こちら織田証券(株)清州営業所

喜多ばぐじ・逆境を笑いに変える道楽作家

文字の大きさ
9 / 48
【Ⅱ章】光秀、謀反をやめて転職をする

2話 衝撃のアンケート結果

しおりを挟む

≪光秀が謀反したら、味方になりますか?アンケート≫

「お前、何勝手にそんなことしてるんだよ!?」光秀は眉を潜めた。

「てへ…副業です!光秀様が我々へのインセンティブをケチるから、私も懐が少々寒くて…」と、利三は舌を出した。

「だって、仕方がないだろ?信長様が俺の管轄エリアから、近江と丹波を取り上げてきたんだ。さらにまだ弊社で新規開拓していない出雲や石見への出向を命じられて…」光秀は駄々をこねる。

「まあ、殿の気持ちもわかります」と、利三はうなづいた。

「それで利三。そのアンケート、お前が直接聞いたん?」

「いや、違いますよー。間者を放ったんです!間者の人件費がかさんじゃって、副業のつもりが大赤字ですよ…」

「お前、アホなんかええ奴なんかわからへんわ!けど大丈夫か?そんなアンケートを答えたら、みんな光秀が謀反を考えてると怪しむんじゃ?」

「その危険を防ぐために、私は先に手を打っておきました!これです!」

利三はそう言って、カードを取り出した。

「ん?なんだこれ?」

「誰にも言いませんよカードですよ!このアンケートに関わったということは、誰にも言わないという保証書ですね。左下には、一応印鑑を押しています。っは!」

「この印鑑、明地光秀じゃねえか!!それじゃまるで俺がこのアンケートの首謀者みたいに…」

「大丈夫です。よくみてください。明地 元 秀 になってますから!」

「誰やそれ!?ってか、渡された武将はこんなカードで安心するのか?」

「はい、このカードがもらいたくて、たまらなかったと叫びだす方もいましたよ!」

「なんて奴らだ。ウイルスも蔓延するし、省庁の威光も陰っているし、もう世も末だなあ…」

そのとき、利三は、光秀をじっと見つめてこう言った。
「あなたが謀反を起こして、信長様を討てば…さらに混沌が訪れるんですよ?」

光秀はバツの悪い顔を見せた。「とにかく、そのアンケートの結果を見せてくれ!?」

「わかりました!では発表します!

≪光秀が謀反したら、味方になりますか?アンケート≫

まず、中 清秀さん・高山 左近さんからいただきました回答は…

味方にはならない!ということでした!」

「うっわー、つらいなあ。まああいつらは秀吉の部下だし..
で、他は?ってか、利三、お前テンション高いなあ」

光秀は前のめりで尋ねる。

「筒 順慶さんは、仲間になったフリをして何もしない、だったのですが、
細 藤孝・忠興父子さんからいただいた回答は…」

「お、あいつらは影響力あるで…動かせる軍資金も多いし、顧客もたくさん抱えてる…」

「適当にごまかして中立の態度をとる、でした!」

この答えを聞いた光秀は頭を抱えた。

「あかん!仲間になってくれる人おらんやん!ってか細父子は親戚やのにぃ...」

「光秀様、そうなんですよ…殿は優秀ですが、親戚からも見放されるほど、人望がないのですね…」

「うすうす気づいてたけど、言葉にされると傷つくわ…むうむぅぅ」
光秀はそう言って、目頭を熱くする。

そして、数秒後。光秀は声をあげた。

「やーめた!自棄になって信長様に逆らうなんて、無謀すぎるわ!」
 
光秀の言葉を聞いた利三は、七福神めいた笑みを見せた。

「やめましょ…か!」

「せや、やめよう!」光秀はご機嫌そうにそう答えると、利三にハイタッチを求めた。

パチン!

響き渡る渇いた音...命を長らえることになる信長への祝音か。

利三は、大きく息を吐き、光秀に尋ねた。

「殿が正気に戻ってくれてよかったー。けど、本当にいいんですか?本当は、謀反を起こして独立したかったんですよね。このままじゃ織田証券で酷使されたまま一生を終えますよ?」

光秀は、目線を逸らし、不機嫌そうに答えた。

「別に…」 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

王国の女王即位を巡るレイラとカンナの双子王女姉妹バトル

ヒロワークス
ファンタジー
豊かな大国アピル国の国王は、自らの跡継ぎに悩んでいた。長男がおらず、2人の双子姉妹しかいないからだ。 しかも、その双子姉妹レイラとカンナは、2人とも王妃の美貌を引き継ぎ、学問にも武術にも優れている。 甲乙つけがたい実力を持つ2人に、国王は、相談してどちらが女王になるか決めるよう命じる。 2人の相談は決裂し、体を使った激しいバトルで決着を図ろうとするのだった。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...