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013:サリナという少女
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魔物の体内から取れる魔石をゴリゴリと砕いて粉状にしていく。それに塩を混ぜ、魔力を練り込み、再び石の形に成形していく。
簡易結界の完成だ。
結界石の場合は、これに魔物除けのハーブも混ぜる感じで作る。
強烈にハーブを煮詰めるので、かなり臭い。
もうね。宿の女将の目が怖いです。
さて。宿の人達の目も怖いので少し考えて消臭剤と芳香剤を作ろうと思い立った。材料は香草と塩。それに灰を混ぜて風の属性の魔力で練り上げていく。出来上がった薬剤を、匂いを分解する術式を組み込んだ容器に入れるだけだ。
これを配ったところ、大変に喜ばれた。
「ってか最初に作りな!」
とお叱りの声も頂いた。すみません。
魔力の容量と香草や塩が匂いを分解吸収する灰の量から、効力は10日といったところだ。これで宿の人もウチの雑貨屋の常連さんになってくれるだろう。
さて月は過ぎ、実りの月から霜の月へ。そして降雪の月へと変わる。まぁこの辺は、まだそんなに降らないけどな。あくまで国の北の方では降り始めるらしいから、こう呼ばれているだけで。
とはいえ、だいぶ寒くなってきたので少し体を温めるホットドリンクの生産を始めた。使うのは、この辺では貴重なトラシという辛い辛い植物の種だ。それを少量だけ入れて、それに火の属性の魔力を込めていけば完成だ。
そんな感じで、今後の村での生活を豊かにするために身近な物を、ちょこちょこ作っていく。
※
※
※
家の完成具合を見る。外観はほぼほぼ出来ていた。後は内装だそうだ。棟梁と話してみたところ「あと10日もしない内に完成するだろう」とのことだ。楽しみだ。ちなみにだが工房は雑貨屋と母屋とは少し離れていた。
「工房では薬草の乾燥とかするんだろ? 匂いが母屋や雑貨屋に来ないようにな」
どうやら宿屋での匂いの惨事を知っているらしい。
「すみません。ありがとうございます」
お礼を言っておく。まぁ俺は薬草の匂いには慣れたものだが、確かに他にも魔物の素材なんてのも扱うからな。中には解体しないといけない物もあるだろう。そうなると血の匂いとかが気になる事とかもありそうだ。気遣いに感謝だな。
宿での生活もあと数日となったある日。
俺の下にカレナがやって来た。
「やっほー。来ったよぉ」
後ろには見慣れない少女がいる。するとカレナが少女を前に押し出す。
「ほら。ちゃんと挨拶して」
押し出された少女はオドオドとした様子で前に進み出てきた。
「サ、サリナ、です。よろしくお願いします」
「ん。俺はジン。よろしくね。サリナちゃん」
「は、はい。よろしく、です」
十年前なら彼女は当時四歳ぐらいか。俺も彼女もお互いに覚えていなくてもしょうがないよな。
カレナが俺のことをサリナちゃんに紹介している。
「ジンってば凄いんだから。我が村きっての天才だったんだよぉ。いや。賢者の塔まで言ったんだから国の中でも更に凄いってことよね!」
そんな話をしている。サリナちゃんは興味があるんだかないんだか分かんない様な相槌を打っている。俺はサリナという少女を見る。身長は高く、終始うつむき加減で髪は明るい茶色で瞳も明るい茶色だ。目がカレナに似て鋭くて若干細くて、それを前髪で隠すようにしているように見える。総じて薄い顔立ちだな。
身長と目がコンプレックスなのかな。
化粧映えしそうな顔立ちといえばいいだろうか。今度、化粧品でも贈ってみるか。その前に鏡だな。いやセットで贈ろう。んで姿勢を正せば美人さんの出来上がりだ。
「うん。サリナちゃん。よろしくね」
簡易結界の完成だ。
結界石の場合は、これに魔物除けのハーブも混ぜる感じで作る。
強烈にハーブを煮詰めるので、かなり臭い。
もうね。宿の女将の目が怖いです。
さて。宿の人達の目も怖いので少し考えて消臭剤と芳香剤を作ろうと思い立った。材料は香草と塩。それに灰を混ぜて風の属性の魔力で練り上げていく。出来上がった薬剤を、匂いを分解する術式を組み込んだ容器に入れるだけだ。
これを配ったところ、大変に喜ばれた。
「ってか最初に作りな!」
とお叱りの声も頂いた。すみません。
魔力の容量と香草や塩が匂いを分解吸収する灰の量から、効力は10日といったところだ。これで宿の人もウチの雑貨屋の常連さんになってくれるだろう。
さて月は過ぎ、実りの月から霜の月へ。そして降雪の月へと変わる。まぁこの辺は、まだそんなに降らないけどな。あくまで国の北の方では降り始めるらしいから、こう呼ばれているだけで。
とはいえ、だいぶ寒くなってきたので少し体を温めるホットドリンクの生産を始めた。使うのは、この辺では貴重なトラシという辛い辛い植物の種だ。それを少量だけ入れて、それに火の属性の魔力を込めていけば完成だ。
そんな感じで、今後の村での生活を豊かにするために身近な物を、ちょこちょこ作っていく。
※
※
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家の完成具合を見る。外観はほぼほぼ出来ていた。後は内装だそうだ。棟梁と話してみたところ「あと10日もしない内に完成するだろう」とのことだ。楽しみだ。ちなみにだが工房は雑貨屋と母屋とは少し離れていた。
「工房では薬草の乾燥とかするんだろ? 匂いが母屋や雑貨屋に来ないようにな」
どうやら宿屋での匂いの惨事を知っているらしい。
「すみません。ありがとうございます」
お礼を言っておく。まぁ俺は薬草の匂いには慣れたものだが、確かに他にも魔物の素材なんてのも扱うからな。中には解体しないといけない物もあるだろう。そうなると血の匂いとかが気になる事とかもありそうだ。気遣いに感謝だな。
宿での生活もあと数日となったある日。
俺の下にカレナがやって来た。
「やっほー。来ったよぉ」
後ろには見慣れない少女がいる。するとカレナが少女を前に押し出す。
「ほら。ちゃんと挨拶して」
押し出された少女はオドオドとした様子で前に進み出てきた。
「サ、サリナ、です。よろしくお願いします」
「ん。俺はジン。よろしくね。サリナちゃん」
「は、はい。よろしく、です」
十年前なら彼女は当時四歳ぐらいか。俺も彼女もお互いに覚えていなくてもしょうがないよな。
カレナが俺のことをサリナちゃんに紹介している。
「ジンってば凄いんだから。我が村きっての天才だったんだよぉ。いや。賢者の塔まで言ったんだから国の中でも更に凄いってことよね!」
そんな話をしている。サリナちゃんは興味があるんだかないんだか分かんない様な相槌を打っている。俺はサリナという少女を見る。身長は高く、終始うつむき加減で髪は明るい茶色で瞳も明るい茶色だ。目がカレナに似て鋭くて若干細くて、それを前髪で隠すようにしているように見える。総じて薄い顔立ちだな。
身長と目がコンプレックスなのかな。
化粧映えしそうな顔立ちといえばいいだろうか。今度、化粧品でも贈ってみるか。その前に鏡だな。いやセットで贈ろう。んで姿勢を正せば美人さんの出来上がりだ。
「うん。サリナちゃん。よろしくね」
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