられてしまった。
ちなみに、俺の腕力ではブルの体を1ミリも動かすことができなかった。
だから猶更、ブルは俺が何をしたいのか理解できなかったのかもしれない。
服屋の次に俺達が訪れたのは装備屋だった。
ドアベルがなっているのにもかかわらず、店内はしばらくの間、無人のままだった。
ただカーン、カーン、という金属を叩く音が店の奥から聞こえてくるので、少なくとも鍛冶師はいることがわかる。
「ここはゴンドゥルっていう頑固なオヤジの店でな。武器だけじゃ無く、防具も扱っている。態度はデカいが腕は確かな男だ。」
ブルの説明が終わるのと同時に、フロントに老鍛冶師がやってきた。
自分の作業を中断させられていることに腹を立てているのか、俺のことを苛立たし気に睨みつけてくる。
「ブルよ、随分丁寧な紹介をしておるようじゃが、お前さんの横にいるのはお貴族様か何かか?先に言っとくが、儂はいくら金を積まれようと気に入った奴の装備しか作らんからな。」
『確かに……頑固そうだな。』
ブルにだけ聞こえるように言ったつもりなのだが、ゴンドゥルさんは耳が良いらしい。
「なにか言ったか?若造。」
眉をひそめられた俺は「いや、なんにも。」と愛想笑いを浮かべた。
「こいつはまだLv1だからな。オヤジさんの世話になんのは当分先だ。今日は初心者装備を一式、購入させてもらうぜ。」
「ハッ、髭も生えてる男がLv1か。温室育ちのお坊ちゃんの気まぐれに付き合わされて、お主も災難じゃのう。買うもん買ったらさっさと出てってくれ。儂は新しい武器を作りたいんじゃ。」
「へいへい。」
何か誤解があるような気がするが、ブルは特に気にしていないようだった。
(ブルが気にしていないのなら、俺が気にしてもしょうがないか。)
そう思った俺はブルについて店に並んだ装備を眺めることにした。
ゴンドゥルの店はフロントに商品が並び、バックは鍜治場となっているようだった。
壁には高価な商品が飾られ、樽の中には安い装備が詰められている。
テーブルの上に並べられている武器はその中間といった具合だろうか。
ブルは安すぎる装備には手をつけず、テーブルの上の装備を見ていた。
「なぁ、初心者装備一式って、具体的に言うとどんな装備なんだ?」
ブルが探しているものが何かわからなかった俺は、しばらく一人で品物を眺めた後にそんな質問を投げかけてみた。
真剣に品物を眺めていたブルは、俺をほったらかしにしていたことに気づきバツの悪そうな笑みを浮かべる。
「もう少し考えたいところだが……今の所は片手剣のアイアンソードに、マッシュルームボアの革でできたジャーキンと靴が良さそうだな。」
どうやら初心者装備一式というのは言葉の綾で、ブルがわざわざ使えそうな装備を見繕ってくれていたようだ。
そう考えると安物の装備に手を出さずにいる理由にも察しが付く。
命のやり取りをするものなら、長く使えるものの方が良いと俺も思うからだ。
「この防具もゴンドゥルさんが作っているのかな?金属だけじゃなく革製品も取り扱えるなんて、ゴンドゥルさんは凄い鍛冶師なんだな。」
日本の武器職人、例えば刀鍛冶師は金属以外の加工技術を持っていたのだろうか。
そう考えると、この感想を思いつくのは至極当然の流れのように思えた。
しかし、ブルはそうは思わなかったらしい。
「おい、今の聞いたか?レベルは低いが見る目はあるんじゃねえか?」
「れ、れべる1のヒヨッコに誉められても、嬉しくなんかないわ!……で、何が欲しいんじゃ?遠慮せずゆうてみぃ。」
舌の根も乾かぬうちにとはこういうことを言うのだろうか。
迷惑そうにしていた姿が一変し、防具のつけ方や店頭に並んでいる様々な武器の使い方をゴンドゥルはレクチャーしてくれた。
本当に素で褒めただけなのに、偉く気に入られてしまったようである。
「力也、そろそろ会計にしちまおう。ゴートの奴も腹を減らして帰って来る頃だ。」
もともと買う予定だった初心者装備一式を会計台に載せながら、ブルが俺に声をかけてきた。
ゴンドゥルのオヤジさんとの話がはずんで、随分と時間を費やしてしまったらしい。
話を聞くうちに追加で欲しいものができたので、ブルに買ってもいいか俺は尋ねてみることにした。
「弓矢と手袋、それからガントレットを追加で買おうと思うんだけど……、どうかな?」
「俺の金じゃねえから好きにすりゃいいが……お前、弓なんて使えるのか?」
「ゴンドゥルさんに教えてもらったから恐らく。ただ、砦とかで拠点を防衛をするなら、弓は便利そうだなって思ったんだ。戦闘で使えなくても狩とかも利用できそうだし。」
「手袋は何用だ?採集用か?」
「それは弓用じゃな。こやつの手はお貴族様のように綺麗な手じゃ。弓なんて使おうもんならきっと指を痛めてしまうじゃろう。」
「だから用意してくれたのか。俺が言うのもなんだが、オヤジさん……めちゃくちゃこいつのこと気に入ったんだな。」
「最初はワシの技術を褒めてくれたことが嬉しかったんじゃが、話をしてみるとただの世辞じゃないことがわかった。こやつからは物作りをする者への敬意のようなものを感じる。自分でも驚いとるが、本格的に気に入り始めとるよ。」
口には出さなかったが、それはきっと俺が元の世界で就いていた職業が関係しているのだろう。
ゲーム会社はエンジニアやデザイナー、サウンドクリエイターなどなど自分の職種とは違う専門家達と一緒に仕事をする場所である。
他の人間も他者に敬意を払って生きているだろうが、ことゲームという代物は皆の力が無いとそもそも作れないものなので、俺は自然と他人に敬意を持って接する機会が多くなっていった。
「頑固で名高いオヤジさんをそこまで言わせるとは……。ひとまず、弓矢と手袋の使い道はわかった。ほんで、ガントレットは何に使うんだ?」
「魔法を使って戦闘をしたいと思っているんだけど、魔法書を抱えていると他の武器がもてなくなるだろ?回復魔法なんかは手の平から癒しの光を放つから片方の手を開けとかなきゃだし。だから咄嗟に敵の攻撃をガードする手段としてどうかなぁと。」
「……色々言いてえことはあるが、まずその本だ。まさか本物なのか?どこで手に入れたんだ。」
「城の図書館で無理を言って買い取らせてもらった。」
「ほぉ、城とな。やはりお貴族様じゃったか。」
「お貴族様よりも身分は上になるんだろうが、その話は置いておいてだ。本を片手に持つってことは呪文を覚えてないってことだろ?そんなの実戦で使えるわけねえだろ。」
「いや、だって、初級魔法で70文字以上の詠唱が必要なんだよ?他の魔法使いも絶対カンペ持ってるから。」
「なら普通の魔法使いみてえに、魔法を唱えるのに専念しろよ。前衛は俺がいるんだから。ガントレットは無駄遣いだろ。」
「ええ!?でも……獣に噛まれそうになってもこうやって防げるよ?」
「まぁ、お前は子供じゃねえんだ……好きにすりゃいいさ。弓はいい買い物だと思うしな。」
「ガントレットのことは諦めてる!?……ま、まあ合意はできたということで、会計をお願いします!」
ゴンドゥルの店で装備を買いそろえた俺達は、日用品と晩飯を買って急ぎ帰路に着いた。
独身生活が長くなると自炊もある程度できるようになる。
せっかくなので料理を披露しようとも考えたが、俺はまだこの世界の台所を見ていなかった。
電気やガスが通っていればつまみを捻るだけですぐ使えるのだろうが、そんなハイテクなものがこの世界にあるとは思えなかった。
ワンチャン魔法を使ってどうにかしているという可能性もなくはないが、どちらにせよまずは使い方を教えてもらう必要があるだろう。
だから俺は下手なことは言わずに、今日のところは出来合いの食事ですませることに同意した。
「勇者のおじさんの来ほう?を祝してー、乾杯!」
「「乾杯!!」」
ブルの息子であるゴートの音頭で3人は互いの盃をぶつけ合った。
ゴートの盃の中身は果物を絞っただけのジュースだったが、俺たちの盃には今日買ったばかりの酒が入っている。
普段はあまり飲まないのだが、付き合いを断るほど野暮では無いので、今回はご相伴にあずかることにした。
今日の晩餐はギムレーの街の名物である野菜と肉の串焼きと、ふっくらと焼けたパンだった。
俺の世界には黒パンという固いパンを庶民の食べ物として食していた時代もあったはずなので、異世界でこんなに柔らかい白パンを食べられるのは幸運なのかもしれないと味を噛みしめた。
「異世界の料理もなかなか美味いな。」
名物とやらの串焼きを食べた後に、俺は二人に向かって感想を述べた。
バーベキューをするほどアウトドア派ではない俺は、串焼きなど焼き鳥くらいしか食べたことが無かった。
焼き鳥の場合、肉の間に挟まっているのはネギぐらいなものだが、ここにはピーマンのようなカラフルな野菜が挟まっていた。
肉は柔らかさといい味付けといい、豚の角煮のような感じがした。
野菜の方は歯ごたえは大根に近い感触なのだが、色によって甘かったり酸味があったりと違った味が口の中に広がった。
いくら美味いとは言っても肉だけでは途中で飽きてしまいそうだったが、この野菜のおかげで俺も飽きずに何本も串焼きを食べ続けることができた。
「うまうま。こんなご馳走なら、毎日食べたいな。」
確かに美味しいとは感じたが、ご馳走かどうかは疑問の余地があった。
酒のつまみとして食べるのなら上等ではあるのだが、育ち盛りの子供が食べるには明らかに種類が足りない。
「ゴート君はいつもどんな物を食べてるんだ?」
「いつもは……固いパンをスープにふやかして食べてる。」
「それってまさか黒パン?」
「うん、おじさんも食べたことあるの?」
「それはちょっと……無いかな。」
「そっかー。おじさんは裕福なんだね。ああ、でも……うちが貧乏なのはとーちゃんのせいじゃ無いからね!うちが貧乏なのは……俺のせいなんだ。俺を学校に行かせるために節約してるから……。」
しまった、地雷を踏んだ!
と思わなくもなかったが、俺はひとまず気にしない振りをして話を続けることにした。
何故ならゴートが抱いている罪悪感は、すぐさま払拭できるものではないと知っていたからだ。
ゴートの境遇は俺が子供だった時と少しばかり似ていた。
もっともうちは父親では無く母親が育ててくれたのだが……。
それなりに地位のある再婚相手ができるまで、学費を工面してくれる母親に対して俺も罪悪感があったように思う。
義父が俺にしてくれたことをゴートにすることができれば、きっとこの少年の悩みも解消できるだろう。
そうは思うのだが、それは行動で示すことであって、今子供に話すことではないと俺は思っていた。
ちなみに、ゴートが罪悪感にさいなまれている中、父親の方は何をしていたかというと……。
酒を飲むペースが早かったせいか、ブルは既にイビキをかいて寝てしまっていた。
臨時収入が手に入ったおかげで気が緩み、今日はハメを外しすぎてしまったのだろう。
親の心、子知らず。子の心、親知らずだなと俺は思った。
「学校に行くって言ってたけど、どんな学校に行くんだ?」
「アーシアってとこにある剣術学校。とーちゃんも昔そこで剣術を学んでたみたい。俺はいつかトーチャンみたいな立派な剣士になりたいんだ。」
ブルの職業は戦士じゃなかったか?と疑問に感じたが、俺はそれを質問することはなかった。
それよりも俺は彼に言っておかねばならないことがあった。
「ブルみたいに大きくなるには、バランスの良い食事が必要だ!特にタンパク質、つまり肉を食わないとダメだぞ?俺も頑張ってレベルを上げて金を稼ぐから、一緒に美味いもん食おうな。」
「うん!」
「よし、残りはお前が食え。」
「え、いいの?」
「ああ、おじさんはお腹いっぱいだ。お酒でだいぶお腹が膨らんじまったからな。」
ゴートが料理を食べる様子を見守っていると、突然目を覚ましたブルに首根っこを捕まえられた。
借りてきた猫のように動けなくなった俺の耳元に、男の顔が近づいて来る。
「寝室に来い。」
耳元で囁かれた男の声に、俺はぞくりと全身が痺れるような感覚を味わった。
何か気に障ることをして怒られるのかとも思ったが、その心配はなさそうだった。
「へ?」
間の抜けた声で返事をした時にはもう、ブルは俺たちに背を向けて二階に上がっていた。
「ブルに呼ばれたから……行ってくる。」
「うん!食べ終わったら、お皿の片付けもしておくね。」
なんて躾の行き届いた子なんだと感心をしつつも、俺はブルの元へと急いだ。
2階のどの部屋がブルの部屋なのか、俺は知らなかった。
しかし、わざと半開きになった扉の中であることは容易に察せられた。
ブルの言葉や行動で、否が応でも期待が膨らんだ。
廊下を歩き、扉を開くその瞬間まで、心臓の音が早鐘のように鳴り響く。
ブルの部屋の扉を開けた時、男は下着姿でベッドの上に座っていた。
その姿を見た途端、俺は緊張のあまり一歩も動けなくなった。
「閉めろ。」
ブルに命じられるがままに、俺は部屋の扉を閉めた。
ブルの方へ向き直ると、ブルは自分の隣に座るようにポンポンと軽くベッドを叩いていた。
「そんだけテントを張ってんなら、俺を見て興奮はしてんだよな?」
ブルに指摘された通り俺の股座は、これから行われるであろう行為に期待し興奮していた。
恥ずかしさのあまり声を出せずに頷くと、ブルは緊張で強張る俺の背に腕を回した。
「その割に、あんまり乗り気じゃねえみたいだな。なんでだ?」
火照る体とは裏腹に、俺の表情は曇っていた。
何故ブルは唐突にこんな選択をとったのだろうと考えてしまったからだ。
恐らくこれは、俺との契約をより強固にするための儀式のようなものなのだろう。
そうは思ったが、なぁなぁのまま流れに身を任せるのは良くないことのような気がした。
「誘って貰えたのは凄い嬉しかった。だけどブルは、奥さん以外の人と寝たくないって言ってただろ?だから、その……本当にこれでいいのか気になっちゃって……。」
「・・・・・・すまん。男同士だと思って、処理感覚のつもりでいた。お前は男同士でも恋愛感情があるんだもんな。そりゃカミさんのことは気になるよな。」
「処理感覚なら処理感覚でもいいんだ。俺もこんな年だから割り切り方はわかってる。ただ、ブルは上玉だからさ。体を重ねたらのめり込んじまって、迷惑をかけちまうかも……。」
まだ出会って1日も経っていないが、俺の方はブルのことが好きで好きでしょうがなかった。
思えばパルマーさんが持ってきたプロマイドを見た時から、俺は一目惚れしていたのだろう。
そんな相手と肉体関係を持ってしまったら、やがて別れることになっても綺麗に別れられる自信が無かった。
恋愛経験がなくここまで年をとってしまった俺は、その辺りの感覚が育っていない。
そのことが不安でしょうがなかった。
「どこまでなら処理感覚でいられるんだ?」
「うーん、フェラぐらいまでなら?」
「なら、ひとまずそれで頼む。ゴートが生まれてすぐにカミさんが死んじまってな。正直人肌が恋しいんだ。」
ハニカム大男のことを俺は可愛いと思ってしまった。
惚れた相手にここまで言われてしまっては、辛うじて残っていた理性も不安もあっけなく吹き飛んでしまった。
「そういうことなら、わかった。」
相手がゲイでは無いことを考慮して、俺は服を脱がなかった。
下着をするりと脱がし、力を失っている逸物を躊躇うこと無く咥え込む。
歯を立てないように気をつけながら舌で皮をむくような動きをすると、ブルの逸物はみるみるうちに元気になった。
「ぷはぁ。」
年相応に遊んでいる俺が一度口を離してしまうほど、ブルの逸物は大きかった。
(これで奥さんを孕ませたんだよな……。)
脳裏をよぎった考えに興奮した俺は、無意識の内にヒクヒクとケツがうずくのを感じた。
できることなら、いつか俺もコイツで孕ませられたい。
そんなことを考えながら、俺は男の欲求を解消するために奉仕を始めた。
ベッドの上に仰向けに寝てもらうと、そそりたった逸物が天井を突いた。
宝物を取り扱うように敬意をもって丁寧に舌をはわせていると、唐突にブルが俺の頭を撫でてきた。
「美味いか?」
「美味い!」
ブルの問いに俺は心の底から正直に答えた。
形の違いから生じる食感にこそ違いはあれ、ペニス自体の味にあまり個性はない。
しかし、それにブルの茂みから漂う芳醇な匂いが合わさると、美味いとしか形容できない味となった。
大男が興奮しカウパー腺液が出始めると、更に雄の匂いが濃くなっていく。
チンコソムリエを自称する俺から言わせてもらえれば、この逸物からはいくら舐めても飽きない程の極上の味がした。
あまり抜いていなかったのか、俺がペースを上げすぎたのか、ブルの腰が徐々に持ち上がってきたような気がした。
亀頭を舌で愛撫しながら、大男がイキやすいように手を使って竿を上下にスライドする。
ついでとばかりに玉の入った袋も撫でてやると、ためらうようにブルが一瞬腰を引くのがわかった。
「このまま出してもいいのか?」
大男に問われた俺は、口を離さずにコクコクと頭を縦に振った。
いま口を離してしまうと、射精の瞬間が遠のいてしまうと思ったからだ。
ブルの手が俺の頭を撫でるのを止め、抑えつけるように力がこもった。
腰も乱暴に振るわれ、喉の奥までブルの味が広がっていく。
自分よりも屈強な男に奉仕しているという喜びが俺の逸物をたぎらせ、びくびくと震えるように痙攣するのがわかった。
「そろそろいくぞ。……こぼすなよ?」
ニヤリとブルが嫌らしい笑みを浮かべる。
その顔に父性はなく、ただ男の顔がそこにはあった。
「この感じ……、すげえ久しぶりだ。くそっ……たまんねぇ。いくっ……いくっ……。」
絶頂を迎える男の声と共に、口の中に大量の液体が流れ込んでくる。
俺は思わず零しそうになった男の子種を必死に飲み込んだ。
「んぐ、んぐ……んぐ、んぐ……。」
こぼすなよという命令を見事達成した俺は、最後にブルの逸物を掃除しようと丁寧に舌をはわせた。
射精直後で敏感になっていたのか、俺の舌が大男に触れる度にびくんびくんとソレは口の中で暴れまわる。
口内射精といえばここまでするのが普通だろうと俺は考えていたのだが、ブルは後処理まで望んでする俺を困惑しながら見ていた。
「ふう、なかなか気持ち良かったぜ。男同士ってのも悪くねーな。」
ふうと、口元を拭う俺に向かってブルがそんな感想を述べた。
恥ずかしいという感情よりも、男に喜んでもらえて嬉しいという感情が湧いてくる。
「……満足してもらえたようで良かったです。」
「俺はなんかしてやらなくていいのか?」
「……いい。」
「俺に惚れちまうからか?」
「いや……興奮しすぎて、しゃぶってる時に出ちまった。」
顔を赤らめながらブルに白状すると、ブルは心底楽しそうに俺の粗相を笑い始めた。
恥ずかしさのあまりますます熱く火照る俺の頬に、ブルの手が触れる。
その手はゆっくりと頭に向かっていき、まるで子供をあやすように小さく揺れた。
仕事だからしてくれているのか、はたまた素の性格なのか。
買い出しに行くという話をしてくれた時といい、この大男は強面な外見からは想像がつかないほど面倒見が良かった。
ブルの話によると、今から行く街はギムレーという名前らしい。
行くといってもほんの数分で着く場所に街はあるのだが、ブルと会話ができるというだけで俺のテンションは終始上がりっぱなしだった。
――ノンケを好きになってはいけない。
それはゲイであれば誰もが自分に課すルールのようなものだった。
どんなに相手のことを思っても決して実らない恋を誰がしたいと思うだろう。
それはきっと手の込んだ自殺のようなもので、徐々に自分の精神を蝕み破滅することになる。
そうなるのが嫌で、俺は仕事以外でノンケとは極力関わらないようにしていた。
そのルールを思わず破ってしまいそうになるほど、俺は既にこの大男のことが好きだった。
見た目は当然のことながらブルは声もいい。
重低音の声は高音のものと比べると頭が痛くなりづらいので、ずっと彼の話を聞いていたいと思えるほどだった。
ブルの魅力はそれだけではない。
頼んでもいないのに観光案内をしてくれたり、道に迷わぬよう先導してくれたり。
男手一つで子供を育てているせいか、彼の所作からは父性がフェロモンとして滲みでていた。
きっと彼のような男は俺と違い家族が何たるかを理解しているのだろう。
その経験が余裕となり、彼の男らしさを際立たせていた。
(体ばかり成長して、心は思春期のままの俺とは大違いだな……。)
そんなことを考えていると、ブルが少し不服そうな声をあげた。
「おい。俺の話聞いてんのか?」
「聞いてる聞いてる!」
どうやら自分の考えに意識をとられ、相槌をおろそかにしてしまったらしい。
実際、俺はブルに見惚れながらも、彼の話は一字一句逃さずに聞いていた。
遥か昔、この辺り一帯は蜘蛛の魔物が根城にしていたのだそうだ。
街の周辺にあるイアールンの森は蜘蛛の巣で覆われ、日の光の届かない森は魔物の巣窟だった。
太古の英雄たちは少しずつ森を開拓し、陛下の言っていた主という存在を討伐した。
この街の名は、その主を討伐した英雄の名にちなんでつけられたのだそうだ。
俺は蜘蛛が大の苦手だったので、討伐されてよかったと心の底から思った。
遠目から見る分にはいいのだが、間近で見た時の複数ある目と口の構造が苦手だったからだ。
ブルと話をしている内に、街の入口が見えて来た。
そこには城門のように大きくて堅牢な扉があった。
ブル曰く、この街の特色はなんといっても街を護るこの砦にあるのだそうだ。
有事の際は魔物の侵入を防ぐ防波堤としての役割を与えられたこの街は、南側の守りがとにかく手厚い。
反対に王城に続く北門は簡素な造りになっているらしく、この国独自の特色のようなものを感じた。
「有事ってのは結構な頻度であったりするのかな?」
俺が心配そうに尋ねるとブルは笑いながら首を振った。
「安心しろ。この数十年、第二関所が破られたことはない。」
「第二ってことは、第一は破られてるってことか……。関所ってのは全部でいくつあるんだ?」
「領土が広がるごとに関所を増やしてるからな。ここが第一で、この先が第二、今は第三関所まである。」
「なるほどね。それだけ防波堤があるならひとまずは大丈夫か。Lv1で拠点防衛戦をやることになったらどうしようかと思ったよ。」
「Lv30でもやりたかねぇな。ここに来る相手はLv120以上の化け物だろうし。迎え撃つなら最低でもLv100にはなっておきたい。」
Lv1からLv100になるのに一体どれほどの労力が必要なのだろうか。
そのことが気がかりだった俺は、うまく話を広げることができなかった。
Lv30のブルに尋ねても、なんとなく求めている答えが得られないような気がしたからだ。
会話が途切れたので、俺はふと周りを見渡した。
小麦畑で働く労働者。
荷馬車に乗り、荷物を運ぶ商人。
水を運び、家の手伝いをする子供。
ここだけ見ればとても長閑な風景が広がっていた。
だからこそ、俺はまだこの国が置かれている状況を把握し損ねている。
できたらゆっくりこの世界のことを知りたいが、のんびりレベル上げをしても大丈夫なのだろうか。
「お、ブルじゃないか。そちらさんは?」
俺達が街の中に入ろうとすると、門兵らしき男が声をかけてきた。
見慣れない服を着ている俺に、少しだけ警戒しているのがわかる。
そんな門兵に対して、ブルは俺のことを得意げに紹介し始めた。
「聞いて驚くなよ。こいつはなんと、異世界から召喚された勇者様だ。」
「初めまして。力也です。」
驚きで目を見張る門兵に対して、とりあえず俺は挨拶をすることにした。
なんだか不自然な驚き方のような気がしたが、勇者とはそんなに凄い肩書なのだろうか。
「この方が……勇者様?男……だよな?どうしてお前と・・・・・・あっ・・・・・・。」
どうやら門兵は俺の肩書に驚いていたのではなく、ブルのケツの心配をしているようだった。
俺はタチではなくウケなので、ブルがケツを痛める心配はないのだが、俺はそれを言い出せずにいた。
男なのにウケというのは……、なんかこう、言語化が難しいが、表立って発言するには少しハードルがあった。
誰と何人やったみたいな話を自慢げに語る男はいるが、ウケ視点でそれをするとビッチにしか見えないせいかもしれない。
「あっ・・・・・・てなんだよ。あっ・・・・・・て。妙なこと察してんじゃねぇ。」
「そんなに金に困ってたとはな。後で痔に効く薬を持って行ってやるよ。」
「……いらん。」
じゃれ合いのような会話とはいえ、俺のせいでブルに妙な噂がたっても困る。
居ても立っても居られなくなった俺は、二人の会話に割り込んでしまった。
「いや、ブルの名誉の為に言っておくが、それはブルには必要ないものだ 。何故なら俺がウケだからだ!いや待てよ……むしろ俺が必要になる可能性も?」
「ねえよ!」
ブルにツッコミを入れられ我に返った俺は、自分の短絡的な行動に少し恥ずかしくなった。
好意を寄せている人間がいじられているのを見ると、こんなにも庇いたくなるもんなんだなと俺は思い知らされた。
最も、上手く庇えてはなかったが……。
「ハッハッハ。面白いなコイツ。ブルを困らせてんなら町に入れないつもりだったが、気が変わった。」
「おいおい、そんなことを考えてたのか。ほんとおっかねえやつだぜ。力也、こいつはこの砦で一番強い兵士長だ。レベルも30を超えている。」
「ゲイルだ。よろしくな勇者様。」
「力也です。よろしくお願いします。」
このまますんなり中に入れるのかと思ったが、街に入るには勇者であっても滞在許可証を買わねばならないらしい。
一日あたり銅貨10枚だったので、ひとまず一月分をまとめて購入することにした。
銅貨は青銅貨100枚分にあたる貨幣なので、銅貨10枚は日本円で1000円ということになる。
ひと月で3万円も必要となると、庶民はなかなかつらいのではないかと俺は思った。
ブルと一緒に街の中に入ると、服装のせいか町の人から好奇の目を向けられた。
あまり目立ちたくなかったので早速服屋を紹介してもらい、この世界の住人に溶け込めるように着替えを行った。
ちなみに服屋の店主はリックという男だったが、気が弱いらしく、ブルに怯えてあまり会話ができなかった。
「なかなか似合ってんぞ。」
「・・・・・・ど、どうも。」
タイプの人間に褒められ慣れてない俺は、ブルの言葉につい素で返事を返してしまった。
その反応を見ていたブルが、ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべる。
「なんだお前、照れてるのか?」
「うるさい。さっさと次行くぞ。」
道がわからず先を行けない俺は、ブルの背後に回って急かすようにその背中を押すことしかできなかった。
こうすれば赤くなった顔も見られないので一石二鳥だと思ったのだが、「何やってんだ?」とブルには呆れられてしまった。
ちなみに、俺の腕力ではブルの体を1ミリも動かすことができなかった。
だから猶更、ブルは俺が何をしたいのか理解できなかったのかもしれない。
服屋の次に俺達が訪れたのは装備屋だった。
ドアベルがなっているのにもかかわらず、店内はしばらくの間、無人のままだった。
ただカーン、カーン、という金属を叩く音が店の奥から聞こえてくるので、少なくとも鍛冶師はいることがわかる。
「ここはゴンドゥルっていう頑固なオヤジの店でな。武器だけじゃ無く、防具も扱っている。態度はデカいが腕は確かな男だ。」
ブルの説明が終わるのと同時に、フロントに老鍛冶師がやってきた。
自分の作業を中断させられていることに腹を立てているのか、俺のことを苛立たし気に睨みつけてくる。
「ブルよ、随分丁寧な紹介をしておるようじゃが、お前さんの横にいるのはお貴族様か何かか?先に言っとくが、儂はいくら金を積まれようと気に入った奴の装備しか作らんからな。」
『確かに……頑固そうだな。』
ブルにだけ聞こえるように言ったつもりなのだが、ゴンドゥルさんは耳が良いらしい。
「なにか言ったか?若造。」
眉をひそめられた俺は「いや、なんにも。」と愛想笑いを浮かべた。
「こいつはまだLv1だからな。オヤジさんの世話になんのは当分先だ。今日は初心者装備を一式、購入させてもらうぜ。」
「ハッ、髭も生えてる男がLv1か。温室育ちのお坊ちゃんの気まぐれに付き合わされて、お主も災難じゃのう。買うもん買ったらさっさと出てってくれ。儂は新しい武器を作りたいんじゃ。」
「へいへい。」
何か誤解があるような気がするが、ブルは特に気にしていないようだった。
(ブルが気にしていないのなら、俺が気にしてもしょうがないか。)
そう思った俺はブルについて店に並んだ装備を眺めることにした。
ゴンドゥルの店はフロントに商品が並び、バックは鍜治場となっているようだった。
壁には高価な商品が飾られ、樽の中には安い装備が詰められている。
テーブルの上に並べられている武器はその中間といった具合だろうか。
ブルは安すぎる装備には手をつけず、テーブルの上の装備を見ていた。
「なぁ、初心者装備一式って、具体的に言うとどんな装備なんだ?」
ブルが探しているものが何かわからなかった俺は、しばらく一人で品物を眺めた後にそんな質問を投げかけてみた。
真剣に品物を眺めていたブルは、俺をほったらかしにしていたことに気づきバツの悪そうな笑みを浮かべる。
「もう少し考えたいところだが……今の所は片手剣のアイアンソードに、マッシュルームボアの革でできたジャーキンと靴が良さそうだな。」
どうやら初心者装備一式というのは言葉の綾で、ブルがわざわざ使えそうな装備を見繕ってくれていたようだ。
そう考えると安物の装備に手を出さずにいる理由にも察しが付く。
命のやり取りをするものなら、長く使えるものの方が良いと俺も思うからだ。
「この防具もゴンドゥルさんが作っているのかな?金属だけじゃなく革製品も取り扱えるなんて、ゴンドゥルさんは凄い鍛冶師なんだな。」
日本の武器職人、例えば刀鍛冶師は金属以外の加工技術を持っていたのだろうか。
そう考えると、この感想を思いつくのは至極当然の流れのように思えた。
しかし、ブルはそうは思わなかったらしい。
「おい、今の聞いたか?レベルは低いが見る目はあるんじゃねえか?」
「れ、れべる1のヒヨッコに誉められても、嬉しくなんかないわ!……で、何が欲しいんじゃ?遠慮せずゆうてみぃ。」
舌の根も乾かぬうちにとはこういうことを言うのだろうか。
迷惑そうにしていた姿が一変し、防具のつけ方や店頭に並んでいる様々な武器の使い方をゴンドゥルはレクチャーしてくれた。
本当に素で褒めただけなのに、偉く気に入られてしまったようである。
「力也、そろそろ会計にしちまおう。ゴートの奴も腹を減らして帰って来る頃だ。」
もともと買う予定だった初心者装備一式を会計台に載せながら、ブルが俺に声をかけてきた。
ゴンドゥルのオヤジさんとの話がはずんで、随分と時間を費やしてしまったらしい。
話を聞くうちに追加で欲しいものができたので、ブルに買ってもいいか俺は尋ねてみることにした。
「弓矢と手袋、それからガントレットを追加で買おうと思うんだけど……、どうかな?」
「俺の金じゃねえから好きにすりゃいいが……お前、弓なんて使えるのか?」
「ゴンドゥルさんに教えてもらったから恐らく。ただ、砦とかで拠点を防衛をするなら、弓は便利そうだなって思ったんだ。戦闘で使えなくても狩とかも利用できそうだし。」
「手袋は何用だ?採集用か?」
「それは弓用じゃな。こやつの手はお貴族様のように綺麗な手じゃ。弓なんて使おうもんならきっと指を痛めてしまうじゃろう。」
「だから用意してくれたのか。俺が言うのもなんだが、オヤジさん……めちゃくちゃこいつのこと気に入ったんだな。」
「最初はワシの技術を褒めてくれたことが嬉しかったんじゃが、話をしてみるとただの世辞じゃないことがわかった。こやつからは物作りをする者への敬意のようなものを感じる。自分でも驚いとるが、本格的に気に入り始めとるよ。」
口には出さなかったが、それはきっと俺が元の世界で就いていた職業が関係しているのだろう。
ゲーム会社はエンジニアやデザイナー、サウンドクリエイターなどなど自分の職種とは違う専門家達と一緒に仕事をする場所である。
他の人間も他者に敬意を払って生きているだろうが、ことゲームという代物は皆の力が無いとそもそも作れないものなので、俺は自然と他人に敬意を持って接する機会が多くなっていった。
「頑固で名高いオヤジさんをそこまで言わせるとは……。ひとまず、弓矢と手袋の使い道はわかった。ほんで、ガントレットは何に使うんだ?」
「魔法を使って戦闘をしたいと思っているんだけど、魔法書を抱えていると他の武器がもてなくなるだろ?回復魔法なんかは手の平から癒しの光を放つから片方の手を開けとかなきゃだし。だから咄嗟に敵の攻撃をガードする手段としてどうかなぁと。」
「……色々言いてえことはあるが、まずその本だ。まさか本物なのか?どこで手に入れたんだ。」
「城の図書館で無理を言って買い取らせてもらった。」
「ほぉ、城とな。やはりお貴族様じゃったか。」
「お貴族様よりも身分は上になるんだろうが、その話は置いておいてだ。本を片手に持つってことは呪文を覚えてないってことだろ?そんなの実戦で使えるわけねえだろ。」
「いや、だって、初級魔法で70文字以上の詠唱が必要なんだよ?他の魔法使いも絶対カンペ持ってるから。」
「なら普通の魔法使いみてえに、魔法を唱えるのに専念しろよ。前衛は俺がいるんだから。ガントレットは無駄遣いだろ。」
「ええ!?でも……獣に噛まれそうになってもこうやって防げるよ?」
「まぁ、お前は子供じゃねえんだ……好きにすりゃいいさ。弓はいい買い物だと思うしな。」
「ガントレットのことは諦めてる!?……ま、まあ合意はできたということで、会計をお願いします!」
ゴンドゥルの店で装備を買いそろえた俺達は、日用品と晩飯を買って急ぎ帰路に着いた。
独身生活が長くなると自炊もある程度できるようになる。
せっかくなので料理を披露しようとも考えたが、俺はまだこの世界の台所を見ていなかった。
電気やガスが通っていればつまみを捻るだけですぐ使えるのだろうが、そんなハイテクなものがこの世界にあるとは思えなかった。
ワンチャン魔法を使ってどうにかしているという可能性もなくはないが、どちらにせよまずは使い方を教えてもらう必要があるだろう。
だから俺は下手なことは言わずに、今日のところは出来合いの食事ですませることに同意した。
「勇者のおじさんの来ほう?を祝してー、乾杯!」
「「乾杯!!」」
ブルの息子であるゴートの音頭で3人は互いの盃をぶつけ合った。
ゴートの盃の中身は果物を絞っただけのジュースだったが、俺たちの盃には今日買ったばかりの酒が入っている。
普段はあまり飲まないのだが、付き合いを断るほど野暮では無いので、今回はご相伴にあずかることにした。
今日の晩餐はギムレーの街の名物である野菜と肉の串焼きと、ふっくらと焼けたパンだった。
俺の世界には黒パンという固いパンを庶民の食べ物として食していた時代もあったはずなので、異世界でこんなに柔らかい白パンを食べられるのは幸運なのかもしれないと味を噛みしめた。
「異世界の料理もなかなか美味いな。」
名物とやらの串焼きを食べた後に、俺は二人に向かって感想を述べた。
バーベキューをするほどアウトドア派ではない俺は、串焼きなど焼き鳥くらいしか食べたことが無かった。
焼き鳥の場合、肉の間に挟まっているのはネギぐらいなものだが、ここにはピーマンのようなカラフルな野菜が挟まっていた。
肉は柔らかさといい味付けといい、豚の角煮のような感じがした。
野菜の方は歯ごたえは大根に近い感触なのだが、色によって甘かったり酸味があったりと違った味が口の中に広がった。
いくら美味いとは言っても肉だけでは途中で飽きてしまいそうだったが、この野菜のおかげで俺も飽きずに何本も串焼きを食べ続けることができた。
「うまうま。こんなご馳走なら、毎日食べたいな。」
確かに美味しいとは感じたが、ご馳走かどうかは疑問の余地があった。
酒のつまみとして食べるのなら上等ではあるのだが、育ち盛りの子供が食べるには明らかに種類が足りない。
「ゴート君はいつもどんな物を食べてるんだ?」
「いつもは……固いパンをスープにふやかして食べてる。」
「それってまさか黒パン?」
「うん、おじさんも食べたことあるの?」
「それはちょっと……無いかな。」
「そっかー。おじさんは裕福なんだね。ああ、でも……うちが貧乏なのはとーちゃんのせいじゃ無いからね!うちが貧乏なのは……俺のせいなんだ。俺を学校に行かせるために節約してるから……。」
しまった、地雷を踏んだ!
と思わなくもなかったが、俺はひとまず気にしない振りをして話を続けることにした。
何故ならゴートが抱いている罪悪感は、すぐさま払拭できるものではないと知っていたからだ。
ゴートの境遇は俺が子供だった時と少しばかり似ていた。
もっともうちは父親では無く母親が育ててくれたのだが……。
それなりに地位のある再婚相手ができるまで、学費を工面してくれる母親に対して俺も罪悪感があったように思う。
義父が俺にしてくれたことをゴートにすることができれば、きっとこの少年の悩みも解消できるだろう。
そうは思うのだが、それは行動で示すことであって、今子供に話すことではないと俺は思っていた。
ちなみに、ゴートが罪悪感にさいなまれている中、父親の方は何をしていたかというと……。
酒を飲むペースが早かったせいか、ブルは既にイビキをかいて寝てしまっていた。
臨時収入が手に入ったおかげで気が緩み、今日はハメを外しすぎてしまったのだろう。
親の心、子知らず。子の心、親知らずだなと俺は思った。
「学校に行くって言ってたけど、どんな学校に行くんだ?」
「アーシアってとこにある剣術学校。とーちゃんも昔そこで剣術を学んでたみたい。俺はいつかトーチャンみたいな立派な剣士になりたいんだ。」
ブルの職業は戦士じゃなかったか?と疑問に感じたが、俺はそれを質問することはなかった。
それよりも俺は彼に言っておかねばならないことがあった。
「ブルみたいに大きくなるには、バランスの良い食事が必要だ!特にタンパク質、つまり肉を食わないとダメだぞ?俺も頑張ってレベルを上げて金を稼ぐから、一緒に美味いもん食おうな。」
「うん!」
「よし、残りはお前が食え。」
「え、いいの?」
「ああ、おじさんはお腹いっぱいだ。お酒でだいぶお腹が膨らんじまったからな。」
ゴートが料理を食べる様子を見守っていると、突然目を覚ましたブルに首根っこを捕まえられた。
借りてきた猫のように動けなくなった俺の耳元に、男の顔が近づいて来る。
「寝室に来い。」
耳元で囁かれた男の声に、俺はぞくりと全身が痺れるような感覚を味わった。
何か気に障ることをして怒られるのかとも思ったが、その心配はなさそうだった。
「へ?」
間の抜けた声で返事をした時にはもう、ブルは俺たちに背を向けて二階に上がっていた。
「ブルに呼ばれたから……行ってくる。」
「うん!食べ終わったら、お皿の片付けもしておくね。」
なんて躾の行き届いた子なんだと感心をしつつも、俺はブルの元へと急いだ。
2階のどの部屋がブルの部屋なのか、俺は知らなかった。
しかし、わざと半開きになった扉の中であることは容易に察せられた。
ブルの言葉や行動で、否が応でも期待が膨らんだ。
廊下を歩き、扉を開くその瞬間まで、心臓の音が早鐘のように鳴り響く。
ブルの部屋の扉を開けた時、男は下着姿でベッドの上に座っていた。
その姿を見た途端、俺は緊張のあまり一歩も動けなくなった。
「閉めろ。」
ブルに命じられるがままに、俺は部屋の扉を閉めた。
ブルの方へ向き直ると、ブルは自分の隣に座るようにポンポンと軽くベッドを叩いていた。
「そんだけテントを張ってんなら、俺を見て興奮はしてんだよな?」
ブルに指摘された通り俺の股座は、これから行われるであろう行為に期待し興奮していた。
恥ずかしさのあまり声を出せずに頷くと、ブルは緊張で強張る俺の背に腕を回した。
「その割に、あんまり乗り気じゃねえみたいだな。なんでだ?」
火照る体とは裏腹に、俺の表情は曇っていた。
何故ブルは唐突にこんな選択をとったのだろうと考えてしまったからだ。
恐らくこれは、俺との契約をより強固にするための儀式のようなものなのだろう。
そうは思ったが、なぁなぁのまま流れに身を任せるのは良くないことのような気がした。
「誘って貰えたのは凄い嬉しかった。だけどブルは、奥さん以外の人と寝たくないって言ってただろ?だから、その……本当にこれでいいのか気になっちゃって……。」
「・・・・・・すまん。男同士だと思って、処理感覚のつもりでいた。お前は男同士でも恋愛感情があるんだもんな。そりゃカミさんのことは気になるよな。」
「処理感覚なら処理感覚でもいいんだ。俺もこんな年だから割り切り方はわかってる。ただ、ブルは上玉だからさ。体を重ねたらのめり込んじまって、迷惑をかけちまうかも……。」
まだ出会って1日も経っていないが、俺の方はブルのことが好きで好きでしょうがなかった。
思えばパルマーさんが持ってきたプロマイドを見た時から、俺は一目惚れしていたのだろう。
そんな相手と肉体関係を持ってしまったら、やがて別れることになっても綺麗に別れられる自信が無かった。
恋愛経験がなくここまで年をとってしまった俺は、その辺りの感覚が育っていない。
そのことが不安でしょうがなかった。
「どこまでなら処理感覚でいられるんだ?」
「うーん、フェラぐらいまでなら?」
「なら、ひとまずそれで頼む。ゴートが生まれてすぐにカミさんが死んじまってな。正直人肌が恋しいんだ。」
ハニカム大男のことを俺は可愛いと思ってしまった。
惚れた相手にここまで言われてしまっては、辛うじて残っていた理性も不安もあっけなく吹き飛んでしまった。
「そういうことなら、わかった。」
相手がゲイでは無いことを考慮して、俺は服を脱がなかった。
下着をするりと脱がし、力を失っている逸物を躊躇うこと無く咥え込む。
歯を立てないように気をつけながら舌で皮をむくような動きをすると、ブルの逸物はみるみるうちに元気になった。
「ぷはぁ。」
年相応に遊んでいる俺が一度口を離してしまうほど、ブルの逸物は大きかった。
(これで奥さんを孕ませたんだよな……。)
脳裏をよぎった考えに興奮した俺は、無意識の内にヒクヒクとケツがうずくのを感じた。
できることなら、いつか俺もコイツで孕ませられたい。
そんなことを考えながら、俺は男の欲求を解消するために奉仕を始めた。
ベッドの上に仰向けに寝てもらうと、そそりたった逸物が天井を突いた。
宝物を取り扱うように敬意をもって丁寧に舌をはわせていると、唐突にブルが俺の頭を撫でてきた。
「美味いか?」
「美味い!」
ブルの問いに俺は心の底から正直に答えた。
形の違いから生じる食感にこそ違いはあれ、ペニス自体の味にあまり個性はない。
しかし、それにブルの茂みから漂う芳醇な匂いが合わさると、美味いとしか形容できない味となった。
大男が興奮しカウパー腺液が出始めると、更に雄の匂いが濃くなっていく。
チンコソムリエを自称する俺から言わせてもらえれば、この逸物からはいくら舐めても飽きない程の極上の味がした。
あまり抜いていなかったのか、俺がペースを上げすぎたのか、ブルの腰が徐々に持ち上がってきたような気がした。
亀頭を舌で愛撫しながら、大男がイキやすいように手を使って竿を上下にスライドする。
ついでとばかりに玉の入った袋も撫でてやると、ためらうようにブルが一瞬腰を引くのがわかった。
「このまま出してもいいのか?」
大男に問われた俺は、口を離さずにコクコクと頭を縦に振った。
いま口を離してしまうと、射精の瞬間が遠のいてしまうと思ったからだ。
ブルの手が俺の頭を撫でるのを止め、抑えつけるように力がこもった。
腰も乱暴に振るわれ、喉の奥までブルの味が広がっていく。
自分よりも屈強な男に奉仕しているという喜びが俺の逸物をたぎらせ、びくびくと震えるように痙攣するのがわかった。
「そろそろいくぞ。……こぼすなよ?」
ニヤリとブルが嫌らしい笑みを浮かべる。
その顔に父性はなく、ただ男の顔がそこにはあった。
「この感じ……、すげえ久しぶりだ。くそっ……たまんねぇ。いくっ……いくっ……。」
絶頂を迎える男の声と共に、口の中に大量の液体が流れ込んでくる。
俺は思わず零しそうになった男の子種を必死に飲み込んだ。
「んぐ、んぐ……んぐ、んぐ……。」
こぼすなよという命令を見事達成した俺は、最後にブルの逸物を掃除しようと丁寧に舌をはわせた。
射精直後で敏感になっていたのか、俺の舌が大男に触れる度にびくんびくんとソレは口の中で暴れまわる。
口内射精といえばここまでするのが普通だろうと俺は考えていたのだが、ブルは後処理まで望んでする俺を困惑しながら見ていた。
「ふう、なかなか気持ち良かったぜ。男同士ってのも悪くねーな。」
ふうと、口元を拭う俺に向かってブルがそんな感想を述べた。
恥ずかしいという感情よりも、男に喜んでもらえて嬉しいという感情が湧いてくる。
「……満足してもらえたようで良かったです。」
「俺はなんかしてやらなくていいのか?」
「……いい。」
「俺に惚れちまうからか?」
「いや……興奮しすぎて、しゃぶってる時に出ちまった。」
顔を赤らめながらブルに白状すると、ブルは心底楽しそうに俺の粗相を笑い始めた。
恥ずかしさのあまりますます熱く火照る俺の頬に、ブルの手が触れる。
その手はゆっくりと頭に向かっていき、まるで子供をあやすように小さく揺れた。
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